報道の質

国連の日本に対するメディア調査
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最終更新日:2016/06/03 8:43

 国連の「表現の自由特別報告者」デイビッド・ケイ(David Kaye)が平成28年4月に来日しました。

注:正式には「意見及び表現の自由に対する権利の促進と保護に関する特別報告者

    国連の特別報告者とは特定の国の人権状況やテ-マ別の人権状況について事実調査・監視を行う。

    国連人権委員会が任命する。

    いかなる政府、組織からも独立した資格で調査に当る。金銭的報酬はないとされる。

    デイビッド・ケイ氏は国連人権委員会から任命された独立専門家で2014年に就任、米国出身。

    国際人権法や国際人道法の専門家。

デイビッド・ケイ氏は27年12月に来日予定でしたが、日本政府側の非協力の為に延期されていました。

そしていよいよ、デイビッド・ケイの報告書です。

2016年4月14日発表され、正式な報告書は2017年に国連人権委員会に提出されます。

 

● デイビッド・ケイ特別報告者の暫定調査結果

◎ メディアの独立

放送法3条は、放送メディアの独立を強調している。だが、私の会ったジャ-ナリストの多くは、

政府の強い圧力を感じていた。

政治的に公平であることなど、放送法4条の原則は適正なものだ。

しかし、何が公平であるかについて、いかなる政府も判断するべきではないと信じる。

政府の考え方は、対照的だ。

総務相は、放送法4条違反と判断すれば、放送業務の停止を命じる可能性もあると述べた。

政府は脅かしではないと言うが、メディア既成の脅しと受け止められている。

ほかにも自民党は2014年11月、選挙中の中立、公平な報道を求める文書を放送局に送った。

15年2月には菅義偉官房長官がオフレコ会合で、あるテレビ局は放送法に反していると繰り返し批判した。

政府は放送法4条を廃止し、メディア規制の業務から手を引くことを勧める

日本の記者が、独立した職業的な組織を持っていれば政府の影響力に抵抗できるが、そうはならない。

「記者クラブ」と呼ばれるシステムは、アクセスと排他性を重んじる。

規制側の政府と、規制されるメディア幹部が会食し、密接な関係を築いている。

こうした懸念に加え、見落とされがちなのが、(表現の自由を保障する)憲法21条について、

自民党が「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、

並びにそれを目的として結社をすることは、認められない」との憲法改正草案を出していること。

これは国連の「市民的及び政治的権力に関する国際規約」19条に矛盾し、表現の自由への不安を示唆する。

メディアの人たちは、これが自分たちに向けられているものと思っている。

◎ 歴史教育と報道の妨害

慰安婦をめぐる最初の問題は、元慰安婦にインタビュ-した最初の記者の一人、植村隆氏への嫌がらせだ。

勤め先の大学は、植村氏を退職させるよう求める圧力に直面し、

植村氏の娘に対し命の危険をにおわすような脅迫が加えられた。

中学校の必修科目である日本史の教科書から、慰安婦の記載が削除されつつあると聞いた。

第二次世界大戦中の犯罪をどう扱うかに政府が干渉するのは、民衆の知る権利を侵害する

政府は、歴史的な出来事の解釈に介入することを慎むだけではなく、

こうした深刻な犯罪を市民に伝える努力を怠るべきではない。

◎ 特定秘密保護法

すべての政府は、国家の安全保障にとって致命的な情報を守りつつ、

情報にアクセスする権利を保障する仕組みを提供しなくてはならない。

しかし、特定秘密保護法は、必要以上に情報を隠し、原子力や安全保障、災害への備えなど、

市民の関心が高い分野についての知る権利を危険にさらす。

懸念として、まず、秘密の指定基準に非常にあいまいな部分が残っている。

次に、記者と情報源が罰則を受ける恐れがある。

記者を処分しないことを明文化すべきで、法改正を提案する。

内部告発者の保護が弱いようにも映る。

最後に、秘密の指定が適切だったのかを判断する情報へのアクセスが保障されていない。

説明責任を高めるため、同法の適用を監視する専門家を入れた独立機関の設置も必要だ。

◎ 差別とヘイトスピ-チ

近年、日本は少数派に対する憎悪表現の急増に直面している。

日本は差別と戦うための包括的な法整備を行っていない。

ヘイトスピ-チに対する最初の解答は、差別行為を禁止する法律の制定である。

◎ 選挙の規制 (省略)

◎ デジタルの権利 (省略)

◎ 市民デモを通じた表現の自由

日本には力強く、尊敬すべき市民デモの文化がある。

国会前で数万人が抗議することも知られている。

それにもかかわらず、参加者の中には、必要のない規制への懸念を持つ人たちがいる。

沖縄での市民の抗議活動について、過剰な力の行使や多数の逮捕があると聞いている。

特に心配しているのは、抗議活動を撮影するジャ-ナリストへの力の行使だ。

 

 

 

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