今後も増え続ける国民負担

今まででも原発には巨大なお金がつぎ込まれました。

政府は今後も原発の推進政策を変更しないようですから、

これからも尚巨額な資金が私たち一人一人の負担になることは間違いないでしょう。

今までの分の廃棄物や使用済み燃料の処理も困っているのに、

今後も原発を続けた場合更に費用がかさみます。

その為に国は金を積み立て準備しています。

 

積み立て終了予定までの金額

 ☆再処理など核燃料サイクル関連積立金        6兆4407億円

  2084年まで積立て

 ☆核のゴミの最終処分費用積立金      2兆5613億円

  2033年頃まで積立て

 ☆廃炉積立ての不足分           1兆2312億円

 ☆新規制基準への対応積立て          1兆1557億円

      合計            11兆3889億

今後毎年必要になる費用

 ☆日本原子力研究開発機構への支出   1667億円

 ☆原発が立地する自治体への交付金   1042億円

 ☆自治体に支払う核燃料税         399億円

 ☆原子力規制委員会の人件費等       373億円

 ☆原発関連の研究開発           366億円

 ☆原子力安全基盤機構への支出       201億円

 ☆原子力防災にかかる費用         151億円 

 ☆原発の保険料(50基分)          28億円 

 ☆原子力委員会の人件費など         2億円

          合計                            4229億円

恐るべき金額です。

今後も原子力発電を続けるとこれだけ資金が必要になります。

毎年の積み立て予定だけで11兆円を超えます。

さらに下の「今後毎年必要になる費用」は1年間だけですから、

10年続ければ4兆、20年続ければ8兆です。

この合計が私たち国民の負担になるのです

一番上の「日本原子力研究開発機構への支出」もんじゅです。

次が前項の交付金です。

これだけのお金が準備されるのですから、命よりお金!・・・・

経済効果は大変なもので原発がやめられない理由の一つでしょう。

 

「エネルギ-対策特別会計」

国の原発、石炭、石油等はエネルギ-対策特別会計の分野に入ります。

内容にあったそれぞれの税金が財源になっています。

●エネルギ-対策特別会計

 ☆エネルギ-需給対策  石油石炭税を一般会計に計上される

 ☆電源開発促進勘定   電源開発促進税を一般会計に計上される

このうち「電源開発促進勘定」が原子力発電関係になります。

金額的には平成22年度でエネルギ-対策特別会計分の歳入は2兆299円で、

その内電源開発促進勘定分は3463億円でした。

 

●電源開発促進勘定の内容

 ☆電源立地対策関係

    電源立地地域の振興

電源立地地域への交付金

電源立地地域への企業立地支援等

原子力広報や原子力人材育成支援

地域との共生のための取り組みの充実・強化

原子力防災・環境安全対策の充実・強化

その他

●電源利用対策

 次世代の原子力利用に向けた技術開発等

 安定・効果的な電力供給のための取組

 原子力施設に関わる規制の適正な実施

 その他

 

少しややっこしいのですが各項目を具体的に見てみましょう。

平成22年度予算における事業です。

●電源立地対策

 ☆原子力発電施設と国民・地域との共生

  -核燃料サイクル施設の立地や高経年化炉に係る理解促進

  -原子力発電施設等の立地地域に係る地域振興の推進 等

 ☆原子力安全・防災対策の確保と向上

  -耐震安全性の評価・確認の実施・並びに評価・確認方法の高度化を推進

  -軽水炉の高度利用に対する安全確保の観点からの安全研究を推進 等

 ☆環境安全対策の推進

  -地方公共団体が行なう原子力施設の周辺地域における環境放射線監視事業の支援 等

 ☆原子力防災対策の推進

  -国や地方自治体における原子力施設の緊急時対策の充実 等

 ☆原子力広報・教育支援の推進

  -原子力に関する教育の取組の支援

  -高速増殖炉「もんじゅ」等の重点施策に係る広報による普及啓発

●電源利用対策

 ☆原子力の利用の推進

  -次世代軽水炉等の先進的原子力発電技術開発

  -核燃料サイクルの総合的利用方策の充実・強化 等

 ☆安定的・効率的な電力の供給に資する技術開発 等

  -次世代送配電ネットワ-ク構築に向けた技術開発・実証事業

  -超電導ケ-ブル等、革新的な高効率送電技術等を確立するための研究開発 等

 

内容を見ると、結局は資金をばら撒くために単に甘い口実を並べたように見えます。

基本政策は国が決定したとは言え、

各電力会社が仕事をし易くするために国がお金をジャブジャブ出す。

JRやNTTなど他の民営化事業と比べれば特殊です。

企業努力もありません。

電力会社は民間なのに、経営がうまく行くように側面から税金を投入しているのです。

 

「電源開発促進税」

前項で交付金の財源は電源開発促進税で、と書きました。

この法律は1974年(昭和49年)6月6日に出来た法律で

平成23年12月2日に最終改正されています。

●法律の内容は

 第1条    原子力施設、水力発電施設、地熱発電施設等の設置の促進

   及び運転の円滑化を図る等のための財政上の措置

   並びにこれらの発電施設の利用の促進及び安全の確保

   並びにこれらの発電施設による電気の供給の円滑化を図るための

   措置に要する費用に充てるため、

   一般電気事業者の販売電気には、この法律により、電源開発促進税を課する。

 第6条   電源開発促進税の税率は、販売電気千キロワット時につき、375円とする

    注: 1000Kw/時で375円です。

 

勿論一般家庭でこんなに使いませんから、標準家庭(4人)で年に1400円くらいかもしれません。

知らない内に私たちの電気代に税金が加算されて交付金として全国にばら撒かれているのです。