メタボリックシンドロ-ム

メタボリックシンドロ-ムとは、

内臓脂肪型肥満(内臓肥満・腹部肥満)に加えて

高血糖・高血圧・高脂血症のうち

2つ以上を合併した状態のことを言います。

それぞれ単独でも問題ですが、

沢山重なるとより動脈硬化性の疾患が

増えるということで特に

メタボリックシンドロ-ムと名づけられました。

メタボリックとは本来メタボリズムで代謝のことです。

通常は代謝異常あるいは代謝障害のことを言います。

糖の代謝が異常になったり、

脂肪の代謝が異常になった状態のことを言います。

シンドロ-ムは症候群ですから

日本語で言えば代謝異常症候群で、

英語でメタボリックシンドロ-ムと呼んでいます。

その名前は当初「インスリン抵抗性症候群」

「死の四重奏」「内臓脂肪症候群」等の名前が使われましたが、

結局1998年にWHO(世界保健機関)が定義づけをして

メタボリックシンドロ-ムと呼ばれるようになりました。

 

2004年度国民健康・栄養調査の結果により、

2006年に厚生労働省は

約1960万人がメタボリックシンドロ-ムに

該当すると発表しました。

そしてその治療を実施することで

医療費が2兆円削減できると発表しました。

しかしその1960万人を未然に治療することで

本当に医療費は削減できるのか、

逆に元気な1960万人を

治療の対象にすることで

逆に医療費は増えるのではないか?

との疑問が残る中で制度は強行実施されました。

 

◎囁かれた問題点

 ☆健康上の責任が保健組合及び

  私たち個人になるので、

  行政や企業は責任が無くなる

 ☆受診率が目標に達しない場合

  保険料が高くなったり、

  保健組合への補助金が減る等のペナルティがある。  

  半ば脅かしのように強制する必要があるのか

 ☆メタボリックシンド-ロ-ムの人が

  病気になった場合自己負担を増やすことが

  検討されているが、健康の責任を

  個人に押し付けることは憲法違反ではないか

 ☆基準を決めた各委員会のメンバ-に

  製薬会社と密接な関係がある人がいることは  

  癒着につながるのではないか

 

このような問題点が囁かれているわけですが、

具体的にはどうなのでしょうか?

こまかい検診内容を下記に詳しく書きますが、

全体としての問題点を先にかきます。

そして各項目については後で更に詳しく解説します。

 

まずはどのくらいの人が検診で引っかかるのでしょうか?

◎日本総合健診学会の資料

 学会に所属する全国45施設から集めた

 70万人分の健診結果から、

 40~74才の人で特定健診の項目を

 受診した51,432人(男性:28,682人、女性:22,750人)の

 統計調査で、

 男性の94%、女性の83%がどれかの項目で異常となった

 このうち病院通い(受診勧奨)を促される

 対象になる人は(メタボ健診としての検査だった場合)

 男性の59% 女性の49%が対象になります。

 このシミュレ-ションから

 受診勧奨者と生活指導者を割り出すと、

 指導の方が少なくなりました

 厚生省の検討会で「指導は手間がかかるから受診を多くする」

 との要望が出て、

 基準値を操作した噂が流れています。

 本来は適切な指導をして国民の健康を

 維持する趣旨ですからおかしいことです。

 

◎日本人間ドック学会の発表(2012年8月25日東京新聞)

 2011年に人間ドックを受診した全国約313万人の統計です。

 どこにも異常なしと判定された人

   1984年 29.8%

   2010年   8.4%

   今回   7.8%

 異常の多い項目

   肝機能異常    33.3%

   高コレステロ-ル 29.8%

   肥満       27.6%

   血糖値の異常   23.2%

   高血圧      21.0%

   高中性脂肪    15.3%

注:どこにも異常なしと判断された健康な人が、

  1984年、2010年、2011年と

  メタボ検診が始まってから

  どんどん少なくなっています。

  つまり日本中で毎年病人が

  増えているということになります。

 

健康で長寿の国、しかも医療が発達した先進国である日本で、

検診を受けた中高年のほとんどがどこかに異常がある。

2012年のドックを受診した313万人は異常なしが、わずか7.8%・・・・

国民の9割以上に病気の前兆があるということです。

これはおかしい事です。

国民のほとんどが病気なのでしょうか

 

何らかの病気でくすりをのんでいる人の割合も増えています。

厚生労働省の発表です。

高血圧の薬

平成20年度   18.9%

平成21年度   19.2%

平成22年度   19.6%

平成23年度   20.1%

脂質異常の薬

平成20年度   10.0%

平成21年度   10.8%

平成22年度   11.5%

平成23年度   12.0%

糖尿病の薬

平成20年度    4.1%

平成21年度    4.2%

平成22年度    4.3%

平成23年度    4.5%

医療費の高騰が問題視されている中で薬の使用量は確実に増えています。

わざわざ不安をあおって医療費をあげているようにも思えます。

むしろ検診内容を厳しくして病人をわざわざ増やしているようにも見えます。

この事では検診をめぐる専門学会の委員と製薬会社の癒着の疑いも噂されています。

 

特定検診・特定保健指導をリ-ドして基準を作ったのは

「日本肥満学会」と「日本動脈硬化学会」ですが

その両方の理事長を務めた大阪大学医学部のM教授の研究室への企業からの寄付金は

2000年から2005年までに8億3808万円となっているそうです。(週刊朝日ライタ-T氏資料)

製薬会社からの寄付の最高は三共(第一三共)の1億1600万円で、

以下武田、山之内、萬有、ファイザ-と製薬会社が続いています。

トップの三共はコレステロ-ル低下剤・メバロチンの販売をしていて、

年間2000億円の売り上げがあったとされています。

このことは典型的な事例ですが、エイズ事件やインフルエンザ騒動をみても氷山の一角のように思われます。

最近、2014年でも毎月のように製薬会社と大学を初めとした研究機関の癒着が報道されています。

国では厚生省の天下りが製薬団体に行き、研究者が製薬会社から研究費を受け取り、

厚生省から研究者に補助金が出ていることを考えれば当然のことかもしれません。

 

医療費削減が目的なのに、国民の健康を守るとされる特定検診・特定保健指導を受けると、

国民の約半数が病人扱いで受診勧奨とされる・・・・

これはむしろ検診の基準がおかしいのではないのでしょうか?

それではどのような機関が基準を作り、基準はどのような内容なのかです。