血圧と死亡率

血圧が上がると

死亡率が高くなるとするデ-タ-は色々あります。

年齢差や男女差を考えずに、

単に血圧の高さと死亡を見ると、

一見死亡率が高くなったように思われます。

そこで男女や年齢を分けたグラフを見てみます。

 

●  郡山市と伊勢原市での大規模なコホ-ト研究

   東海大学大櫛陽一教授が整理

           「検査値と病気」から引用

 血圧のレベルは米国の

 フラミンガムスコア-の分類です。

レベル  1  上120以下       下80以下

    2  上120~129    下81~84

    3  上130~139    下85~89

    4  上140~159    下90~99

    5  上160以上      下100以上

   年代別の一番下59歳以下(▲)は薄くて見づらいと思います。

   下のラインすれすれに薄く見えます

男性

 SCN_0088   血圧と死亡率 男

  注:1  どのレベルでも年齢が高いほうが

     10万人あたりの死亡数は多いです   

     つまり血圧レベルより年齢のほうが   

     死亡数に影響を与えているのが分かります。  

    2  特に70歳以上の高齢者では低いほど

     (レベル2以下)死亡が増ています。

     特に80歳代では高い方が安全なことが分かります 

     70歳代では少しずつ高くなりますが、低いほうも危険です

    3  60歳代ではどのレベルでも変わりません

    4  一番下の59歳以下(▲)は良く見えませんが

     どのレベルでも死亡数はほとんど変わりません。 

     つまりあまり気にすることはないということです。

 

女性

 SCN_0089 血圧と死亡率 女 

 注:1  どのレベルでも年齢が高いほうが

    10万人あたりの死亡数は多いです 

    つまり血圧レベルより年齢のほうが

    死亡数に影響を与えているのが分かります。

   2  特に80歳以上の高齢者では

    低いほど(レベル3以下)死亡が増えています。

    高い方が安全なことが分かります

   3  70歳代ではレベル2以上ではどのレベルでも変わりませ。

   4  60歳代ではどのレベルでも変わりません

   5  一番下の59歳以下(▲)は良く見えませんが

    どのレベルでも死亡数はほとんど変わりません。 

    つまりあまり気にすることはないということです。

 

●  一般住民での降圧治療による死亡危険度 

   日本脳卒中学会シンポジウム 2007 から

 全ての病気で死亡した総死亡数のうち

 高血圧治療を受けている人と

 受けていない人の比較です。

 それによると 

  上 130~139 下 85~89

        高血圧治療を受けても受けなくても

        総死亡率は変わらない

  上 180以上 下110以上の人

        高血圧治療を受けている人の

        総死亡率は5倍近くになる

 つまり血圧の高い人は薬で血圧を下げたいのですが、

 下げると逆に総死亡が増えると言う

 矛盾した結果になっていると言うことです。  

 ただしどこまで下げたら危険なのかと言う

 統計ではありませんが、

 極端に下げない方が良いと思われます。