インフルエンザとタミフル

2009年9月に書きました

 

インフルエンザの話題が出ると

必ず抗ウイルス薬タミフルの話になります。

そしてタミフルは効果があるという意見や

異常行動が出るので危険だという意見など賛否両論です。

 

新型インフルエンザが蔓延し始め、

タミフルの備蓄(都も備蓄している)が気になるなど、

タミフルは身近な薬剤になってきました。

 

私たちの身体は感染をすると

免疫力を高めて病原体と戦う準備を始めます。

しかし免疫力が高まるまでどうしても

数日かかりますから、

その間は発熱で微生物の活動を抑えるのです。

そしてタミフルは免疫力が高まるまで

体内で感染拡大を引き延ばす薬なのです。

予防薬でも特効(治療)薬でもなく時間稼ぎ薬です。

 

ウイルスは細菌と違って自分で

増殖することはできません。

そのため細胞の中に入り込んで

私たちの遺伝子を利用して増殖します。

感染を拡大させるためには細胞内で増えた

ウイルスは外に出てまた隣の細胞に入り込み、増殖します。

その繰り返しで感染が拡大していくのですが、

タミフルはウイルスが細胞の外に出るのを

妨害(遅らせる)するのです。

結局インフルエンザを治すのは自分の免疫力なので、

タミフルは単にチョット手助けするだけです。

 

感染の拡大を遅らせるのが目的ですから、

発症直後使用しなければ意味がないのです。

普通、熱は3日目から下がり始めますから、

発熱して2日目にタミフルを服用して

あまり意味がないといえます。

ただ重症化し易い妊婦・年寄り・糖尿病・心臓病・・・・等

ハイリスクの人には免疫力が高まるまで

タミフルで抑えるという意味では

必要があるかも知れません

 

WHOでは入院患者(発病ではありません)の

1割位はタミフルが必要としています。

2007年3月から、国では10代以下に

タミフルを中止にしていましたが、

メキシコ発の今回のインフルエンザでは

国を挙げてタミフルを使用しました。

そして騒ぎが収まった現在再び使用中止にしました。

 

さてWHO(世界保健機構)でも日本政府も推奨している

妊婦には安全なのでしょうか?

タミフルの「新薬承認情報集」のデ-タをもとに

浜六郎医師が解析した結果、

妊娠ラットにタミフルを倍(体重あたり)

投与したところ胎児死亡が

4倍に増えていることが判りました。

妊娠中は胎児と言う異物が体内にあるため

免疫は正常ではない状態と考えられます。

やはり注意した方が良さそうです。