日本での立法運動

慰安婦関係の資料で政府が公開したものは

雀の涙ほどのほんのわずかで、

民間で調査・発見したものが圧倒的です。

民間でもこのように集まるのですから、

本当は少ないのではなく、

大量の資料を非公開にしているのです。

高名な女性ジャ-ナリストが

国の文書による証拠がない限り、

ジャ-ナリストの良心として

強制連行があったとは言えない」

という趣旨の発言をテレビでしました。

ジャ-ナリストなら自分でも積極的に調査するべきだし、

実際は国が公開していないだけなのだ

という事をどう考えるのでしょうか?

 

1994年11月6日の

毎日新聞に次のような記事が出ています。

● 「旧内務省の文書がゾロゾロ」

 自治省は来年秋、近隣の民間ビルに引っ越す・・・・

 戦前・戦後の日本の官僚機構の

 頂点だった旧内務省本流の自治省だけに、

 準備作業を始めたところ

 膨大な旧内務省文書があることが判明・・・・

 同省文書課で各課に引越し準備のために

 現在所有している文書量を申告してもらったところ、

 積み上げると約1万5000メ-トル分あった。

 これだけでも膨大だが、

 このほかに地下の書庫に眠る文書で、

 どこの課にも属さないものが

 数千メ-トル分もあることが判明・・・・

 

勿論旧内務省資料が全部慰安婦関係ではないでしょう。

しかし相当あることは間違いありません。

注:朝鮮総督府や台湾総督府を

  管轄したのは内務省(以前は拓務省)ですから、 

  慰安婦関連資料が大量にあるはずです。

 

また国には、別の場所にも大量の文書が眠っています。

● 警察資料 警察庁、警察大学校、

      警視庁、道府県警察本部

 慰安婦が日本・台湾・朝鮮から渡航する場合、

 各種身分証明書を発行しているのが警察なので、

 膨大な資料があるはずです。

● 防衛庁資料 防衛研究所図書館、その他防衛庁各機関

 旧軍人の業務日誌や従軍日誌等が保存されている

●外務省 外交資料館

●国立公文書館

●国立国会図書館

●法務省資料

●厚生労働省資料

 

さらに日本軍慰安婦関係の資料は

日本以外の外国にも沢山保存されています。

 

● アメリカ国立公文書館、イギリス国立公文書館、  

 オ-ストラリア国立公文書館及び戦争記念館

 オランダ国立公文書館及び国立戦争資料研究所  

 中華民国国史館他、中国、ロシア、東

 南アジア諸国の国立資料館や公文書館

 

これだけの膨大な資料がありながら、

調査も公開もしていません。

そして昔の事だから証拠がなくて

調べようがないから、謝罪も補償もできない。

これが日本政府の立場です。

実際に資料が不足しているのなら、

良い悪いの議論をしても仕方がありません。

慰安婦問題にしても、

強制連行、731部隊、細菌戦、毒ガス戦・・・・

世界から注目されている事ばかりです。

やはり国自らが責任を持って

誠意ある調査をして発表するべきでしょう。

 

日本の政治家の中から

超党派の国会議員でそのような動きが出てきました。

注:2003年当時の話です、

  現在でもその流れは続いているのでしょうか

● 恒久平和のために真相究明法の成立を目指す議員連盟

 1998年9月に超党派の国会議員で発足しました。

 「呼びかけ人」

  鯨岡兵輔 土井たか子 武村正彦 浜四津敏子 鳩山由紀夫

 メンバ-は1999年6月20日現在、109名です

 所属政党 自由民主党、民主党、公明党、日本共産党、

      日本社会党、さきがけ、無所属

 活動内容は、国会図書館の中に、

 「恒久平和調査局」を設置して、

 戦争資料の調査を進め、結果を公開する。

 そしてそのために国会図書館法の一部を

 改正する法案を国会に出す事

注:何故国会図書館なのかというと、

  官僚や時の権力者の影響を

  受けないようにするためです。

 

現実にはこのような法案を国会に出す事は難しい事でしょう。

また出しても日本の現状では

審議に持ち込む事は難しいと思われます。

その通りで、これに限らず関連の法案は

何度も法案提出が行なわれましたが、

審議に持ち込まれず流れてしいます。

 

遂に2002年7月の延長国会で2つの法案が

初めて審議開始になりました。

● 衆議院 

 「国立国会図書館法一部改正安」

● 参議院 

 「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」

 

国会議員ですから選挙のたびに変動しますが、

参考までに提出時点のメンバ-と法案の内容を書きます。

日常マスコミに登場していなくとも

真面目に活動している議員がいることがわかると思います。

また途中で主張を変えた議員も分かるでしょう。

 

国立国会図書館法一部改正安

2000年11月20日衆議院に提出された時のメンバ-です

 (提出者) 

  鳩山由紀夫、不破哲三、土井たか子

  田中甲、木島日出夫、辻元清美

 (賛成者) 

  安住淳、赤嶺政賢、阿久津幸彦、赤松広隆、阿部知子、

  荒井聡、五十嵐文彦、井上和雄、伊藤英成、伊糖忠治、

  家西悟、池田元久、石井郁子、石井紘基、石井一、

  石毛鍈子、今川正美、岩国哲人、上田清司、植田至紀、

  生方幸夫、枝野幸夫、江崎洋一郎、小沢鋭仁、小沢和秋、

  大石直子、大石正光、大出彰、大島敦、大島令子、

  大谷信盛、大畠彰宏、木幡基夫、大森猛、岡田克也、

  奥田建、加藤公一、鹿野道彦、海江田万里、鍵他節哉、

  金子善次郎、金子哲夫、金田誠一、鎌田さゆり、川内博史、

  川端達夫、河村たかし、菅直人、菅野哲雄、北川れん子、

  木下厚、北橋健治、釘宮馨、熊谷弘、桑原豊、

  玄葉光一郎、小泉俊明、小平忠正、児玉健次、 小林憲司、

  小林守、古賀一成、穀田恵二、五島正規、後藤茂之、

  後藤斎、今田保典、今野東、近藤昭一、佐々木憲昭、

  佐々木秀典、佐藤観樹、佐藤謙一郎、佐藤敬夫、鮫島宗明、

  志井和夫、塩川鉄成、重野安正、島聡、城島正光、

  首藤信彦、末松義則、鈴木康友、瀬吉由紀子、仙谷由人、

  田中慶秋、田並胤明、高木義明、武正公一、玉置一弥、

  樽床伸二、津川祥吾、筒井信隆、手塚仁雄、土肥隆一、

  東門美津子、中川智子、中川正春、中沢健次、中田宏、

  中津川博郷、中西績介、中野寛成、中村哲治、中山義活、

  永井英慈、永田寿康、中林よし子、長妻昭、長浜博行、

  楢崎欣弥、野田佳彦、羽田孜、羽山峻、鉢呂吉雄、

  原口一博、原陽子、春名眞章、伴野豊、日野市朗、

  肥田美代子、日森文尋、平岡秀夫、平野博文、藤木洋子、

  藤村修、古川元久、保坂展人、細川律夫、細野豪志、

  堀込征雄、前田雄吉、前原誠司、牧義夫、牧野聖修、

  松崎公昭、松沢成文、松野頼久、松原仁、松本剛明、

  松本善明、松本龍、三村申吾、光井辧友、水島広子、

  矢島恒夫、山内功、山口わか子、山口壮、山口富男、

  山田敏雅、山谷えり子、山井和則、山花郁夫、 山村健、

  山本勉、横路孝弘、横光克彦、吉井英勝、吉田公一、

  渡辺周

    注:黄色はその後主張を変えた人です

 

「法律案の要点」

第1 国会図書館に恒久平和調査局を置く

第2 調査局は次の事項を調査する

 1. 今次の世界大戦にいたる経過と原因の解明

 2. アジアから労働力として徴用した実態

 3. 女性に対する組織的な性的強制の実態

 4. 生物化学兵器の開発、実験などの実態

 5. 右以外の非人道的行為による被害実態

 6. 戦争の被害者に対して戦後とった措置

第3 官庁は右の調査を両院議長に報告する

以下 省略

 

● 戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案

  2001年11月14日に参議院に議案を

  発議した時点のメンバ-です。

 (発議者) 

  円より子、千葉景子、岡崎トミ子、

  八田ひろ子、吉川春子、大脇雅子、田嶋陽子

 (参同者) 

  浅尾慶一郎、朝日俊弘、伊藤其隆、池口修次、井上哲士、

  井上美代、池田幹幸、市田忠義、今井澄、岩佐恵美、

  岩本司、江田五月、大沢辰美、大淵絹子、太田昌秀、

  小川敏夫、 大塚耕平、大橋巨泉、緒方靖夫、紙智子、

  神本恵美子、川橋幸子、木俣佳丈、北澤俊美、郡司彰、

  小池晃、小泉親司、小林元、小宮山洋子、興石東、

  佐藤泰介、佐藤雄平、斎藤勁、桜井充、榛葉賀津成、   

  鈴木寛、大門実紀史、高嶋良充、谷博之、谷林正昭、

  辻康弘、角田義一、富樫練三、直嶋正行、西山登紀子、

  長谷川清、畑野君枝、林紀子、広中和歌子、福島瑞穂、

  福山哲郎、藤井俊男、渕上貞雄、筆坂秀夫、堀利和、

  又市征治、松井孝治、峰崎直樹、宮本岳志、簗瀬進、

  山下八洲夫、山本孝史、山本正和、吉岡吉典、和田ひろ子、

  若林秀樹、藁科満治

法案の要点

法案提出理由

 今次の大戦及びそれに至る

 一連の事変等に係る時期において、

 旧陸海軍の関与の下に、女性に対して組織的

 かつ継続的な性的な行為の強制が行なわれ、

 これによりそれらの女性の尊厳と

 名誉が著しく害された事実を踏まえ、

 そのような事実について謝罪の意を表し

 及びそれらの女性の名誉等の回復に資するための措置を

 我が国の責任において講ずることが

 緊要な課題となっていることにかんがみ、

 これに対処するために

 必要な基本的事項を定めることにより、

 戦時性的強制被害者に係る

 問題の解決の促進を図る必要がある。

 これが、この法律案を提出する理由である。

(目的)

 第1条 

  提出理由と重複のため省略

(定義)

 第2条 

  ・・・・「戦時における性的強要」とは・・・・

  旧陸海軍の直接又は間接の関与の下に、

  その意に反して集められた女性に対して

  行なわれた組織的かつ継続的な性的な行為の強制を言う。

(名誉回復等のための措置)

 第3条 

  政府は・・・・戦時性的強制被害者の尊厳と

  名誉が害された事実について謝罪の意を表し

  及びその名誉等の回復に資するために必要な措置を講ずるものとする。

 第3条-2 

  前項の措置には・・・・金銭の支給をふくむものとする。

(基本方針)

 第4条 

  政府は・・・・基本方針を定めなければ成らない。

 第5条 

  基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。

  1. ・・措置の内容及び実施の方法等に関する事項

  2. ・・必要となる関係国の政府等との

   協議等に関する事項

  3. いまだ判明していない・・・・

   性的強制及びそれによる

   被害の実態の調査に関する事項

  4. ・・そのほかに係る問題の解決の

   促進に関し必要な事項

   (戦時性的強制被害者の人権等への配慮)

 第6条 

  政府は・・・・被害者の意向に留意するとともに、

  その人権に十分配慮しなければならない

 第6条-2 

  政府は・・・・被害者その他関係人の

  名誉を害しないよう配慮しなければならない。

(国民の理解) 

 第7条  省略

(財政上の措置) 

 第8条 省略

(国会に対する報告等))

 第9条      

  政府は、毎年、国会に、

  戦時性的強制被害者に係る

  問題の解決の促進に関して講じた施策  

  及び・・・・調査により判明した事実について

  報告するとともに、     

  その概要を公表しなければならない・

(戦時性的強制被害者問題解決促進会議)

 第10条 

 内閣府に、戦時性的強制被害者

 問題解決促進会議(以下会議という)を置く

以下 省略

 

2002年7月23日、

参議院内閣委員会でこの法案が審議されています。

質疑での自由民主党の

森田次夫議員の発言をみてみましょう。

 

●・・・・軍の関与の下に、組織、継続的に

 強姦が行なわれたというようなことは、

 ちょっと、到底考えられないわけでございます

 けれど、ちょっと法律としては品性を欠くのじゃないか・・・・

 

この発言は失笑を買いましたが、

実際には森田議員が言うように

到底考えられない事かもしれません。

しかし実際には常識では考えられないことを

日本軍は行ったのです。

森田議員の認識が一般国民を代表する

ものだと考えると恐ろしい気持ちがします。