溜まる使用済み燃料と放射性廃棄物

広島や長崎の原爆はウランやプルトニウムの核分裂を利用しました。

約1Kgくらいのウランやプルトニウムが一瞬の内に核分裂、つまり爆発したのです。

さて発電の場合はというと、

原子力発電所を動かすとウランの核分裂100万Kwクラスの原発で1日稼動で約3Kgのウランが核分裂を起こします。

1年間ですと約1000Kg(1トン)にもなります。

使用済み燃料は、広島や長崎クラスの原爆に換算すると、1000発分くらいの放射能(死の灰)が原発内にたまる計算になります。

この危険な使用済み燃料は処理する方法はありません。

直接地中に埋める直接処分をするか、もう一度再加工してプルトニウムを取り出してそれを再利用するか・・・です。

再利用のためにプルトニウムを取り出しても、残りはやはり地中に埋めるしかないのです。

使用済み燃料を再加工してプルトニウムを取り出すことを核燃料サイクルと言います。

取り出したプルトニウムを利用するために核燃料サイクルは存在しますから、

もし核燃料サイクルが上手く進まず破綻すると使用済み燃料は一瞬にして「ゴミ」扱いになります。

いわゆる核のゴミです。

しかも非常に危険なゴミです。

日本では六ヶ所村で再処理をしようとしていますがまだ成功していません。

そこでフランスや英国に処理を依頼して分離して、プルトニウムやその他の核のゴミは日本で保管しています。

プルトニウムだけでも2010年末には9.9トン保有しています。(IAEA・国際原子力機関)

仮に現在保有している使用済み燃料を全部処理してプルトニウムを取り出せた場合、

10000発の核弾頭を作れるといわれます。

世界から日本が危険視されている理由がそこにあります。

日本の原子力発電所や六ヶ所村の再処理施設にどれだけの使用済み燃料が保管されているのか、

あと保管スペ-スにどれだけ余裕があるのかを表にしてみました。

 注:2012年末現在 電気事業連合会資料から作成(六ヶ所村のみ2013年9月現在)

施設名

所属

保管料・トン

プ-ルの容量

残るスペ-ス

泊原発

北海道電力

400

1000

60%

東通原発

東北電力

100

440

77%

六ヶ所村再処理施設

日本原燃

2945

3000

2%

女川原発

東北電力

420

790

47%

福島第一原発

東京電力

1960

2100

7%

福島第二原発

東京電力

1120

1360

18%

柏崎刈羽原発

東京電力

2380

2910

18%

東海第二原発

日本原子力発電

370

440

16%

浜岡原発

中部電力

1140

1740

34%

志賀原発

北陸電力

160

690

77%

敦賀原発

日本原子力発電

580

860

29%

美浜原発

関西電力

390

680

43%

大飯原発

関西電力

1430

2020

30%

高浜原発

関西電力

1160

1730

33%

島根原発

中国電力

390

600

35%

伊方原発

四国電力

610

940

35%

玄海原発

九州電力

870

1070

19%

川内原発

九州電力

890

1290

31%

*六ヶ所村再処理施設の残りスペ-スを見てください。2%です。もう一杯と言う意味です。

*残りスペ-スが30%以下のところは、

 福島第一原(事故中)、発福島第二原発、柏崎刈羽原発、東海第二原発、大飯原 発、玄海原発・・・・

 六ヶ所村再処理施設が一杯である以上各原発での残りスペ-スはどんどん少なくなります。

 一体どう するつもりでしょうか?

 

「核燃料の処理搬入と新規燃料の購入」

2013年には処理を依頼していたフランスからプルトニウムが何十トンも日本に返却されました。

2014年の4月にはやはり処理を依頼していた英国から

高レベル放射性廃棄物ガラス固化体」132本が返却されました。

中部電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力の5社分で、六ヶ所村に保管されます。

これで六ヶ所村には1574体が保管されることになります。

使用済み核燃料とが別です

また2014年7月から9月には、日本原燃に新規のウランがカナダから625トン運び込まれます。

これは燃料への加工前ですが、日本原燃では電力各社からの発注の基づいてとしています。

すべての原発がと停止しているのに、燃料の新規購入とは驚きです。