原発の安全基準

地震の加速度
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最終更新日:2019/02/02 10:58

マグニチュ-ドや震度と違って原子力発電所やビルなどの建物の設計には

実際にそこにどれだけの揺れが来るのかが大事です。

その想定で建物の設計をするのです。

その地域全体にどの位の震度が来るのかではなく実際にその建物がどれだけの地震に耐えるかが大事なのです。

そこでが地震による揺れの瞬間的動きを数字で表します。

それを地震動といいますが、加速度(ガル)又は最大速度(カイン)で表します。

原発ではガルと言う言葉が登場しますのでその説明をします。

◎ガル(gal)はガリレオ・ガリレイからとった名前で、1秒で1cmずつスピ-ドが速くなる単位です。

 10ガルでは1秒間に1秒間に10センチずつ、100ガルでは100センチずつスピ-ドが加速されていきます。

         例  1ガルでは      最初の1秒目  スピ-ド   1cm

                         2秒目        2cm

                         3秒目        3cm

                           1分で        60cmになります

            100ガルでは      最初の1秒目 スピ-ド 100cm (1m)

                         1分で     6000cm (60m)

            地球の重力は 980ガルですから

                      最初の1秒目 スピ-ド 980cm  (9.8m)

                           1分で    58800cm (588m)

          大空から自然落下した場合に1分後には毎秒480mのスピ-ドになります。

          大変なスピ-ドです。

 

そこでよく言われる震度がどの位のガルになるかを表にしました。

地震の場合は秒単位で加速されるというよりも、最初の地震動がどのぐらいのガルできたのかが問題なると思います。

震度

実際の状態

加速度(ガル)

震度 0

人体には感じない。地震計には記録される

0~0.8ガル

震度 1

静止している人や、特に注意深い人が感じる

0.8~2.5ガル

震度 2

大勢の人が感じる程度、戸障子がわずかに動く。

2.5~8.0ガル

震度 3

家屋が揺れ電灯等の吊下げものは相当揺れる

8.0~25ガル

震度 4

家屋の揺れは相当激しく花瓶などは倒れ多くの人は戸外に飛び

出す。

25~80ガル

震度 5

 

壁に亀裂が走り、煙突・石垣等が破損する程度。多くの人が

強い恐怖を感じ、行動の支障を感じる。棚においてある物、

食器、本、TVが落ちたり、家具が倒れたりする。

耐震性の低い家屋は壁、柱に破損を生じる。

80~250ガル

 

震度 6

家屋の倒壊は30%以下で多くの人は立っていることが出来ない

固定していない重い家具が殆ど移動、転倒する。耐震性の低い家屋は倒壊する。

250~400ガル

震度 7

 

家屋の倒壊は30%以上で山崩れ、地割れ、断層を生じる。

耐震性の高い建物でも傾いたり、大きな破壊を受ける。

自分の意思では行動できないほど揺れる。

400ガル以上

 

 

最近の地震ではどの程度のガルになったのでしょうか?

測定した場所によって異なりますのであくまで参考です。

       1923年 関東大震災         300~400ガル

       1995年 阪神淡路大震災       600~800ガル

       2004年 新潟中越地震        2,516ガル (川口町の地震計)

       2008年 岩手・宮城内陸      4,022ガル (厳美町) 世界最高記録

       2010年 チリ地震            550ガル

       2011年 ニュ-ジ-ランドの地震         940ガル

       2011年 東日本大震災        2,933ガル

       2016年 熊本地震          1800ガル

ここで言うガルは、実際に地震が来た場所の測る実測地です。

発生源から予測する数値ではありません。

日本は地震地帯ですから、原子力発電所等をつくる場合、可能性のある地震を予測して、

もし地震があった場合原発にどの位のガルが来るかを計算して設計強度を決めます。

しかしこの計算はかなり難しいものです。

 

細かい条件や計算式によって結果はかなり変わります。

条件としては    

表面地盤や深層地盤の状態    

予想される地震波の表面速度や深部速度    

断層の形状、深さ、長さ    

震源地の深さ    

地殻やプレ-トの状態    

火山との関係    そ

の他

2016年の熊本地震でも、震源地から予測される熊本でのガルと実際に測定したガルではかなり数字が異なるようです。

熊本現地では発生源のマグニチュ-ドから計算上すると、理論上は原発の安全基準内のガルになっています。

しかし、実際に現地では上回ることが指摘されています

ということは日本中の原発で、もし大きな地震が来た時には、予想より大きなガルが来ることになります。

つまり耐震基準は低すぎるということです。

そのため原子力規制委員会の前委員長代理の島崎邦彦東大名誉教授は、

日本中の原発の耐震基準の計算をやり直すことを提案しています。

 

 

 

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