メタボ検診

血糖
記事専用プリント対応ページ

最終更新日:2014/09/27 12:33

糖尿病については殆どの人が熟知していますので必要な点のみに絞ります。

糖尿病は食事などで吸収した糖分の代謝がうまくいかなくなった病気です。

糖分の代謝には私たちの膵臓から分泌されるいくつかのホルモンの内インシュリンが関係しています。

糖尿病はⅠ型、Ⅱ型、に分類されますが、

いずれにしてもインシュリンが膵臓から出ないか、出ても足りないために起こります。

インシュリンは糖分の代謝だけではなく、蛋白質や脂肪の代謝にも影響しています。

インシュリンの代わりになるようなホルモンや薬はありませんので、

薬よりも基本的にはインシュリンを補充することが大事なことだと思われます。

 

2008年度の特定健診基準では腹囲やBMIと言った内臓脂肪蓄積のリスクを優先にしています。

まずそこで引っかかった人がコレステロ-ルや中性脂肪や肪血糖値などの数値が点数で加算されるようになっています。

そうすると痩形でスマ-トな人は少し位血糖が高くても引っかからない可能性があります。

 

最近糖尿病の検査であまり耳慣れない「HbA1c」と言う検査があります。

グリコヘモグロビンA1cといいます。

赤血球中のヘモグロビンと血中のブドウ糖が結合したもので糖化ヘモグロビンともいいます。

グリコヘモグロビンは一度出来ると赤血球が壊れるまでなくなりません。

赤血球は3ケ月ごとに作り直されるので、過去3ケ月の平均血糖が分かるということですります。

つまり検査の前1週間努力してごまかしてもHbA1cで過去のことが分かってしまうのです。

ヘモグロビン全体のうちどのくらいがグリコヘモグロビンかその割合で表示します。

6.5%未満が良いとされています。

 

メタボ健診では保健指導判定値5.2%、受診指導判定値6.1%と、国際基準から見てもかなり厳しい基準です。

最新の国民健康調査から見てみます。

メタボ健診のHbA1c基準は   5.2以上は保健指導判定値(アドバイスを受けなさい)

                6.1以上は受診指導判定値(病院に行きなさい)

*平成24年国民健康・栄養調査報告から 厚生労働省 平成26年3月発表

40歳以上の保健指導判定値の5.1から6.5までを男女別に整理しました。

血糖を下げる薬を飲んでいない人のデータ-です。

飲んでいる人を含めると各々若干低くなります。(当然です)

保健指導判定値(アドバイスを受けなさい)の5.2から6.0までの合計を表の一番下に書きました。

注:厚生労働省の統計では5.2だけではなく5.1~5.2となっていますので、

  止むを得ず5.3~6.0までの合計を書きました。

注:男女とも一番したの5.3~6.0の合計を見てください。

  半数以上の人が保健指導判定値(アドバイスを受けなさい)となってしまいます。

  おそらく医療機関に行けば治療されるでしょう。

  半分以上が引っかかる。

  これは基準がおかしい証拠です。

男性

HbA1c

40~49歳

50~59歳

60~69歳

70歳以上

5.1~5.2

13.8%

10.1%

8.6%

6.7%

5.3

11.5%

9.7%

6.8%

6.8%

5.4

16.1%

9.0%

8.1%

7.5%

5.5

12.5%

11.8%

10.3%

8.8%

5.6

10.4%

11.7%

10.5%

11.2%

5.7

6.0%

8.5%

9.2%

10.1%

5.8

6.5%

9.0%

8.5%

8.6%

5.9

2.2%

4.4%

7.1%

8.3%

6.0

4.5%

4.0%

6.0%

6.2%

6.1~6.2

2.8%

4.8%

7.4%

8.8%

6.3~6.4

0.6%

2.7%

4.4%

5.1%

6.5

0.4%

1.3%

1.8%

1.7%

合計5.3~6.0

69.7

68.1

66.5

67.5

 女性

HbA1c

40~49歳

50~59歳

60~69歳

70歳以上

5.1~5.2

15.8%

9.3%

5.0%

5.1%

5.3

11.7%

8.5%

5.6%

5.3%

5.4

12.4%

11.0%

9.0%

7.7%

5.5

12.1%

12.3%

9.6%

10.1%

5.6

10.8%

12.6%

11.8%

10.5%

5.7

8.1%

10.6%

12.3%

9.9%

5.8

6.4%

9.4%

12.0%

11.1%

5.9

4.7%

8.3%

8.3%

9.5%

6.0

2.8%

4.9%

7.2%

7.5%

6.1~6.2

2.5%

5.1%

8.1%

9.7%

6.3~6.4

0.6%

2.0%

3.7%

4.6%

6.5

0.4%

0.7%

1.1%

1.8%

合計5.3~6.0

69.0%

77.6%

75.8%

71.6%

 

 

さて糖尿病患者の治療で血糖値をどの位にコントロ-ルしたいのか色々な基準があります。

*  HbA1cのコントロ-ル目標値

   指標

不十分

不良

不可

日本糖尿病学会

5.8未満

5.8~6.5未満

6.5~7.0未満

7.0~8.0未満

8.0以上

国際標準値

6.2未満

6.2~6.9未満

6.9~7.4未満

7.4~8.4未満

8.4以上

この目標値では  日本糖尿病学会は6.5未満が良

         国際標準値は6.9未満が良

メタボ検診の数値とは明らかに矛盾する数値です。

しかも日本の基準は国際標準値より厳しいことがわかります。

 

さてHbA1cでは最近注目すべき研究が発表されました。

  * ACCORD試験

      米国立衛生研究所の下部組織の研究

            2型糖尿病患者で血管疾患リスクの高い患者約1万人を2群に分けて調査

            標準治療群(治療目標を緩くした、のんびり治療)

               注:HbA1cを7.0~7.9にすることを目標にした。

            集中治療群(治療目標を厳しくした厳格治療)

               注:HbA1cを6.0未満にすることを目標にした。

            2001年に調査開始、2009年に終了の予定が2008年2月6日中止

            2010年に結果報告が発表された

          平均年齢    62歳

          平均病歴    10年

          平均HbA1c   8.2%

          心血管疾患既往  35%

          高リスク患者   65%

 

 

標準治療群

集中治療群

患者数

5,123

5,128

HbA1c の目標

7.0~7.9%

6%未満

治療結果

7.5%

6.4%

死亡数(平均4年間追跡)

203人

257人

死亡率(1000人/年当り)

11人

14人

      厳格に治療したほうが3年半で死亡数が26.5%も増えてしまったのです。

この結果で調査は中止されました。

血糖値をあまり無理して下げようとすると薬も増え副作用も出ます。

むしろ穏やかに治療したほうが安全なことが証明されてしまったのです。

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ご意見・ご感想はこちらへ ※個人情報の取り扱いについて

お名前 (必須)

メールアドレス ※返信をご希望の方はご記入ください

メッセージ本文