コレステロ-ルのお話

2007年3月に書きました

 

私たちは成人病検査で、善玉コレステロ-ルや

悪玉コレステロ-ルの数値を見て一喜一憂します。

しかし検査で言うコレステロ-ルとは

厳密に言うとコレステロ-ルそのものではありませんん。

身体にとって大事な脂質には、

「中性脂肪」「コレステロ-ル」「リン脂質」

「糖脂質」があります。

血液中ではこれらの脂質が

蛋白質と一緒になって複合脂質(リポ蛋白)の

形で存在しています。

複合体ですから各々の比率の違いで

ブヨブヨだったり固く締まっていたします。

 

一番大きくてぶよぶよしているのは

カイロミクロンで、85%は中性脂肪です。

蛋白質やコレステロ-ルが多くなってくると

だんだん小さく締まってきます。

その比率でVLDL,LDL,HDLと分けられます。

その内のLDL(低密度リポ蛋白)を悪玉、

HDL(高密度リポ蛋白)を善玉と言っているのです。

決してコレステロ-ルが

悪いと言っているわけではないのです。

 

複合している比率が問題なのであって、

コレステロールはとても大事な物質です。

 

コレステロ-ルの身体にとっての代表的な働きを書きますと、

●  各臓器や筋肉や血管などや

 脳神経の膜を作ったり補修したりします

 卵や母乳にコレステロ-ルが多いのは

 赤ちゃんの発達に必要だからです

●  ステロイド系ホルモンの原料になります

 糖質コルチコイド(ステロイドホルモン)、

 黄体ホルモン(プロゲステロン)、

 卵胞ホルモン(プロゲステロン)、

 男性ホルモン(テストステロン)・・・・

●  肝臓で胆汁酸になり胆嚢に貯められます

 

このようにコレステロ-ルは

大変大事な物質ですから、

あまり下げすぎると色々な病気の原因になります。

むしろ若干高めの方が安全かも知れません。

また高すぎる人は食事で

HDLだけを含んだ食品を

摂ろうとしても無理です。

LDLやHDLも複合体で、

自分の身体の中で合成しているからです。

コレステロ-ル値を適正に保つためには運動をして

中性脂肪をエネルギ-として

燃焼するのが一番良い方法だと思います。