最終更新日:2014/05/28 13:54
2009年1月に書きました
寒くなって、あちらこちらで風邪が流行り始めています。
一般的に咳・発熱・鼻づまり・・・・等の症状があるときに風邪に罹ったといいます。
原因はいろいろありますが、病原菌としては多いのは細菌とウイルスです。
今回はウイルスを取り上げます。
ウイルスは細菌と比べるとはるかに小さく、自分で増殖できないので、
人の細胞の中に入り込んで人の遺伝子を利用して増殖していきます。
そのためにウイルスに効く薬はありません。
風邪の症状を起こすウイルスは100種類以上ありますが、中でも有名なのはインフルエンザウイルスです。
現在はインフルエンザと言いますが、一昔前の流行性感冒(流感)です。
懐かしい言葉です。
殆どの方は子どもの頃高熱を出して一週間くらい寝込んだ経験があるでしょう。
恐らくそれが今で言うインフルエンザだったと思われます。
健康な人では感染症の場合、最終的に治すのは自分の免疫力です。
薬やお医者さんではありません。
しかし免疫力だけでは時間がかかるし力不足のことがあるので薬を使うのです。
そして的確な薬を決めるために良いお医者さんが必要なのです。
インフルエンザのウイルスは大きく分けてA,B,Cの三種類があります。
BとC(C型はあまり流行しません)は普通の風邪並みなので、
問題になるのはA型で、人間にも動物にも感染します。
ウイルスを覆っている膜表面に「H(A)」と「N(A)」という認識できる構造があります。
ウイルス本体はA型でも、HとNの組み合わせで「H1N1型」「H3N1型」と言い表します。
さらにH(A)は15~16種類、N(A)は8種類があるといわれていますので、
A型だけで135~144もの種類が考えられます。
その一つ例えばH1N1型だけでもさらに細かく変異しています。
ちなみに、H1N1型はスペインかぜ、ソ連かぜ、
H2N2型はアジアかぜ、
H3N2型は香港かぜ、
最近問題になっている鳥インフルエンザは「H5N1型」です。
注:「HA」はウイルスが細胞に入り込む働き、
「NA」は細胞から出る働きをしているといわれています。
日本では薬に頼りすぎますが、カナダやオ-ストラリアの治療ガイドラインには、
インフルエンザに罹ったときは「安静にして水分を補給すること」と書かれているようです。
風邪に感染したことを自分の身体にきちんと認識させれば、
身体は病原菌と戦う態勢をとり、免疫力を最高に高め自分で治療するのです。
ただし免疫が作動するまで何日かを要するで、それまでは安静にしていなさいという意味です。
繰り返すようですが、身体はきちんと感染を確認してから免疫を働かせて病気と闘うのです。
ですからもし「何でも早めが良いだろう」と薬を飲むと、身体としては中途半端で感染確認が出来ません。
そうするとかえって治るまでグズグズと時間がかかってしまうのです。
むしろ一度熱が高くなってから投薬した方が治りが早いようです。