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脳卒中と血圧
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最終更新日:2016/03/06 9:33

次は脳卒中と血圧の関係です。

血圧の関係でよく言われるのは脳卒中ですね。

脳卒中は脳血管に異常が起こる病気を総称します。

     * 脳内出血    脳内の血管が破れて出血します

     * くも膜下出血  脳動脈の瘤が破れて出血します

     * 脳梗塞     脳内の血管が詰まる病気です

くも膜下出血は1951年から2005年まで少しは増えていますがあまり変化はありません。

問題になるのは脳内出血と脳梗塞です。

1951年には脳卒中のうち脳内出血が95%、脳梗塞が3%でした。

しかし2005年になると逆転して脳内出血26%、脳梗塞は63%になっています。

逆転は1975年頃です。

脳内出血が減ったのは高すぎる血圧が減ってきたことと、

栄養状態が良くなって血管が丈夫になったことが原因だと言われています。

逆に問題なのは脳梗塞が増えたことです。

その原因は加齢で血の巡りが悪くなって(?)必要上血圧を上げているのに、

薬で無理に下げるため血管が詰まるのだと思われます。

次のデ-タ-はそれを示しています。

 

[脳卒中と血圧]

* 血圧低下剤と脳梗塞  「性差と医療 3,1327,2006 大櫛陽一」論文

一般の人と脳卒中を起こした人の血圧状態の比較です。注:グラフからとったので%は目安です

 

正常な血圧の人

高血圧で治療していない人

高血圧で治療中の人

一般人

57.3%

16.2%

26.5%

くも膜下出血患者

58%

13%

29%

脳内出血患者

26%

31%

43%

脳梗塞患者

41.4%

13%

45.6%

* 一般の人と脳梗塞患者を比べてみてください。

  高血圧の治療を受けている人が圧倒的に多いことに気がつくと思います。

* 脳内出血の患者も高血圧治療を受けている人が多くなっています。

* くも膜下出血は正常血圧者に多く、あまり血圧に左右されないようです

* 脳梗塞の中でも心臓などの血栓が脳に流れておきる心原性脳梗塞では

  高血圧の治療中は3倍の危険性があることは別のデ-タ-にもあります。

 

* 一般住民での降圧治療による死亡危険度 「日本脳卒中学会シンポジウム 2007」から

  全ての病気で死亡した総死亡数のうち高血圧治療を受けている人と受けていない人の比較です。

  それによると 上 130~139 下 85~89

              高血圧治療を受けても受けなくても総死亡率は変わらない

           上 180以上  下110以上の人

              高血圧治療を受けている人の総死亡率は5倍近くになる

  つまり血圧の高い人は薬で血圧を下げたいのですが、

  下げると逆に総死亡が増えると言う矛盾した結果になっていると言うことです。

  ただしどこまで下げたら危険なのかと言う統計ではありませんが、

  極端に下げない方が良いと思われます。

 

脳卒中に関するデ-タ-が続きますが、次の表は日本の研究者たちが発表した論文です。

日本で発表しないで英国で発表したものです。

*10年後の脳卒中危険度(降圧剤使用有無別、血圧値別)

                2013年2月28日 英国の医学雑誌「STROKE(脳卒中)」発表

日本のがん研などのグル-プが、全国9ケ所の保健所から11万人以上を選び、

その内1万6千人余を追跡調査し、10年後の脳卒中危険度をまとめた英語の論文です。

SCN_0089 10年後の脳卒中危険度

 

注:血圧、上で160~179の人は薬を飲んでいてもいなくても危険度は変わりませんが、

  それ以外は薬を飲んでいる人の方が危険度は高くなっています

    特に現在多くの人が薬を飲んでいる130~139と140~159では、危険度は顕著です。

    10年後の脳卒中を防ぐには薬を飲まないほうが安全だということが分かります。

 

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