自律神経と薬の作用

薬が他の場所にも影響する具体例 1
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最終更新日:2017/12/23 9:37

次に薬が他の場所にも影響する具体例を2つ書きますが、まず糖尿病です。

「糖尿病の薬 SGLT-2型阻害剤」

☆仕組み

2014年に今までにない糖尿病の治療薬が発売されました。

血中のグルコ-ス(糖分)を腎臓で血液から尿側に排泄させる薬です。

つまり血液から糖分を取って、尿として排泄させるのです。

結果として血液の血糖値が下がります。

SGLT-2型阻害剤(Sodium Glucose cotransporter阻害剤)といい、

商品名はス-グラ、アプルウェイ、フォシ-ガ-、ルセフィ、カナグル等が有名です。

腎臓では1日200リットル前後の尿を作ります。

しかしそんなに尿と血中成分が出ると大変なことになるので、必要なものは尿細管で再吸収しています。

その色々な物質を再吸収する中でにグルコ-ス(糖分)を再吸収する仕組みをSGLTといいます。

そこでSGLTの働きを妨害してグルコ-スを再吸収させないで尿として排出させれば

血中のブドウ糖は減ることになります。

仕組みはナトリウムの濃度勾配を駆動力として、

グルコ-スを細胞内へ能動輸送トランスポ-タ-(運び屋)する働きを阻害することによって

グルコ-スを細胞に取り込まないで尿に排出させる理屈です。

画期的な治療薬としてテレビにも取り上げられましたが問題が多い薬です。

☆問題

一見血中のグルコ-スを減らせば糖尿病が治るような錯覚を持ちます。

しかし単に血中から抜くだけで、生体内にあちこちに溜まった糖分や、

糖尿病の諸症状を治すわけではありません。

血液検査のときだけ良い結果が出るだけです。

☆SGLTの種類と作用する場所

グルコ-ス(ブドウ糖)を細胞内に吸収させるSGLTには2種類あって、

SGLT-1は主として消化管にありますが、それ以外に肝臓、肺、心臓、脳、脊髄など全身に存在します。

また SGLT-2は主として腎近位尿細管に存在しますが、精巣、能動脈、小脳、甲状腺、肝臓にも存在します。

そして1型と2型は別なように見えて、

2型に対する阻害剤が1型にも影響を与えていることが分かってきています。

☆副作用 1

SGLT-2型が全身の色々な場所にあることは、

阻害剤は目的の血糖値を下げるだけではなく全身に影響を与えるということが分かります。

これが副作用の原因にもなることが考えられます。

☆副作用 2

血中から糖分を取るのですが、取った糖分はどこへ行くのでしょうか?

糖分は高濃度の尿として膀胱で蓄積され排出されます。

特に高齢者の場合は排尿機能が少し弱くなっていますので、

尿路系統に高い糖分が蓄積された結果、膀胱など尿路性器感染になりやすくなります。

尿路系感染を起すと更に抗生物質の投与が必要になります。

 

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