南京事件

南京安全区国際委員会
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最終更新日:2018/06/09 9:16

日本軍が南京に近づいてくる段階で、戦火に巻き込まれる市民や避難民を救済するために、

決死の覚悟で南京に留まる事を決意した外国人たちによって難民区(safety zone 安全区)が作られました

組織は「南京安全区国際委員会」と呼ばれ、本部は国民政府軍の張群将軍が寧海路の官邸を提供しました。

避難所としては学校を始め公共機関の施設などを利用して18ケ所が設けられました。

●協力した外国人たちは大きく4つのグル-プに分けることが出来ます。

1.アメリカ人のキリスト教関係で宗教的或いは人道的信念に基づいて南京にとどまった人。     

 職種は大学講師・医師・看護婦・宣教師・・・などです

2.南京のアメリカ大使館メンバ-で上記のアメリカ人の保護のために残った人

3.南京のドイツ大使館やドイツ商社員。

4.外国人及びジャ-ナリスト  

国際委員会は、1937年11月22日に市民の安全を守るための声明を発表し、

アメリカ大使館を通じて中国と日本に難民区の安全の保障をするように申し入れました。

●声明文の内容                       

海軍無線 GA jr                       

発信:南京 1937年11月22日                       

平文電報            

定時連絡            

送信:米国政府、上海総領事、ワシントン国務長官、北京大使館            

第944号、11月22日午後10時        

下記文書中にある委員会より送信を依頼される

デンマ-ク人、ドイツ人、イギリス人、アメリカ人より構成される国際委員会は、

南京およびその近郊において、不幸にも戦闘が行われた際の避難場所として、

安全区を設置することを日中両国の当局へ提起したい。

国際委員会は、設定される安全区に関して、以下のような特別な条件を認めさせることを保証する。

すなわち、同区内に軍事施設および通信所を含む事務所を置くことはできない、

また同目的に使用することもできない。

市民警察がピストルを携帯する以外は誰も武器を持つことはできない。

何らかの戦闘能力を有する兵士および将校が、同区を通行することは許されない、など。

国際委員会は、これらの約束事項が十分満足に履行されるように、安全区を検閲・監視するつもりである。

国際委員会は、民間の避難民の面倒をみるのに便利で適当な場所として、

以下に示す地域の指定をしたい。(中略:細かく地区を定めています)

国際委員会は、安全区の境界を関係者に分かりやすく示すために、

白旗か他の了解を得られた標識をもちいてはっきりと表示するつもりである。

国際委員会は、両国の当局に提出した通告に対する双方の了解が得られた日をもって、

安全区の効力が生ずることとしたい。

国際委員会は、上記の条件がみたされた場合には、

日本当局は人道的理由から、この安全区の民間的性格を尊重してくれるよう切に希望する。

委員会は両国の責任ある当局が市民のために慈悲深い配慮を示すことが、

双方に名誉をもたらすものと信じるものである。

中国当局との必要な交渉を可能な限り短期的に達成するために、

また難民を保護するための適切な準備がなされるために、

委員会はこの提案に対する日本当局の即答を、喪心よりお願い申し上げる。          

国際委員会は本アピ-ルにたいして、好意ある理解が得られるものと確信している。 

以上謹んで提案する。  

(注:この声明の最後にデンマ-ク人、ドイツ人、イギリス人、アメリカ人の15名の委員の名前が

     書かれていますが、後述の名前と重複しますので省略します。)

できるだけ早急に日本大使に伝えていただきたい。

そして、当該の委員会に対する回答・文書を私宛に送ってください。 

上海に送信、国務省・北京・上海・東京へ回送。

           ジョンソン(Johnson)

 

この申し入れに対しての返事ですが、中国当局からは、

委員会の提起した条件を全面的に遵守するという回答がアメリカ大使館に寄せられました。

日本からは12月4日に上海の日本領事館を通して次のような回答がアメリカ大使館に出されました。

●日本の回答(長いので要約します)

海軍無線 平文電報 Cajr                                           

発信:上海

受信:南京、1937年12月5日                

南京安全区                

漢口・南京・北平アメリカ大使館、ワシントン国務長官宛

1.提案された地域が、南京城壁の内側にあってかつ広大であること、

 安全区の周囲に効果的に外界との交通を遮断する自然の地形や建物がないことを考慮すると、

 安全計画地域を維持する側に十分強力な人員(列強諸国)が備わっていなければ無理であると思われる。

2.提起された地域内や周辺には中国軍の施設や用地があって、

 中国軍がそれを利用しないということは考えられない。

3.  2.と重複するため 省略

4.日本当局は、安全区の発起人たちの高邁な動機には敬意を表するが

 同区を爆撃しないとか、砲撃しないとかの約束を与えられる立場にはない

5.しかしながら、そこが中国軍によって軍事目的に使用されない限りにおいて、

 また、中国軍が防衛施設を建設せず、さらに中国部隊を配置しない限りにおいて、

 日本軍はそのような場所を攻撃する意図をいささかも有しないのは、当然と思われてよい・・・・

 

その後安全区国際委員会から日本当局へのメッセ-ジと南京市民に告げる書が出されました。

続けて書きます

●南京安全区国際委員会より日本当局へのメッセ-ジ                      

海軍無線 平文電報 EA

発信:南京

受信:1937年12月7日午前9時                

上海総領事、ワシントン国務長官、漢口・北平米大使館宛        

国際委員会からの以下のメッセ-ジを、大使館に代わって早急に日本大使に伝えてください。

1.国際委員会は日本当局からの返答を受け取り、指摘されているのと全く同じことを注意している。

 中国軍当局はすでに、区内の軍事施設や用具を撤去しつつある。

 そこで委員会は安全区の境界に白地に丸赤十字(赤十字を円で囲んだもので、円は安全区を意味する)の

 旗をつけて、境界標示とする作業を進めている。

 安全区の境界の角には地面か建物の屋根の上に

 同じマ-クが印された大きな布を水平に広げておくことにする。

2.安全区にまだ残っている中国側の軍事要員の移動を促進する立場から、また、

 安全区に入り込んでいる多数の難民・市民の不安や切実な願いにかんがみて、

 国際委員会は、日本当局が安全区の準備が活発に進められている現時点においても、

 また安全区の体裁が完全に整った後においても同様に、

 爆撃や攻撃を控えてくれることを心から信じている。

 国際委員会は、中国側が承認した条件を可及的速やかに実行させるべく、督促しているところである。

3.国際委員会は、日本当局の回答の第5項目に含まれている保証を、喜びをもって留意する。

 すなわち、「そこが中国軍によって軍事目的に使用されない限りにおいて、

 また、中国軍が防衛施設を建設せず、さらに中国部隊を配置しない限りにおいて、

 日本軍はそのような場所を攻撃する意図をいささかも有しないのは、

 当然と思われてよい」ということである。

4.国際委員会は日本当局に対して、およそ15人から20人の外国人が、

 安全区の業務を支援するために留まっていることを知らせておきたい。

 これらの外国人が引き続き南京に留まっているのは、

 安全区に対する中国および日本当局の十分な誠意を信頼しているからであり、

 また、安全区の機能が十分に果たされるのを見届けたいという、

 国際委員会の決意が堅固だからである。

                        委員長 ラ-ベ(サイン)

上海へ送信。国務省、漢口、北京へ転送。北京は東京の大使へ転送されたい。

                            アチソン

●国際委員会から南京市民に告げる書(原文中国語ビラ)       

・・・・現在、南京の国際委員会も本市に同様な区域を設定すべく

(上海事変の時安全区が作られたと同様に)建議いたしました。

この区域の境界は以下の通りです。

「東側の境界は中山北路広場まで。

北側の境界は山西路広場から同路に沿って西へ西康路まで(すなわち新住宅区の西南境界の路)。

西側の境界は西康路に沿って南へ漢口路との交差点まで(すなわち新住宅区の西南の隅)、

そこから南東方向へ上海路との交差点まで直線で結んだところ。

南側の境界は漢中路と上海路の交差点から出発地点の新街口まで。」

この区域の境界にはすべて旗を使って目印がしてあります。

旗には赤十字のマ-クが描いてありますが、それ以外に赤丸のマ-クのもあります。

さらにまた、旗には「難民区」の3字が書いてあります。

上述の区域を民間人のための安全の場所とするために、

防衛軍司令長官は、本区域内の兵士および軍事施設を一律に速やかに撤去し、

以後一切軍人を本区に入れないことを承諾いたしました。

日本は一方では「指定された区域に対して爆撃しないと請け負うことはすこぶる困難である」と言いながら、

また一方では「日本軍は、軍事施設がなく軍事用工事・建設がなく、駐屯兵がおらず、

さらに軍事的利用地でないような場所に対してはすべて、爆撃する意図を決して持っていない。

それは当然のことである」と述べています。

以上のような日中双方の承諾に鑑みて、われわれは指定された区域内にいれば、

民間人は真に安全であるという希望を持っています。

しかしながら、戦時下にあっては、何人といえども、その安全を保証することができないのは当然です。

それでもわれわれは、もし中日双方が共に彼らが承諾したことを遵守すれば、

この区域内の人民は他のところの人民にくらべて、ずっと安全であることは間違いないと信じています。

したがって市民の皆さん、本難民区へおいでになってはいかがでしょうか!

                         南京難民区国際委員会

                  民国26年(1937年)12月8日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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