南京事件

日本の報道 1
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最終更新日:2019/06/08 10:11

外国の報道機関がどのように南京事件のことを報道していたのを長々と書きました。

それでは日本の報道機関はどうだったのでしょうか?

日本軍の勝利や大量の捕虜殺害や兵士の百人斬りなどが華々しく紙面を飾りましたが、

それらは軍の統制下で書かれたものです。

ところが当時の新聞に書かれていなかったのだから、日本軍はそんなに悪いことをしていなかったという人もいます。

軍の新聞検閲を無視した考えです。

 

[日本の報道]

日本では日露戦争当時から「新聞紙法」や「出版法」その他を制定し厳しく検閲をしていました。

●新聞紙法 明治42年法律41号 抜粋(原文カナ)  

第11条 新聞紙は発行と同時に内務省に2部、管轄地方官庁、

地方裁判所検事局及び区裁判所検事局に各2部を納むべし

第23条 内務大臣は新聞紙掲載の事項にして安寧秩序を紊し又は風俗を害するものと認むるときは

その発売及び頒布を禁止し必要の場合に於いては之を差押ふることを得          

2 前項の場合に於いて内務大臣は同一主旨の事項の掲載を差止むることを得

第27条 陸軍大臣、海軍大臣及び外務大臣は新聞紙に対し命令を以って 

軍事もしくは外交に関する事項の掲載を禁止し又は制限することを得

●出版法  明治26年 法律第15号  抜粋(原文カナ)     

第3条 文書図画を出版するときは、発行の日より到達すべき日数を除き3日前に

製本2部を添え内務省に届出るべし    

第18条 外交軍事その他官庁の機密に関し、公にせざる官の文書及び官庁の議事は、

当該官庁の許可を得るに非ざればこれを出版することを得ず     

第19条 安寧秩序を妨害し又は風俗を壊乱するものと認むる文書図画を出版したるときは

内務大臣においてその発売頒布を禁じその刻版及び印本を差し押さえことを得    

第21条 軍事の機密に関する文書図画は当該官庁の許可を得るに非ざればこれを出版することを得ず

 

このような法律が基本にあって、陸軍や海軍は日中戦争期には更に規制を強めました。

当時全ての報道機関は下記のような軍の検閲がありましたので真相はなかなか分かりません。

●陸軍従軍新聞記者心得  抜粋     

第10条 従軍者は従軍中全て高等司令部の命令に服従し其の定むる所の規定を遵守すべし     

第11条 従軍者の通信書(通信文私信電信等を総称す)は

高等司令部に於いて指示せる将校の検閲を経たる後にあらざれば発送することを得ず

第12条 従軍者には軍衙軍隊に於いて事情の許す限り相当の待遇と便宜を与へ且つ戦地に在りては

実際の必要に依り糧食等を官給し其の他本人の請願に依り舟車の便乗を許可することあるべし

第13条 従軍者にして刑法軍機保護法等の犯罪あるときは陸軍治罪法の規定に従ひ

軍法会議に於いて処分することあるべし

●新聞掲載事項許否判定要領 1937年9月9日 抜粋 (原文カナ)    

四 左に列記するものは掲載を許可せず      

(12)我軍に不利なる記事写真      

(13)支那兵又は支那人逮捕訊問等の記事写真中虐待の感を与ふる虞(おそれ)あるもの      

(14)惨虐なる写真但し支那兵又は支那人の惨虐性に関する記事は差支なし

このような状態で当時正確に報道出来た記事はまずないでしょう。

 

現代社会でもかなり報道に規制があるようです。(2014年3月現在)

特にNHKの経営委員会と会長の発言を聞く限り、「政府の意向に沿った報道」をすると公言していますから

戦前の新聞と同じことです。

パリに本部を置く「国境なき記者団」という団体が毎年「世界の報道自由度ランキング」を発表しています。

それによると日本は2010年には世界11位でしたが、2013年には53位まで転落しました。

原因は原発事故の報道が信頼がおけないということでした。

2017年にはさらに下落して72位に、2019年は少し上がりましたが76位です。

勿論台湾や韓国より下です。

この原因は安倍政権の憲法改悪や軍事国家への道、そして沖縄基地に関する報道姿勢です。

そして色分けされた国境なき記者団の地図では、日本は問題国家、言論貧国に分類されました。

低レベルの報道の中で暮らしている私たちは戦前の日本人と同じです。

従軍慰安婦も南京虐殺も尖閣諸島も低レベルの報道でされているということを心に留める必要があります。

 

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