日本軍の沖縄観

政府が沖縄に不信感を持っていたのですから、

国防を担当する軍としては

より差別観を持っていたものと思われます。

 

●沖縄県民の歴史的関係及び人情風俗  

沖縄連隊区司令部発行 1922年

 短所  皇室国体に関する観念が徹底していない

     進取の気性に乏しく、優柔不断、意思甚だ薄弱

     遅鈍、悠長にして敏捷ならず

     無気力、無節制、責任感に乏しい

     軍事思想に乏しく軍人になるを好まず

 そして、「近年海外に渡航するものが多く、

 現在20,000人の出稼者中8割はハワイ及び南米にあり、

 従来から国体観念が少ない上に悪影響が心配される。・・・」としています。

 

●沖縄防備対策 石井虎雄・沖縄連隊区司令官が

     柳川平助・陸軍次官に宛てた私案書 1934年

 ・・・・本地方においては他地方に比較し

 左に掲げるごとき著しき欠点あり。

 しいて美点として挙げ得くんば、

 従順にしてよく困苦欠乏に耐え、

 強大なる統制下においては、

 意外に大事を決行し得るにあり。

 1.憂いの最大なるは事大思想なり(注:強い方に従う思想)

  沖縄に強い日本を見せ付ける必要がある。

 2.依頼心甚だしく強し

  国家の興廃全く眼中になく、

  ただ補助金のみを頼りにしている

 3.武装の点より見れば殆ど無力なり

 4.一般的に惰弱なり

  困苦に訴えながら、突破すべき意思なし。

 5.団結犠牲の美風の乏し

  ・・・・古来より侠客なく、今日においても一人の親分なし、

  徹底せる個人主義にして、人の難は捨てて顧みず・・・・

  国難来る時、はたしていかに防衛の途を講ずべきか

 

●第50飛行場大隊陣中日誌 1944年5月7日     

    (満州から沖縄に移った部隊)

 ・・・・諜者は常に身辺にあり、

 内地に帰りたりとて寸時も油断すべからず

 絶えず北満にありたる心構えにあるべし。・・・・

 注:中国人に接したように、

   敵国並みの注意で沖縄人に接しろという意味です