終わりに

沖縄は歴史上(特に江戸時代末期から)

運命を自らが選択したり決定したことがありません。

つまり自分の意思で決めたことが一度もないのです。

すべて日本の都合の良いように

「処分」や「措置」をされてきたのです。

他者の意志の犠牲になってきたとも言えます。

もともと武力を持たない、

平和を愛する沖縄が

日本の権力と武力に翻弄されて苦しんだ歴史でした。

そして今度こそはと期待をかけて、

また再び裏切られる・・・・このくり返しの歴史でした。

 

2000年3月開館の、

新しい県立平和祈念館では

沖縄戦時の日本軍や政府を批判する展示を避けて、

悲劇をなるべく訴えない内容に変更しようとしました。

 

●琉球新報 1999年9月1日  より

 来年3月に開館予定の

 新しい県立平和祈念館の展示内容について、

 稲嶺恵一知事は今年3月23日、

 担当者から監修委員会で検討した

 展示内容をまとめた「展示概要説明書」や

 資料館の模型などの説明を受けた。

 内容を聞いた稲嶺知事は

 「県政が変わったことだし、

 展示内容が変わるのは当然でしょう」と述べ、・・・・

 さらに「県立の資料館だし、 

 国策を批判するようなことはいかがなものか」と話し、

 国の政策に対立しない形での

 展示内容に修正するように指示していた。

 

国策とは何でしょう?

アメリカは国策で原爆を落としました。

エイズ事件も環境汚染も原発事故も全て国策から出た問題です。

国にとって都合の悪い問題は国民に教えないようにする。

県民の代表である知事の発言とは思えません。

修学旅行で沖縄の基地や戦争遺跡を

見せないようにしようとの動きも出始めています。

日本全体が危険な方向に向っている今、

このままでは沖縄は間違いなく

その危険の殆どを受け持つ事になるでしょう。

その中でも日々新しい命が誕生し、

希望に満ちた明るい生活をしなければなりません。

まさに唄の「泣きなさい笑いなさい・・・・」です。