陸軍の毒ガス生産量

毒ガスは、地下鉄サリン事件のように

ガスそのものを撒いたりして使用する事もありますが、

多くは筒に入れて火をつけて噴射したり、

爆弾のように弾丸として使用します。

生産量としては毒ガスその物の生産量が

何千トンなのかという見方と、

毒ガスを充填した弾丸や筒が

何万発あるのかという見方がありますので、

集計はかなり難しく重複します。

海外や民間会社の生産もあるし、

何より最初から最後まで

秘密裏に行なわれた事ですから不明なことだらけです。

そして敗戦時にガス弾をどうしたのか?

どこに埋めたのか、置いてきたのか、

湖や海に沈めたのか・・・・

正確なところは分かりません。

生産量ですが2つの資料があります。

日本陸軍造兵廠歴史と

米軍押収資料です。

ここではまず陸軍造兵廠歴史を見てみます。

 

●主要ナル兵器其ノ他物品ノ竣工数量(毒ガス兵器関連のみを抜粋)

陸軍造兵廠歴史(1932年~39年)と陸軍兵器廠歴史1941年

年度

名前

数量

1932年(昭7)

38式野砲試製あか榴弾弾丸

43,200

41式山砲試製92式あか榴弾弾丸

10,800

38式野砲試製92式きい弾甲弾丸

43,200

41式山砲試製92式きい弾甲弾丸

10,800

14年式10糎加農試製92式きい弾甲弾丸

5,120

1933年(昭8)

改造38式野砲試製92式きい弾甲弾薬筒

33,137

改造38式野砲試製92式あか弾甲弾薬筒

33,138

41式山砲試製92式きい弾甲弾薬筒

8,212

41式山砲試製92式あか弾甲弾薬筒

8,213

89式みどり筒甲

60,000

89式みどり筒乙

4,000

93式代用あか筒

5,900

4年式15糎榴弾砲試製92式きい弾薬筒

11,034

1934年(昭9)

改造38式野砲92式きい弾弾薬筒

8,688

改造38式野砲92式あか榴弾弾薬筒

8,437

41式山砲92式きい弾弾薬筒

11,363

41式山砲92式あか榴弾弾薬筒

11,362

90式野砲92式きい弾弾薬筒

22,500

90式野砲92式あか榴弾弾薬筒

18,300

4年式15糎榴弾砲92式きい弾丸

11,287

4年式15糎榴弾砲93式尖鋭あを榴弾弾丸

3,648

4年式15糎榴弾砲93式尖鋭あか榴弾弾丸

3,648

試製92式10糎加農92式きい弾弾丸

3,420

93式代用あか筒

18,590

14年式拳銃みどり弾

1,000

89式みどり棒

8,540

きい1号

57,230

きい2号

3,320

あか1号

5,300

みどり1号

80

1935年(昭10)

 

 

4年式15糎榴弾砲92式尖鋭きい弾甲薬筒

1,000

4年式15糎榴弾砲93式尖鋭あを榴弾薬筒

15,000

92式50キロ投下きい弾甲

1,000

89式みどり筒甲

19,177

89式みどり筒乙

10,724

89式みどり棒

13,336

試製93式あか筒

1,000

93式代用あか筒

4,591

きい1号

2

きい2号

4

あか1号

21

89式みどり筒甲

2,452

89式みどり棒

57

93式代用あか筒

40

1936年(昭11)

 

 

14式拳銃90式みどり弾弾薬筒

3,000

94式軽迫撃砲試製95式きい弾弾丸

24,510

94式軽迫撃砲試製95式あか弾弾丸

36,870

91式10糎榴弾砲93式尖鋭あか榴弾弾丸

80

4年式15糎榴弾砲93式尖鋭あを榴弾薬筒

3,500

4年式15糎榴弾砲93式尖鋭あか榴弾弾丸

3,000

92式50キロ投下きい弾甲

990

89式みどり筒甲

53,582

89式みどり筒乙

6,422

89式みどり筒丙

3,082

89式みどり筒棒

8,777

試製93式あか筒

3,100

きい1号甲

3,000

きい1号乙

100

きい1号精製乙

12,000

きい2号

7,000

あお1号

100

あか1号

3,000

89式みどり筒甲

2,834

89式みどり筒乙

100

89式みどり棒

100

航空機弾薬92式50キロ投下きい弾甲

10

1937年(昭12)

 

 

 

改造38式野砲92式あか弾弾薬筒

10,000

94式山砲92式きい弾甲弾薬筒

4,705

94式軽迫撃砲95式あか弾弾薬筒

6,125

94式軽迫撃砲95式きい弾弾薬筒

6,000

14年式拳銃みどり弾

500

89式催涙筒(甲・丙)

123,900

試薬93式あか筒

103,860

きい1号甲

29,985

きい1号乙

60,000

きい1号丙

4,800

きい精製1号乙

30,000

きい2号

150,000

あか1号

31,500

あお1号

1,000

みどり1号

100

14年式10糎加農93式尖鋭あか榴弾弾丸

500

94式50キロ投下きい弾甲

10

1938年(昭13)

 

 

94式軽迫撃砲95式あか弾弾薬筒

73,100

97式15キロ投下あか弾

3,044

97式15キロ投下きい弾

1,380

97式15キロ投下あおしろ弾

931

あか剤

120,750

きい剤

329,260

1939年(昭14)

 

94式山砲92式あか弾弾薬筒(除てん実物)

8,700

改造38式野砲92式あか弾弾薬筒(除てん実物)

44,000

94式軽迫撃砲95式あか弾弾薬筒(除てん実物)

111,910

94式軽迫撃砲95式きい弾弾薬筒(除てん実物)

33,330

98式小あか筒

184,020

97式中あか筒

6,000

試製発射あか筒

109,370

きい1号丙

224,000

きい2号

144,840

あか1号

67,300

みどり1号

2,500

97式15キロ投下あか弾

1,693

97式50キロ投下きい弾

1,494

97式50キロ投下あをしろ弾

69

41式山砲92式あか弾弾薬筒

10

41式山砲92式きい弾弾薬筒

10

41式山砲92式あをしろ弾弾薬筒

10

4年式15糎榴弾砲93式あか弾弾薬筒

10

4年式15糎榴弾砲93式きい弾弾薬筒

10

4年式15糎榴弾砲93式あをしろ弾弾薬筒

10

試製98式発射あか筒

50

あか筒

200

1941年(昭16)

 

 

41式山砲92式あか弾弾薬筒

5,000

94式軽迫撃砲95式あか弾弾薬筒

160,170

94式軽迫撃砲95式きい弾弾薬筒

28,855

94式山砲92式あか弾弾薬筒

38,100

94式山砲92式きい弾弾薬筒

35,940

改造38式野砲92式あか弾弾薬筒

70,634

改造38式野砲92式きい弾弾薬筒

55,310

91式10糎榴弾砲93式尖鋭あか弾薬筒共

29,653

91式10糎榴弾砲93式尖鋭きい弾薬筒共

30,069

4年式5糎榴弾砲93式尖鋭あか弾薬筒共

4,841

4年式5糎榴弾砲93式尖鋭きい弾薬筒共

23,344

98式小あか筒

107,000

試製大あか筒

20,100

きい1号甲

297,300

きい1号乙

207,000

きい1号丙

244,600

きい2号

289,000

あか1号

346,000

あを

600

ちゃ

86,734

みどり

500

100式50キロ投下きい弾

3,027

100式50キロ投下あおしろ弾

1,515

100式50キロ投下ちゃ弾

2,980

注:陸軍の資料では1940年度分と

  1942年度以降の分が発見されていません。

  一号、十四年式、十糎等は1号、14年式、10糎としました。

  数量の単位は 毒ガス弾は「発」

              毒ガス筒は「個」

              毒ガス剤は「キロ」

 

以上は日本陸軍の資料です。