防疫給水部(細菌戦部隊)

帝銀事件
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最終更新日:2014/09/13 11:47

闇の部分を象徴する事件に戦後昭和23年1月に起きた帝銀事件があります。

帝国銀行椎名町支店で青酸化合物によって12人が殺害され現金が奪われた事件です。

犯人として逮捕された画家・平沢貞通氏は死刑宣告を受けながら死刑執行されずに95歳で刑務所内で死亡しました。
何故死刑執行されなかったのか、何故捜査が途中でうやむやになったのか、

そして平沢が本当に犯人なのかどうかの疑問が今でもささやかれています。
実は捜査当局は軍の防疫給水部つまり731部隊関係者を調査していたのです。

そして旧軍の調査に入ったところで捜査は打ち切りになって平沢が逮捕されたのです。

アメリカが731部隊を免責するため、GHQが捜査当局に圧力をかけたのではないかという噂もあります
実は当時捜査一課の第一係長甲斐文助は、4月27日に石井四郎に会っています。

その時石井はこう話したと言います。「おれの部下に犯人がいるような気がする。

15年、20年たってもおれの力で軍の機密は厳格であるので、

なかなか本当のことは言わぬだろう・・・」真相は今でも闇の中です。

 

甲斐文助は11冊の日記を残しています。

その中に別巻「秘」と記された旧軍秘密機関一覧表があります。

完璧ではないとしても、一介の捜査係長が軍の闇の部分をここまで調べ上げたことは驚きです。

もしかしたらここまで調べ上げ、パンドラの箱を開きそうになったので圧力がかかったのかもしれません。

一覧表を掲載します。

* 旧軍秘密機関一覧表  ○印は関係深きもの  海軍関係は未着手なるも考慮を要す

名称
参謀本部               謀略戦特務機関
第二造兵廠「板橋」          青酸ガス弾
第一造兵廠「広島」          青酸ガス製造
衛生材料廠              青酸ガスの貯蔵
陸軍獣医学校             軍馬軍犬防疫毒物研究  
歩兵学校               マスク関係  
砲兵学校               弾丸内充填研究  
工兵学校               防空壕  
○習志野学校             ガスの防禦並使用方法  
陸軍病院   
○憲兵隊               個人謀略  
○南方軍防疫給水部          松井蔚関係(注) 
○1644部隊「中支軍防疫給水部」  防疫給水細菌謀略  
○731部隊「関東軍防疫給水部」   防疫給水細菌謀略   
習志野学校研究部           青酸ガス研究   
516部隊              満洲チチハル青酸ガス実施   
526部隊              満洲フラルギ青酸ガス実施  
100部隊              関東軍軍馬防疫廠  
陸軍軍医学校             防疫給水部員養成   
中野学校               特務機関員養成   
86部隊               特設憲兵隊 
陸軍糧秣廠              青酸解毒剤(ハイポ)研究   
参謀本部二部             情報謀略        
兵器行政本部             青酸ガス並毒物兵器の取り扱い   
陸軍技術本部第一研究所        火砲弾薬   
陸軍技術本部第三研究所        工兵器材  
○陸軍技術本部第六研究所       青酸ガス研究   
陸軍技術本部第八研究所        防毒科学材料の研究   
○陸軍技術本部第九研究所       毒物の研究   
東京憲兵隊特設本部中野実験隊「憲兵」 毒物の研究   
海軍軍医学校             東京築地  
海軍造兵廠              神奈川県平塚


注 帝銀事件の前年安田銀行荏原支店で似たような事件がありました。

未遂に終わったが、その時残された名刺は厚生技官松井蔚(しげる)となっていました。

実在の人物で無罪でしたが、松井はかって南方軍防疫給水部(岡9420部隊)に勤務していたことから、

捜査が秘密組織に進んでいったのです。
戦後まもなく調べた努力に感心しますが、

それよりも日本軍はこんなに多くの秘密の部分を持っていたのかと驚かされます。

これ以外にもあるかもしれませんが、全部ではないにしても多くの組織が細菌や毒ガスに関係していたことは事実です。

 

 

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