軍による性暴力

国連の対応
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最終更新日:2016/08/06 12:34

国連においては1992年以降、日本のこの問題が活発に議論されるようになりました。

* 1992年2月17日、国連人権委員会で弁護士戸塚悦朗氏が「国連NGO・国際教育開発(IED)」を代表して

発言しました。

内容は

        1. 日本軍「慰安婦」及び韓国・朝鮮人強制連行に関する

     日本帝国軍・政府による加害行為の事実関係の概要を報告し

        2. 人道に対する罪に当たると指摘し

        3. 国連に被害者救済のための介入を要望した

       注:2月19日、答弁した瀬崎克己大使は

  「補償については言及する立場にない」と発言しました。

その後国連では国連の機関やNGOが研究や討論を重ねてきました。

国連の機関     人権委員会(国連憲章に基づいて設けられた主要機関)

               差別防止少数者保護委員会(人権委員会の下部組織で専門家部会、通称人権小委員会)

                人権小委員会現代奴隷制部会(上記のさらに下部組織)

NGO      世界協会協議会(WCC)

   国際法律家委員会(ICJ)

   国際友和会(IFOR)

   リベレ-ション

   国際民主法律家協会(IADL)

   反女性搾取第三世界運動(TWMEW)

   国際買売春廃止連合(IAF)

   その他

1992年5月、戸塚氏は国連現代奴隷制部会で、

日本の従軍慰安婦の問題を1930年の「ILO強制労働」違反であることを詳細に報告し、

その結果、同部会では正式に取り上げる事になりました。

その内容は「戦時下において強制的に売春に従事させられた女性」に関して、

同部会が受け取った情報をテオ・ファンボ-ベン教授に送付するように国連事務総長に勧告するとするものでした。

注: テオ・ファンボ-ベン教授-「人権及び基本的自由の重大侵害被害者の

   現状復帰・賠償・更生への権利」に関する人権小委員会の特別報告者

この国連事務総長に対する勧告がきっかけとなり、

それ以降国連人権会議が開かれるたびに日本に対する議決や勧告が出されるようになりました。

* 1993年4月から5月

国際法律家委員会(ICJ)は、日本軍「慰安婦」問題の調査のために、

日本を含む諸国(韓国、朝鮮民主主義共和国、フィリピン)に2名の専門家からなる調査団を派遣しました。

そして、人権小委員会の下部組織である「現代奴隷制部会」に初期報告書が出されました。

* 1993年8月

国連人権小委員会にテオ・ファンボ-ベン教授の「人権及び基本的自由の重大侵害被害者の

現状復帰・賠償・更生への権利」に関する最終報告書が出されました。

この最終報告書は

「被害者(個人)は加害国に対して、真相究明、謝罪、処罰、金銭賠償、更生、再発防止措置、

その他幅広く被害回復を求める権利がある。」・・・・

とし問題解決のために法的根拠を示すものでした。

同時に同教授は「日本軍慰安婦問題などに関して、国連が真剣に取り組むべきだ」と述べています。

*1994年2月

国連NGO・国際友和会は国連人権委員会で、被害者を支持して「責任者処罰」問題を取り上げました。

内容は「人権侵犯者の不処罰問題の研究」に関連して、

日本軍慰安婦問題、事実上の不処罰問題の世界的最悪の実例の一つ」と指摘し、

国連がさらに研究し、適切な措置を取ることを求め、

さらに「被害者が希望すれば、ハ-グの常設仲裁裁判所で解決をはかることに

日本政府が同意するべきだ」だと勧告しました。

そして2月7日当時の細川首相に対して「不処罰と日本軍慰安婦」と題する勧告書を送付しました。

* 1994年4月

国連人権委員会の下に「女性に対する暴力に関する特別報告者」として

スリランカのラディカ・クマラスワミ氏が任命されました。

女性の人権問題に関して初めて国連専門機関が動いたのです。

クマラスワミ氏は南アジアにおける民族的な迫害をはじめとするアジアにおける

女性と法律の問題についての優れた研究で有名な法律家です。

* 1994年5月

国連現代奴隷制部会は「日本軍慰安婦問題・強制労働問題」を審議し、

戦時の女性に対する性的搾取手段及び強制労働に関する情報を不処罰問題として取り上げ、

加害国家と被害者個人の紛争解決の手段として

常設仲裁裁判所の利用が出来ることを述べました。

* 1994年8月5日

国連人権小委員会(差別防止・少数者保護小委員会)はリンダ・チャベス委員に

戦時下の組織的強姦、性的奴隷制度」に関し詳細に研究し報告させることを決定しました。

そして1995年7月12日の国連人権小委員会でその報告がなされました。

その内、日本に関する部分を書きます。

 * リンダ・チャベス報告

1. 2. 省略

3、  1932年と第二次世界大戦の集結までの間に約20万人の女性が日本の皇軍によって

  売春のため組織的に徴用された。

   日本軍は慰安所の設置、運営および管理に責任があった

   これらの慰安婦の大部分は朝鮮出身者であったが、

 その他日本の占領下にあった中国、インドネシア、フィリピン、その他のアジア諸国からも連行された。

 11歳から20歳までの少女が多かった。

 日本軍はしばしば女性たちの誘拐に直接係ったし、

 ビルマやいくつかの南太平洋諸島のように遠い地域にある慰安施設の所まで軍事輸送を提供した。

 女性たちを徴集するための様々な手段(物理的暴力、誘拐及び詐欺)が、

 日本兵に性的サ-ビスを提供するという公式政策を実行するために使われた。

 元慰安婦の証言によると、彼女たちは毎日多くの強姦に耐えなければならず、

 肉体的に厳しく酷使され、性病をうつされた。

 そのような状況下で非業の死をとげた女性たちの数について信頼できる評価は存在していないが、

 生き残り、最近になって彼女達の苦しい体験を語り始めた女性たちの説明は、

 数千の女性たちが戦争中に死んだ事を示唆している。

 ある者は退却中に日本兵に殺された。他のものは危険の多い線状に遺棄されたり、

 人里はなれたジャングルで行方不明となるしかなかった。

 

* クマラスワミ報告

1996年4月19日、国連人権委員会でラディカ・クマラスワミ氏の

「戦時の軍事的性奴隷制問題に関する報告書」が全会一致で採択されました。

報告書は

「戦時における軍事的性奴隷制問題に関する朝鮮民主主義人民共和国、

大韓民国及び日本への訪問調査に基づく報告書」とされ、かなり長いものです。

調査内容は省略して勧告を紹介します。

「勧告」

 A 国家レベルで

1. 第二次大戦中に日本帝国軍によって設置された慰安所制度が国際法のもとで

    その義務に違反した事を認め、

  かつその違反の法的責任を受諾すること

2. 日本軍性奴隷制の被害者個々人に対し、人権及び基本的自由の重大侵害被害者の原状回復、賠償及び

  更生への権利に関する差別防止少数者保護小委員会の特別報告者によって示された原則に従って、

  賠償を支払う事。多くの被害者が極めて高齢なので、この目的のために

  特別の行政的審査会(administrative tribunal)を短期間内に設置する事。

3. 第二次大戦中の日本帝国軍の慰安所及び他の関連する活動に関し、

  日本政府が所持する総ての文書及び資料の完全なる開示をすること。

4. 名乗り出た女性で、日本軍性奴隷制の被害者であることが立証される個々人に対し、

    書面による公的謝罪をすること。

5. 歴史的現実を反映するように教育的内容を改めることによって、

    これらの問題についての意識を高めること。

 B 国際的レベルで

1. 国際的に活動しているNGO(非政府組織)は、これらの問題を国連機構内で提起し続けるべきである。

  国際司法裁判所また常設仲裁裁判所の勧告的意見を求める試みもなされるべきである。

2. 朝鮮民主主義人民共和国及び大韓民国は、慰安婦に対する賠償の責任及び支払いに関する

  法的問題の解決を促す う国際司法裁判所に請求する事ができる。

3. 特別報告者(クマラスワミ氏のこと)は、生存女性が高齢であること、

  及び1995年が第二次大戦終了後50周年であるという事実に留意し、

  日本政府に対し、ことに上記勧告を考慮に入れて、出来る限り速やかに行動を取る事を強く求める。

  特別報告者は、戦後50周年が過ぎ行くのを座視することなく、多大の被害を被ったこれらの女性の

  尊厳を回復すべき時 であると考える。

 

 日本政府はこの決議を何とか阻止しようと、秘密文書を各国に配布しました。

しかし猛烈な反発を浴び、逆に全会一致で採択されてしまいました。

日本側はあわてて文書を回収しました。

実にみっともない行為です

* 日本の外務省が秘密で配布した文書

「アジア女性基金が開始された。

基金は元慰安婦に対する日本国民の償いを表すようなプロジェクトや女性の名誉と尊厳に関するその他のプロジェクトを計画している日本政府はこれらの計画を通じて慰安婦問題に取り組む覚悟であり、

従って政府は元慰安婦に賠償を支払うつもりもこの問題で調査機関を設置するつもりもない」

注: 分かりやすく言うと、日本政府はアジア女性基金をはじめとした

     日本流のやり方をするので、国際社会の言うことは聞かない・・・・と言うことです

 

* マクドゥ-ガル報告書

1998年8月21日、国連人権委員会の差別防止少数者保護小委員会は

全会一致でマクドゥ-ガル報告書を採択しました。

報告書は37ペ-ジの本文と25ペ-ジの日本の慰安婦に関する附属文書で構成されています。

     その中の日本に関する付属文書は

     「第二次世界大戦中に設置された慰安所についての日本政府の法的責任の分析」

序文

Ⅰ 日本政府の立場

Ⅱ 強姦センタ-の本質と広がり(国連では強姦センタ-と呼ぶ場合がある)

Ⅲ 実体慣習国際法上の優越的義務

Ⅳ 実体法の適用

Ⅴ 日本政府の抗弁

Ⅵ 救済

Ⅶ 結論

この中で救済と結論を部分的に書きます。

Ⅵ 救済

        C. 勧告

1. 刑事訴訟を行なうメカニズムの確保

国連人権高等弁務官は、

日本やその他の国で日本の強姦所の設置に関する日本軍の行為に明らかに関与した

責任者の追訴に働くべきである。

日本が今日生存する慰安所の責任者全員を探し出し、

追訴する責任を果たすように、

また他の国が逮捕と追訴を出来るために弁務官は出来るだけのことをするべきである。

それゆえ高等弁務官は日本当局と協力して

A 第二次世界大戦中に日本の強姦センタ-を設置し、

   援助し、しばしば訪れた軍人個人と文民個人についての証拠を収集する

B 犠牲者からの聞き取り調査をする

C 日本の検察官に追訴の準備書面を提出する

D 他の国々や生存者支援団体と協力してそれぞれの裁判権の名で

   犯罪者を特定し、逮捕し、追訴する

E それぞれの裁判権の中で追訴を許す立法の発展のためにあらゆる助力をする

2. 法的賠償を提供するためのメカニズムの必要性

人権小委員会は他の国連機関と共に、1995年のアジア女性基金を歓迎した。

・・・・しかしアジア女性基金の償い金は日本政府の法的責任を認めたものではない。

公式な賠償を行うため新しい行政基金を創設し、国際社会の代表を参加させるべきである。

これを実現させるために高等弁務官は日本政府と協力して慰安婦へ

の公式な金銭的な賠償を与える早急で適切な賠償計画を設立する委員会を任命するべきである。

          この委員会の役割は

A 類似の状況で既に与えられている賠償を調査し、

   指針として充分な賠償の水準を決める

B 基金を広く知らしめ、被害者を確認するための有効なシステムを確立する

C 慰安婦のすべての請求を迅速に聴取するために

   日本に行政フォ-ラムを設置する

さらにまた、そのような方策は慰安婦の高齢にかんがみて出来るだけ早く行なわなければならない

3. 充分な賠償

・・・・賠償は経済的に評価可能な被害、身体的または精神的損害、苦痛、苦労、感情的苦悩、

教育を含む機会の喪失、所得と所得獲得能力の喪失、

妥当な医療費とその他のリハビリテ-ション費用、評判や尊厳への損傷、

救済を得るために必要な法的助言、専門家の援助の費用と報酬などに適用される。

これらの要素に基づいて、充分な水準の賠償が遅滞なく与えられるべきである。

賠償の水準を考慮する際に、

このような虐待が将来2度と起こらないことを確実にするための犯罪防止策という考慮も重要である。

4. 報告義務

日本政府は少なくとも、年に2回国連事務総長に慰安婦の確認、賠償の進展、

並びに犯罪者追訴の進展状況を仔細に記述した報告書を提出するように求められる。

報告書は日本語と朝鮮 語の両方で入手できるよう、また日本国内、国外で積極的に配布し、

特に慰安婦自身に対して、住んでいる国々で入手できるよう配布するべきである。

Ⅶ 結論

・・・・戦争終結後半世紀以上も経過しているのに、

これらの請求に決着がついていないことは

どれほど女性の命が過小評価され続けてきたかという強力な証拠である。

悲しい事ではあるが、第二次大戦中、大規模に行なわれた性的犯罪に取り組まなかったことが今日、

同様な罪を犯して罪を免れる水準を引き上げた。・・・・

今や充分な救済を提供するために必要な最終措置が日本政府の肩にかかっている。

 

この報告書に対して日本政府はどのように答えたのでしょうか?

* 1998年8月14日、国連差別防止少数者保護委員会での日本政府の答弁

・・・・残念ながら、日本政府はこの報告書の附属に述べられたような法解釈には同意できないし、

また我々がすでに約束してきた以上の救済措置を取るように要請してい

る同報告書附属の結論と勧告をも受け入れる事は出来ない・・・・

 

さらに国連からの勧告は続きます。

* 2001年3月8日、ILO条約勧告適用専門家委員会

理事会に提出した年次報告の中で「戦時従軍慰安婦」と「戦時産業強制労働」に関し、

「被害者の納得がいくように措置を取るべきだ」と日本政府に対する意見を明記しました。

 

* 2001年8月16日 国連人権小委員会

審議の過程で、旧日本軍による従軍慰安婦問題が教科書でどう扱われているかが集中的に取り上げられ、

結果として「性的奴隷問題について、教育課程で歴史の事実を正確に教え、

人権侵害の再発を防ぐよう促す」決議が採択されました。

 

* 2001年8月 社会権規約委員会の勧告

日本は色々な人権条約に入っています。2001年の社会権規約委員会で、日本政府報告書の審査がありました。

審査の質疑応答の要点のみです

        質問-慰安婦問題に関して日本政府は何をしたのか?

        日本-平和条約によって法的責任はない

            国民基金で償い事業をしている

        質問-償い金に日本政府の金は入っているのか?

            国民基金は日本政府が作ったのか?

            政府として補償や謝罪のためにどのような行動を取ってきたのか?

      日本政府は多くの質問に答えられなかったため勧告が出されました。

        勧告-日本政府は被害者を代理する団体と早急に補償のための協議の機会を持つこと

 

* 2002年8月16日 国連人権小委員会

7月29日から8月16日までジュネ-ブで国連欧州本部で小委員会が開かれました。

53ケ国の政府から委員が出席しています。

人権小委員会では何年も慰安婦をはじめとした女性の人権問題を取り上げてきましたが、

この事を気に入らない国(恐らくは日本をはじめとした大国)の圧力でしょうか、

この年は様子が変わっていました。

どう変わったかというと

  会期が4週間から3週間へと短くなった

  特定の国に関する決議が出来なくなった(注:日本と言う名指しが出来なくなった)

そして報告書の結論部分は下記のように書かれました。

強姦キャンプ、慰安所(ComfortStation)、その他の性的虐待など、

武力紛争時におけるいかなる形態の性奴隷制の利用も、国際人権法と国際人道法の重大な違反である。

領土の占領を含む武力紛争は、特に女性に対する性暴力を増加させる傾向にある。

特別の保護措置と処罰措置が必要である

 

この報告書に対して日本政府は「日本と言う言葉はどこにも入っていないから、

小委員会では日本に勧告や非難をしていない」と主張し始めました。

     (注:報道した毎日や東京の新聞への政府代表横田洋三氏の反論です)

確かに日本政府が主張しているように、日本を名指ししていませんが、

黄色線の「強姦キャンプ」や「慰安所」は日本軍のことを意味していますから、

やはり小委員会としては日本を意識していることは間違いないでしょう。

    この事を報道した東京新聞の記事を転載します。   2002年8月15日

ジュネ-ブで開かれている国連人権小委員会は14日、

第二次大戦中の旧日本軍による従軍慰安婦問題などを念頭に置いた

「組織的なレイプと性的な奴隷」の阻止に関する決議を全会一致で採択、

加盟国が「正確な歴史」に基づく人権教育を促進するよう求めた。日本への名指しは避けつつも

従軍慰安婦や教科書問題で日本の対応を促す内容。

決議は草案段階で「史実に関する教科書の正確さを期す」としていたが、

一部委員の反対(注:日本の委員か?)で教科書問題への具体的な言及が削除され、

一般的な表現に変更された。

 

* 2007年5月21日 拷問禁止委員会 日本政府からの報告書を審査した結果

 「国連の最終見解」

1 日本政府は公的に事実を否認し続けている

2 資料を隠蔽している

3 責任者を起訴・処罰していない

4 被害者に適切な回復手段を提供していない

5    国民に教育していないことは拷問等禁止条約違反にあたる

 

* 2008年10月30日 国連自由権規約委員会の最終見解

          2006年に日本政府が国連に対し「自由権規約委員会第5回政府報告書」を出しました。

          その審査の結果、日本政府に対する見解と勧告です。

その中の慰安婦の部分です。

・ 第二次世界大戦中の「慰安婦」制度に関して未だにその責任を認めていないこと

・ 責任者が訴追されていないこと

・ 被害者に支払われた補償は公的な基金というよりむしろ民間基金によってまかなわれたものであり、

  且つ不十分だったこと

・ ほとんどの教科書が「慰安婦」問題には触れていないこと

・ 何人かの政治家及びマスメディアは、事実を否定することによって被害者の名誉を傷つけ続けている。

    これらに関して懸念を持っている。締約国は

・ 法的責任を認め且つ「慰安婦制度」に関して大多数の被害者が受け入れ可能な方法で

    率直に謝罪することによって彼女たちの尊厳を回復し、

・ 生存責任者を追訴し、

・ すべての生存被害者に対する権利としての十分な補償を行い、

・ 生徒一般公衆をこの問題に対して教育し、

・ 且つ事実を否定して被害者を傷つけるようないかなるい行為に対しても論駁し且つ制裁を加えるべく、

  直ちに効果的な立法及び行政的な措置をとらなければならない。

 

* 2009年8月7日 女性差別撤廃委員会

 37. 委員会は「慰安婦」の状況に対処する為に締約国がいくつかの措置を講じたことに留意するが、

   第二次世界大戦中に被害者となった「慰安婦」の状況の恒久的な解決策が締結国において

   見出されていないことを遺憾に思い、  

   学校の教科書からこの問題への言及が削除されている事に懸念を表明する。

38. 委員会は締約国が「慰安婦」の状況の恒久的な解決策のための方策を

     見出す努力を早急に行うことへの勧告を改めて表明する。

     この取組には、被害者への補償、加害者の追訴、

     及びこれらの犯罪に関する一般国民に対する教育が含まれる。

 

* 2013年5月17日 国連社会権規約委員会 主要な懸念事項および勧告

26. 委員会は、「慰安婦」が被った搾取が経済的及び文化的権利の享受及び

     補償の権利にもたらす長きにわたる否定的な影響に懸念を表明する。

     委員会は締約国に対し、搾取がもたらす長きにわたる影響に対処し、

     「慰安婦」が経済的、社会的及び文化的権利の享受を保障するための

     あらゆる必要な措置をとることを勧告する。

   また委員会は、締約国に対して、彼女らをおとしめる 

     ヘイトスピ-チ及びその他の示威運動を防止するために、 

     「慰安婦」が被った搾取について公衆を教育することを勧告する

 

* 2013年5月31日 国連拷問禁止委員会の日本政府への勧告  日本軍性奴隷関連

(a) 性奴隷制の諸犯罪について法的責任を公に認め、加害者を追訴し、適切な刑をもって処罰すること

(b) 政府当局者や公的な人物による事実の否定、およびそのような繰り返される否定によって被害者に再び

 心的外傷を与える動きに反駁すること

(c) 関連する資料を公開し、事実を徹底的に調査すること

(d) 被害者の救済を受ける権利を確認し、それに基づき、賠償、満足、できる限り十分なリハビリテ-ションを

 行なうための手段を含む十分で効果的な救済と補償を行うこと

(e)本条約の下での締約国の責務に対するさらなる侵害がなされないよう予防する手段として、

    この問題について 公衆を教育し、あらゆる歴史教科書にこれらの事件を含めること

 

その後も国連の機関やNGOから多くの勧告が日本に出されていますが、

そのいずれも日本政府は無視か拒否しています。

そして一番問題なのは、今回述べた国連の動きや国際社会が日本をどう見ているかということを、

日本人である私たちが知らない事です。

マスコミも政府もこの問題を避けて無関心を装っています。

ですから私たち日本人はアジアの国々と人々がどれだけ苦しい思いをしているのか、我慢を強いられているのか、

思いをはせるどころか想像もしません。

無視しています。

そして拉致問題をきっかけとして、アジアに攻撃的な敵意をむき出しにしたナショナリズムが復活してきました。

まさに裸の王様です。

 

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