日本の報道は正確か?

2011年3月11日の大震災に続く原発事故の頃から、

多くの国民はテレビや新聞の報道に疑問を感じ始めました。

実はそれ以前から「マスコミの報道は正確なのだろうか?」

と言う事は囁かれていました。

原発事故のときにはっきりと表面化したのでしょう。

私たちは日本の国内にいると

自分の国の報道が正確かどうかわかりません。

同じように私達が批判的に見る外国も、

その国に住んでいる人にとっては

自国の報道に疑問を持っていないのかもしれません。

 

世界で報道の自由度を調べている団体の資料を

2つ取り上げてみます。

有名なのはフランスの「国境無き記者団」と

アメリカで活動する「フリ-ダムハウス」です。

2017年発表では日本の報道の自由度は

国境無き記者団で72位

フリ-ダムハウスでは50位になっています。

先進国である日本がこんなに低いとは驚きです。

色々な理由が考えられます。

 ◎原発事故に関する報道 

 ◎政治家の歴史認識に対する報道の姿勢

 ◎防衛問題、特に北朝鮮問題に関する報道

 ◎特定機密保護法案に対する報道

 ◎安全保障に関する各種法律に対する報道

 ◎沖縄の基地問題の報道

 ◎領土問題に関する報道

 ◎国連の決議や勧告に対する姿勢

  日本の過去の戦争犯罪の中で

  南京事件や慰安婦問題は

  歴史的にも常識的にも世界の

  共通認識になっています。

  2015年の日韓合意やそれ以前から

  度々日本は国連から勧告を受けています。

  又、沖縄やアイヌその他在日朝鮮人等に

  対する差別も国連人権委員会から

  何度も勧告を受けています。

  しかし、日本のではあまり報道されていません。

 ◎世界特にヨ-ロッパから日本はどう見られているかの報道

 

これらのことに関して日本の報道機関は

きちんと報道していないように思われます。

そして政府から、及び広告宣伝に関して

広告代理店を通じて報道規制や

忖度がされているように思われます。

 

国境なき記者団(Reporters Without Borders 

RWBフランス語ではRSF)は

言論の自由、報道の自由を擁護するために、

1985年にパリで設立されたジャ-ナリストによる

国際的な非政府組織です。

設立者はフランスの元ラジオ局記者

ロベ-ル・メナ-ル氏です。

最新の2020年版を元に表を作り直しました。

 

各国の政権が変わるたびに報道の質は変化します。

過去の経緯と比較するために2004年からの

ランクの変化並べました。

表が長すぎるため、表は2つに分けて

最初は2004年から2013年まで

2番目の表は2013年からです。

いずれも左側は2020年になっています。

2004年からの変化を見るために2020年を基準にしました。

 

この国境なき記者団のリポ-トには、

各国のランクについてコメントが出ていますが、

日本についてはどう述べているのでしょうか?

前回までの要点です。

●  福島原発事故の放射線汚染に関する

 メディアの事実報道を当局は、直接、間接に抑圧した。

●  機密保護法案について正確な報道がされていない

●  既成のマスコミではないフリ-ランスの記者への

 検閲が行なわれ、当局の脅しや法的な嫌がらせを受けた。

● 閉鎖的な記者クラブによるメンバ-以外の

 ジャ-ナリストに対して

 差別とアクセスの制限が行なわれた。

 

当然ですがこのレポ-トに関しては

色々な意見や反論があります。

完全に正確なランクであるとは保証できませんが、

参考になると思います。

 

日本は2012年からランクが下がり始めました。

やはり原発報道は原因でしょう。

特定機密保護法案で2013年には更に下がりました。

2020年度の世界66位と言う報道内容の中で

我々日本人は生活しています。

そこで得られた世界66位の情報を鵜呑みにして、

原子力発電や放射能の事や歴史の問題を判断しています。

正確な判断が出来ないのは当然で、

非常に困った事だと思います。

ヨ-ロッパ特に北欧の国々と比較し、

特にアメリカ一辺倒の危険性を反省したいと思います。

 注:2020年発表の順位通りに揃えました。

   2012年は2011年と合わせて発表になりました。

   日本と同じ平和憲法を持っているコスタリカは10位です。

   後進国だと思っている国が日本より上位にあるのは驚きです。 

 ◎韓国や台湾が日本よりはるかに報道の自由度が高いのは注目です。     

  特に韓国では文大統領になってから、自由度が上昇しています。

 ◎日本では政権によって変動しています。

   2006年   小泉首相 51位

   2010年 鳩山首相 11位

   2012年 野田首相 22位

   2014年 安倍首相 59位

   2016年 安倍首相 72位

 ◎アメリカ・ロシア・中国などの

  報道の自由度が低い国が

  軍事国家・経済大国として

  派遣争いをしていることは、

  考えると恐ろしいことです。日本もですが・・・・ 

 

もう一つはアメリカの人権団体「フリ-ダムハウス」の調査発表です。

2019年版です。世界208の国と地域を調査したものです。

日本は12位(実質16位)になっていますが信じられない順位です。

ただしこの団体の集計は色々と

正確性が疑われていますのであくまでも参考です。

2019年版では右側のランクの部分は

同じランクが何ヶ所も出てきます。

又得点も同じ得点が数カ国あります。

そのため同じ得点は同一順位にしました。

コメントはしませんが、調査の信頼度は

国境なき記者団の方が正確なように感じます。

世界208国を調査したものですが、

信頼度の関係で60位まで掲載します。。