ストップ薬
まず、ストップ薬の一覧表です。
本来の一覧表には商品名は
あまり書いてありませんが、
わかりやすくするため出来るだけ追加しました。
どのような患者に(対象患者)に使ったときに、
どのような副作用が出るかです。
主な副作用では色々な言い方がされていますが、
整理します。
次の3つが多いことに気がつきます。
それらには症状とよく使われる薬に
黄色の印をつけます。
● パーキンソンの症状(錐体外路症状、過沈静、
認知機能低下、運動機能低下)
● 認知機能低下、せん妄
● 排尿のトラブル
分類  | 一般名  | 商品名  | 対象患者  | 主な副作用  | 
抗精神病薬  | 抗精神病薬全般  | 全て  | 認知症  | 脳血管障害 死亡率の上昇  | 
てんかん発作  | 発作閾値の低下  | |||
失神  | 低血圧、徐脈  | |||
抗精神病薬 (クロチアピンを除く)  | セロクエル以外  | パ-キンソン病  | パ-キンソン症状 出現・悪化  | |
定型抗精神病薬  | セレネ-ス ウインタミン、 コントミン レポトミン、 ヒルナミン 等  | 認知症  | 錐体外路症状 過沈静 認知機能低下 口渇、便秘 誤嚥性肺炎  | |
非定型抗精神病薬  | リスパダ-ル ジプレキサ エビリファイ セロクエル  | 糖尿病  | 血糖値上昇リスク  | |
オランザピン  | ジブレキサ  | 狭隅角緑内障 尿閉、便秘  | これらの症状 悪化リスク  | |
抗うつ薬  | 抗うつ薬全般  | 全て  | てんかん発作  | 発作閾値の低下  | 
緑内障  | 緑内障悪化  | |||
心血管疾患  | 心血管疾患の悪化  | |||
抗うつ薬SSRIを除く  | トリプタノ-ル ルジオミ-ル トレドミン レスリン  | 前立腺肥大症  | 症状悪化 尿閉のリスク  | |
三環系抗うつ薬  | トリプタノ-ル アナフラニ-ル トフラニ-ル  | 全ての高齢者  | 認知機能低下 便秘、口渇 誤嚥性肺炎 排尿症状悪化、 尿閉  | |
スルピリド  | スルピリド  | ドグマチ-ル ミラド-ル アビリット  | 全ての高齢者  | 錐体外路症状  | 
睡眠薬 (不眠症)  | ベンゾジアゼピン系 睡眠薬  | ダルメ-ト ベノジ-ル ソメリン セルシン ホリゾン ハルシオン デパス リリカ 他 
  | 全ての高齢者  | 過沈静 認知機能低下 せん妄 転倒・骨折 運動機能低下  | 
非ベンゾジアゼピン系 睡眠薬  | アモバン マイスリ- ルネスタ  | 全ての高齢者  | 過沈静 認知機能低下 せん妄 転倒・骨折 運動機能低下  | |
抗パーキンソン 病薬  | トリヘキシフェニジル ピペリデン  | ア-テン アキネトン タスモリン  | 全ての高齢者  | 過沈静 認知機能低下 せん妄 便秘、口渇 排尿症状悪化、 尿閉  | 
ステロイド 呼吸器疾患  | 経口ステロイド薬  | プレドニン メドロ-ル リンデロン 
  | 慢性安定期の COPD患者  | 呼吸筋筋力低下 呼吸不全助長 消化性潰瘍の発生  | 
吸入ステロイド薬 長時間作用 β2刺激合剤  | アドエア  | 肺炎を繰り返す COPD患者  | 肺炎のリスクを高める 可能性  | |
テオフィリン 呼吸器疾患  | テオフィリン  | テオド-ル ユニフィル  | 痙攣・不整脈の 既往症患者  | 痙攣・不整脈 などの中毒を 起こしやすい  | 
抗コリン系 吸入薬 呼吸器 疾患  | 吸入抗コリン薬  | テルシガン スピリ-バ シ-ブリ  | 閉塞隅角緑内障 前立腺肥大の 排尿障害合併 COPD患者  | 緑内障悪化 尿閉 下部尿路症状  | 
抗血栓薬  | 抗血小板薬  | バイアスピリン プラビックス プレタ-ル  | 心房細動患者  | 出血リスク  | 
アスピリン  | バイアスピリン  | 上部消化管出血の 既往症患者  | 潰瘍、上部消化 管出血の 危険性高まる  | |
複数の併用療法  | 
  | 全ての高齢者  | 出血リスクが高まる  | |
ジギタリス 循環器疾患  | ジゴキシン  | ジゴシン ジゴキシン  | >0.125mg/日で 使用の高齢者  | ジギタリス中毒  | 
利尿剤  | ル-プ利尿剤  | ラシックス等  | 全ての高齢者  | 腎機能低下 起立性低血圧 転倒 電解質異常  | 
スピロノラクトン  | アルダクトンA  | 全ての高齢者  | 高K血症  | |
β遮断薬 カルベジロ-ル を除く 呼吸器疾患  | 非選択的β遮断薬 
  | インデラル ミケラン サンドノ-ム 等  | 気管支喘息 COPD患者  | 呼吸器疾患の悪化  | 
α遮断薬  | 非選択的α1遮断薬  | バソメット ミニプレス エブランチル カルデナリン等  | 全ての高齢者  | 起立性低血圧 転倒 
  | 
第一世代 H1受容体 拮抗薬  | 第一世代 H1受容体 拮抗薬  | 全ての 第一世代H1 受容体拮抗薬  | 全ての高齢者  | 認知機能低下 せん妄 便秘、口渇  | 
H2受容体 拮抗薬  | H2受容体拮抗薬 ガストリン製剤  | タケプロン ガスタ-、他  | 全ての高齢者  | 認知機能低下、 せん妄のリスク  | 
制吐薬  | メトクロブラミド プロクロルプラマイド プロメタジン  | プリンペラン テルペラン ペラプリン ノバミン プレチア ヒベルナ 
  | 全ての高齢者  | パ-キンソン症状の出現 悪化の可能性  | 
鎮痙薬  | 鎮痙薬  | ブスコバン コリオバン アトロピン硫酸塩  | 全ての高齢者  | 認知機能低下 せん妄 便秘、口渇 排尿症状悪化、 尿閉  | 
緩下薬  | 酸化マグネシウム  | マグミット マグラックス  | 腎機能の 低下している患者  | 高いMg血症  | 
糖尿病薬  | スルホニル尿素(SU)薬  | アベマイド ジメリン オイグルコン ダオニ-ル アマリ-ル  | 全ての高齢者  | 低血糖とそれが 蔓延するリスク  | 
ビグアナイド薬  | ジベトス メトグルコ  | 全ての高齢者  | 低血糖、 乳酸アシド-シス 下痢  | |
チアゾリン薬  | アクトス  | 全ての高齢者  | 骨粗しょう症 骨折(女性) 心不全  | |
α-グルコシダ-ゼ阻害薬  | グルコバイ ベイスン  | 全ての高齢者  | 下痢、便秘、放屁 腹満感  | |
SGLT2阻害薬 
 
 
 
  | 全てのSGLT2 阻害薬 スーグラ アプルウエイ・ デベルザ フォシ-ガ- ルセフィ カナグル  | 全ての高齢者  | 重症低血糖、 脱水、 尿路・性器の 感染リスク  | |
インスリン  | スライディングスケ-ルによる インスリン投与  | 全ての インスリン製剤 
  | 糖尿病の高齢者  | 効果が弱く、 低血糖のリスクが高い  | 
活動膀胱炎 治療薬  | オキシブチニン(経口)  | ポラキス  | 全ての高齢者  | 尿閉、認知機能 低下 せん妄のリスク 便秘、 口渇の頻度大  | 
ムスカリン受容体拮抗薬  | ペシケア デトルシト-ル トビエ-ス ウリトス ステ-ブラ ネオキシテ-プ バップフォ-  | 全ての高齢者  | 便秘、口渇 排尿症状の悪化 尿閉、 認知機能低下  | |
β3アドレナリン 受容体刺激薬 
  | ベタニス  | 過活動膀胱の 高齢者のうち 心疾患ある人  | 便秘、高血圧、 不整脈  | |
前立腺肥大 治療薬  | 塩酸クロルマジノン  | プロスタ-ル  | 前立腺肥大 高齢者  | 心不全 血栓症 劇症肝炎 血糖値の悪化 性機能障害  | 
PDE5阻害薬  | ザルティア  | 冠疾患を有する 高齢者  | 亜硝酸塩併用に よる血圧低下  | |
非ステロイド性 抗炎症薬 (NSAIDs)  | NSAIDs  | 全ての NSAIDs アスピリン バッファリン ロキソニン ボルタレン イブ リリカ セデス 他  | 全ての高齢者  | 腎機能低下 消化管出血リスク  | 
漢方薬  | 附子含有製剤  | 八味地黄丸 牛車腎気丸 桂皮加朮附湯 他多数  | コントロ-ル不良の 高血圧患者 頻脈性不整脈を 有する患者  | 口の痺れ 不整脈 血圧低下 呼吸障害  | 
甘草含有製剤  | 医療用 漢方製剤の 約70%が 甘草を含有する  | 腎機能の低下患者 ル-プ利尿剤 使用患者  | 浮腫、高血圧、 不整脈など 低K血症による 諸症状を呈する ことがある  | |
麻黄含有製剤  | 麻黄湯、葛根湯 など多数  | コントロ-ル不良の 高血圧患者 虚血性心疾患患者 頻脈性不整脈患者 排尿障害の患者  | アドレナリン様作用を 有する  | |
大黄、芒硝含有製剤  | 大黄甘草湯 承気湯類 防風通聖酸 など多数  | 下痢、軟便の患者 胃腸虚弱の患者  | 下痢、腹痛を生じる  | |
黄岑含有製剤  | 小柴胡湯 など多数  | インタ-フェロン使用中の 患者 肝硬変の患者  | 単独で稀に間質性 肺炎を生じる インタ-フェロンとの併用、 肝硬変では間質性 肺炎を生じやすい  | |
山梔子含有製剤  | 加味逍遥酸 他多数  | 長期投与患者 数年~10年以上  | 静脈硬化性 大腸炎を生じる 可能性がある  |