ベクレルについて

物質から何本の放射線が出るかの単位ですが、一応の基準があります。

物では1Kg当たり1秒間に何本放射線が出るかをベクレルと言っています。

液体の場合は1リットルで計算します。

厚生労働省のベクレル基準値を一覧にまとめました。

Bqとはベクレルです。

福島の事故が起きる前は食品、水は一律にKg(L)当たり10Bqでした。

事故のあとの3月17日に暫定基準が決められ、

一段落した2012年の4月から新基準がスタ-トしました。

基準にはヨウ素やウランやプルトニウムも書かれていますが、問題になっているセシウムで整理しました。

水道水に関しては国は特に基準を設けていなくて飲料水として従来は一律10Bqにしていますが、

一応 WHO(世界保健機構)が水道水に関しては1Bqなのでそれに準じています。

ですから日本中の水道は1Bq以下だと思われます。

  食品名

暫定基準値 2011.3.17

  (放射性ストロンチウムを含む)

新基準値 2012.4.1

 (ストロンチウム・プルトニウムを含む)

飲料水・

200Bq

10Bq

牛乳・乳製品(乳児用を除く)

乳児用食品

200Bq

 

50Bq

50Bq

野菜

穀物

肉・卵・魚・他

500Bq

500Bq

500Bq

100Bq

100Bq

100Bq

食品や水が以前一律10Bqだった事を思えば新基準で厳しくしたとはいえまだ高いです。

昔の基準は何だったのかと考えるとやはり10Bqに戻すべきだと思います。

注:1 基準値は状況で変わりますのでご注意ください

  2 アルファ線やベ-タ-線は粒子なので飛び出す本数が分かりますが、

     ガンマ線は電磁波なのでベクレルは使用しません。

 

「1ベクレルの放射線ではどの位の放射性物質の数が必要か」

どの位放射性物質があれば1ベクレルつまり1秒に1本のの放射線が出るのでしょうか

半減期が関係します。

半減期が1秒の物質が1000個あれば

1秒で半分になりますから、1秒で500本の放射線が出ます。500ベクレルです。

半減期が10秒なら、10秒で半分になりますから10秒で500本

1秒で50本、50ベクレルです。

そうすると半減期の長い放射性物質が1秒に1個の放射線を出すためには

かなりの数が必要になります。

一覧表を作りました。

一番右側の必要な数を見てください。

半減期で半分になるので、実際の数は半減期までの秒数の倍になります。

ヨウ素-131で約138万個、セシウム-134で1億2千万個以上です。

1kgの野菜や1リットルの水からヨウ素-131が1ベクレルの放射線を出すには、

そこに138万個あるということですし、10ベクレルでは1400万個もヨウ素-131があるのです

そう考えると簡単に10ベクレルや100ベクレルと言いますがすごい量です。

プルトニウム-239では半減期2万年以上ですから、

天文学的な数がないと1Bqの放射線も出なく、検出さえできない事になります。

逆に考えるとプルトニウムを検出したという事は膨大な数があることになります。

 

●1ベクレルに必要な放射性元素の数

放射性元素名

半減期(約)

半減期までの秒数

1ベクレルの放射性元素の数

ストロンチウム-89

55日

4,320,000秒

8,640,000個

ストロンチウム-90

29年

914,544,000秒

1,829,088,000個

テルル-132

3日

259,200秒

518,400個

ヨウ素-131

8日

691,200秒

1,382,400

キセノン-133

5日

432,000秒

864,000個

セシウム-134

2年

63,072,000秒

126,144,000個

セシウム-137

30年

946,080,000秒

1,892,160,000個

バリウム-140

13日

1,123,200秒

2,246,400個

プルトニウム-238

88年

2,775,168,000秒

5,550,336,000個

プルトニウム-241

14年

441,504,000

883,008,000個

 注:セシウム-134では1kgの野菜に1億2千6百万も付いていないと1ベクレルにならないのです。