コレステロ-ルと死亡率

コレステロ-ルが多いと

心血管系疾患が増えるとされ、

だからコレステロ-ルは

低いほうが良いとされています。

果たして実際にはどうでしょうか?      

図を使います

 

●  守口市民における総死亡数の危険因子 

   大阪市市民保健センタ-の辻久子氏らの調査

SCN_0077 総コレと死亡率

 

 

注:男性では220~239までが最も死亡数が低く、

  女性では240~259が最も死亡が少ない  

  女性ではコレステロ-ルが160以下と低い人が

  280以上の高い人と同じくらいの死亡

  更に辻氏は対象者を6年半追跡し、

  その間に死亡した人が

  何の病気で亡くなったか、死因分析をしました。

  その結果260以上の人たちが

  循環器疾患の死亡が少なかったとしています。

  特に男性は一人も循環器疾患では死んでいませんでした。

 

●  福井市でのコレステロ-ルと総死亡数の関係   

    棒の巾は人数に比例

    白崎「日本医事新報」1997;3831:41~48

SCN_0078 40歳以上総コレステ

注:40歳以上の男女26,249人(男31%)の5年追跡調査。

  男性では251以上の人の死亡が最も少なくなっています。

  女性では低くても高くてもあまり死亡率には関係ありませんが、

  男女とも120以下では高くなっています。

 

●  米国人の総コレステロ-ルレベルと相対死亡率

SCN_0080 コレステロ-ル相対死亡率

注:この図ではコレステロ-ル値200-239で

  心血管系疾患とガンの線が交差しています。

  交差点よりコレステロ-ルが少ないと

  がんその他の死亡が増え

  交差点より増えると心血管系の死亡が増えるです。

  但しこれは心疾患の多いアメリカのことで、

  日本の心疾患は元々アメリカより少なく1/3程度です。

  ガンのことを考えると低いほうが良いとは一概に言えません。

 

●  日本人の総コレステロ-ルレベルと死亡率

今度は日本人です。

SCN_0079 コレステロ-ル10万人死亡率

注:この図では男性では220~259の範囲が

  死亡が一番少なくなっています。

  男女とも高いより低い方の死亡率が高くなっています。

 

以上を見るとコレステロ-ルは

少し高めのほうが安全であることは歴然としています。

コレステロ-ルを下げる薬による

副作用が多発しています。

被害は中高年の女性に多いようです。

全国の健康保険組合が赤字に苦しんでいる今、

基準を見直して薬代を減らすべきだと思います。