体に備わった防御反応
2006年9月に書いたものです
私たちの周りには細菌、ウィルスをはじめとして
微生物がうようよしています。
微生物(大腸菌やインフルエンザウイルスまど)、
つまり他の生命体が私たちの身体に
侵入することを感染と言い、困った事です。
侵入を防ぐためには色々な手段があります。
☆丈夫な皮膚で身体を守る。
☆排尿、鼻水、くしゃみ、咳、涙、等で排除する。
☆強い酸で殺す(胃、膣)・・・・その他
しかし細菌、ウイルス、カビ、酵素、花粉など、
すべての生命体は蛋白質で出来ているので、
蛋白質の侵入を防ぐことが一番簡単な事です。
幸いにも、私たちの身体は安全のために
自分の体を構成する以外の蛋白質を
排除するようになっています。
この仕組みが免疫です。
それではなぜ毎日食事で
蛋白質を摂ることが可能なのでしょうか?
口から入る蛋白質が一番多いので、
そのことを中心に考えて見ます。
蛋白質を排除するのですから、
身体に吸収するときには
蛋白質ではない状態にすればよいのです。
簡単に言いますと、
先ず胃液で強烈に殺菌し、分解を始めます。
十二指腸や小腸で蛋白質をペプチドに分解し、
さらにペプチドをアミノ酸に分解します。
蛋白質の原料はアミノ酸です。
アミノ酸は鎖のようにつながって
ペプチドになり、蛋白質になるのです。
そして吸収のために大腸に来るころには
蛋白質ではなく原料のアミノ酸になり
初めて身体は吸収できるのです。
つまり口から肛門までは一本の管で
まだ身体の外、腸から吸収されて
始めて身体の中に入るのです。
腸に来た時にまだ消化が完全でなく
蛋白質の成分が残っていたり、
細菌がそのままあると、
排除するために下痢をします。
これは消化不良の下痢で
防衛反応の一つです。
ですからあまり無理して止めると、
かえって腸管内で腐敗したり、細菌が繁殖します。
外部から入った細菌に抗生物質を安易に使うと、
逆に腸内にすむ善玉腸内細菌が
死んでしまうことになります。