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キーワード「日中歴史共同研究報告書」を含む投稿一覧

  • 第2次上海事変までの海軍の動き

    2020/09/04
    11:45

    実は日本軍内部では上海や南京に対する

    攻撃をかなり早い時期から計画していたようです。

    海軍の動きを書く前にそのことに触れます。

    それから海軍の話に入ります。

     

    ● 日中歴史共同研究報告書・中国側の栄維木氏の論文

     すでに1936年8月に参謀本部が制定していた

     1937年度の対中国作戦計画のなかに、

     上海、南京を占領する計画が盛り込まれており、

     その主要な戦略構想は「第9軍(3ケ師団)を持って

     上海附近を占領する・・・・

     新たに第10軍(2ケ師団)を杭州湾に上陸させて、

     太湖南側から進め、

     両軍策応して南京に向かい作戦し、

     上海、杭州、南京を含む三角地帯を占領、

     確保するよう計画した」というものであった。

     盧溝橋事変が発生した後、

     日本軍は基本的にこの作戦計画に従って

     行動したのである。

      注:日本の防衛庁防衛研究所戦史室

        「支那事変陸軍作戦 1.」を参考

      注:日中歴史共同研究は2006年に

        安倍晋三総理と胡錦濤国家主席の

        合意で始まりました。   

        日本側座長は北岡伸一東大教授、

        中国側座長は歩兵社会科学院近代史研究所長です。

     

    当時の上海は海軍陸戦隊が統治していました。

    その頃は国家の軍事予算の面でも

    陸軍と海軍の対立があり、陸軍優位でした。

    ロンドンの海軍軍縮会議で

    艦船の制限が議題になっていたことから

    海軍の焦りがあり、

    海軍では航空機による予算拡大を計画していました。

    陸軍ではその頃「次は上海で海軍が何か事を起こすぞ」と

    噂をされていました。

    そこでその頃の海軍の動きを時系列に見てみます。

     

    まず1936年です。

    1936年は海軍の画期的な攻撃機が完成しました。

    96式陸上攻撃機です。

    この陸上基地発進の

    長距離攻撃機が完成したことから

    海軍の航空戦略は大きく飛躍しました。

    9月23日夜、第3艦隊軍艦出雲の水兵が

    中国人から撃たれる出雲水兵射殺事件が起きました。

    それをきっかけに軍令部と海軍省は

    協議の上、出動を指令し

    対支時局処理方針を策定しました。

     

    ● 出動指令

     1. 第8艦隊、第3及び第22駆逐隊を

      急速佐世保に急行、上海方面に回航させる

     2. 呉鎮守府特別陸戦隊1個大隊を上海方面に派遣する

     3. 第11航空隊(大型攻撃機4、中型攻撃機6、戦闘機12)を

      特設し、台北に集中させる

     4. 上海公大飛行場の準備を指示する

     

    ● 9月26日 対支時局処理方針

     第二 処置

     1. 速やかに対支膺懲の国家的決意を確立し、

      特に陸軍に対し速やかに海軍と

      同一歩調を執らしむるごとく努む

     2. 対支準備を整えるとともに、

      すでに発令の増派兵力の威圧により

      外交交渉を促進せしむ

     3. 右要求に応ぜざる場合

    (1)上海の固守(海陸軍協同)

    (2)青島の保障占領(海陸軍協同)

    (3)中南支の要点の封鎖(海軍兵力)

    (4)中南支航空基地並びに

      主要軍事施設等の爆撃(海軍兵力)

    (5)北支に陸軍の出兵

     

    そして1937年に入ります。

    1月には海軍航空隊は爆弾を装備して

    何かの際にすぐ出撃できる体制をとりました。

     

    ● 1月8日、海軍中央が「対支時局処理方針」決定した。

     2. 特別陸戦隊 

      基本兵力は上海2000、漢口200とし、   

      当分の間、上海に200、 漢口に100増強す

     4. 内地待機兵力は左記の外これを解く

      (1)11,12,13航空隊および

       各鎮守府特別陸戦隊各1個大隊の

       準備は当分そのままとする

      (2)第1、第2航空戦隊には爆弾および

       所要兵器を搭載のままとし

       急速派遣に応じ得しむ

      (3)第8戦隊、第1水雷戦隊は

       対支応急派遣に応じ得るごとく

       必要なる準備をなし置かしむ

     5. 飛行基地の整備

      (1)台北、済州飛行基地はこれを整備し、

       応急使用可能の状態にたもつ

      (2)上海公大飛行基地の

       急速整地準備を完成しおき、

       応急使用を可能ならしむ

     

    7月7日に盧溝橋事件が発生すると

    海軍はすぐに行動を起しています。

    盧溝橋事件の翌日には早くも、

    南京渡洋爆撃(8月15日)の搭乗員が

    出撃準備の命令を受けています。

      注:津航空部隊土屋誠一回想録から

     

    ● 7月11日、「特設連合航空隊」2隊を編成

     第一連合航空隊 司令官:戸塚道太郎大佐

      木更津航空隊 司令:竹中龍造大佐

      鹿屋航空隊  司令:石井芸江大佐

     第二連合航空隊 司令官:三並貞三大佐

      第12航空隊  司令:今村侑大佐

      第13航空隊  司令:千田貞敏大佐

       注:海軍は盧溝橋事件の直後から

         南京への爆撃準備を

         始めていたことになります。

     

    ● 7月12日、

     海軍軍令部は「対支作戦計画内案」を策定する。

     一.作戦指導方針

      ① 自衛権の発動を名として宣戦布告はおこなわず、  

       ただし彼より宣戦する場合

       または戦勢の推移によりては

       宣戦を布告し、正規戦となす

     二.用兵方針

      ① 省略

      ② 戦局拡大の場合おおむね

       先方針により作戦す(第二段階)

       (ロ)中支作戦は上海確保に必要なる

        海陸軍を派兵し且主として

        海軍航空兵力を以て中支方面の

        敵航空勢力を掃蕩す

       (ホ)封鎖線は揚子江下流および

        浙江沿岸その他わが兵力所在地付近に於いて 

        局地的平時封鎖を行い支那船舶を対象とし・・・・ 

        ただし戦勢の推移いかんによりては

        地域的にも内容的にもこれを拡大す

       (ル)上海陸戦隊は現在派遣のものの外

        2ケ大隊を増派し、

        青島には特別陸戦隊2ケ大隊を派遣す、 

        何れも其れ以上に陸戦隊を

        必要とする場合は一時艦船より揚陸せしむ

       (ヲ)作戦行動開始は空襲部隊の

        おおむね一斉なる急襲をもってす。

        第1、第2航空戦隊をもって杭州を、

        第一連合航空をもって南昌、南京を空襲す。

        爾余の部隊は右空襲とともに

        機を失せず作戦を完了す。

        第二連合航空隊は当初北支方面に使用す。

        空中攻撃は敵航空勢力の覆滅を目途とす。

     

    ● 海軍軍令部の「対支作戦計画内案」に対する

       第三艦隊司令長官長谷川清中将の意見書

     武力による日中関係の現状を打開するには、

     現中国の中央勢力を屈服させる以外道はなく、

     戦域局限の作戦は期間を遷延し、

     敵兵力の集中を助け、

     作戦困難となる虞大である。

     故に作戦指導方針関し、

     「支那第29軍の膺懲」なる第1目的を削除し、

     「支那膺懲」なる第2目的を

     作戦目的として指導されるを要し、

     用兵方針についても

     最初から第2段階作戦開始の要がある。

     更に中国の死命を制するために

     上海、南京を制するを最重要とし、

     中支作戦は上海確保及び南京攻略に

     必要な兵力とし、

     中支那派遣軍は5コ師団を要する。

     又開戦当初の空襲作戦の成否いかんは

     その後の作戦の難易遅速を

     左右するかぎであるから、

     使用可能の全航空兵力をもってし、

     第2航空戦隊の当然これに含ませる要がある。

     

    ● 7月19日 

     中国現地の第三艦隊司令長官長谷川清中将は

     意見書の通り上記作戦行動を内示した

     

    ● 7月27日、

     海軍省と海軍軍令部は協議し

     「時局処理および準備に関する省部協議覚書」を決定した

     1.方針

      事態不拡大、局地解決の方針は以前堅持するも、

      今後の情勢は対支全面作戦に

      導入機会大なるをもって、

      海軍としては対支全面作戦に対する

      準備を行うこととす

       注:表面的には不拡大を装いながら   

         南京への全面戦争を

         準備していたことが分かります。

     

    ● 7月28日 

     軍令部は第4水雷戦隊を編成して

     第2艦隊に編入し、新しく組織された

     第9戦隊および第3水雷戦隊と

     連合艦隊付属の第12戦隊の3個戦隊を 

     第3戦隊に編入して戦力を大幅に増強した。

     

    ● 8月8日 

     木更津航空隊5個分隊は

     大村基地に進出し出撃待機をする。

       注:木更津航空隊第2中隊長田中次郎大尉の回想

          (笠原十九司「海軍の日中戦争」)より

     同日   

     鹿屋航空隊、18機も台北基地に移動し出撃準備に入る

     

    ● 8月9日、大山勇夫中尉殺害事件

     

    ● 8月10日、

     呉海兵集団の呉第2特別陸戦隊が出航、

     13日から上海での戦闘開始

      注:大山事件の前日に出撃準備し、

        翌日に出動したことは   

        あらかじめ準備されていた謀略を

        うかがわせます。

     

    このように政府や陸軍が和平工作をする中、

    海軍は拡大の準備を秘かに行い、

    そのさなかに和平交渉を邪魔するように

    大山中尉事件は起こりました。

     注:8月4日 船津辰一郎が和平の為派遣

       8月7日 外務省作成の「日華停戦条件」決定   

           その後本格交渉が進む予定だった

       8月9日 大山中尉事件

     

    次回は大山中尉の殺害について書きます。

     

     

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