中国全土における毒ガス使用地点と回数

毒ガスの被害者がどれだけいるのかも調査困難です。

戦争中のため国民政府軍との正面戦や

八路軍(共産軍)との戦いで調査統計がバラバラです。

三光作戦等の毒ガスによる

捕虜や一般住民の虐殺もあります。

また関東軍化学戦部516部隊の毒ガス実験もあります。

それらを分かる範囲で集計した数字はあります。

ただし毒薬を空から撒いたり、水に投入したり、

食料に入れたりした例は集計に入っていません。

中毒者は少なくとも    94,000人以上

中毒死者数        10,000人以上

注:死者はガスによる死者です。

  日本軍は証拠隠滅のため

中毒者を刺殺しましたが

その数は含まれていません

使用例から毒ガスの使い方を整理すると次のようになります。

 ◎密室に住民を集めて毒ガスで殺害する

 ◎洞窟に逃げ込んだ住民や兵士を毒ガスで燻り出す

 ◎飛行機から毒ガスを散布する

 ◎戦闘中に毒ガス弾や毒ガス筒を発射する

 ◎水や家などの生活の場に毒を撒く

 

毒ガスの被害者の証言は数え切れないほどあります。

地下鉄サリン事件を思い出していただければ分かります。

あのような状態が起きたのです。

さらに戦争が終わったと

日本軍は毒ガス弾を現地に

放置したままにしたまま、現在に至っています。

そのため何も知らない一般住民や子供たちに

現在でも被害が出ています。

中国全土ではどのような使用分布になるのか地図を掲載します。

SCN_0090 中国全土の毒ガス

 

次は各地区で何回毒ガスが使用されたのかの表です。

中国側資料資料でわかっている範囲です。

 

●毒ガスを使用した地点の分布(1241例)

「化学戦史付録事例集」1990年から

紀学仁「日本軍の化学戦」論文

番号

地域

1937

 年

1938

 年

1939

1940

 年

1941

 年

1942

 年

1943

 年

1944

 年

1945

 年

合計

1

河北

2

10

11

26

22

23

8

11

4

117

2

山西

7

60

71

48

33

20

22

7

2

270

3

内蒙古

  

6

12

4

14

4

  

40

4

山東

 

8

1

12

22

16

11

7

1

78

5

河南

 

29

16

3

23

7

4

10

2

94

6

陜西

   

1

1

4

 

1

 

7

7

安徽

 

26

13

4

3

1

2

 

1

50

8

江蘇

3

2

6

5

10

4

7

2

 

39

9

上海

10

1

2

      

13

10

浙江

1

 

5

9

 

17

   

32

11

湖北

 

39

22

34

19

9

55

4

4

186

12

湖南

  

16

1

5

2

32

13

 

69

13

江西

 

80

80

26

8

1

2

1

 

198

14

広東

 

1

4

10

 

2

3

  

20

15

広西

  

2

10

   

3

 

15

16

福建

    

2

    

2

17

黒竜江

   

2

1

  

2

2

7

18

吉林

  

1

     

1

2

19

遼寧

  

1

 

1

    

2

合計

23

256

257

203

154

120

150

61

17

1241

敵後方戦場

 

55

70

85

76

65

33

28

11

423

正面戦場

23

201

187

118

78

55

117

33

6

818

  注:毒ガスの数ではなく使用した回数です。

    1回で何発も使用しています。

    敵後方戦場とは一般人に使用した回数です。

    正面戦場戦闘とは戦闘で使用した回数です。