731部隊の土地と建物
ハルビン市の近くの平房(ピンファン)に作られた
731部隊は8キロ四方以上にもなる広大な土地で,
70~150棟もの建物があった巨大な秘密都市として
特別軍事地域に指定されました。
特別軍事地域の為、回りは高い塀に囲まれ、
上空は飛行禁止とされ、
たとえ日本軍人であろうとも
通行証のないものは部隊に入れないくらい
機密が守られました。
また部隊内に勤務する者でも
自分の所属する建物以外で
何が行なわれていたのか知ってはいけないほど
秘密に包まれていたこともあって、
戦後長い間公けにならなかったのです。
秘密都市には多くの研究施設が作られ、
日夜身の毛もよだつような微生物の研究、
特に細菌の研究が行なわれていました。
敷地と建物に関しては、「731部隊の組織」に
見取り図を載せたので参考にしてください。
[ ロ号棟とマルタ ]
731部隊では細菌を実戦に使用するために
生体実験を繰り返していました。
人体実験の犠牲になった人は
3000人以上と言われています。
人種による細菌の効力の違いを調べるために
色々な人種の人達が犠牲になりましたが、
やはり中国人が大多数を占めていました。
人体実験をするために捕虜収容所を作りました。
捕虜収容所は丁度カタカナの
「ロ(四角)」の形状のためロ号棟と呼ばれていました。
中国側では四方楼と呼んでいます。
ロの内側は7号牢獄と8号牢獄という2階建てで
長さ約40m、巾18mの監獄になっていました。
一度731部隊の門をくぐりロ号棟に入ったものは
名前を剥奪され番号をつけられ、
「マルタ(丸太)」と呼ばれ
単なる材料として1本2本と数えられました。
そして再び生きて帰ってくることはありませんでした。
ロ号棟に入れられた(人体実験用の)捕虜は
表面上犯罪者で死刑囚と言う名目でしたが、
実際は関東軍の憲兵隊が町から集めてきて
特移扱(特別移送扱い)として
731部隊に送り込んだ一般人も多かったのです。