元素とその変化

半減期と安定の仕組み
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最終更新日:2017/07/16 10:25

不安定な放射性元素は放射線を出しながら安定した元素に変わろうとします

このことを崩壊とか壊変といいますが、このことは後程別項目で詳しく述べます。

崩壊する時にどれだけの放射線を出すのかがベクレルです。

例えばある単位(例えば1Kgや1リットル)から1秒間に10本の放射線が出る場合10ベクレルと言いますが、

元素がなくなるわけではなく他の元素(又は同位元素)に変化するのです。

 例えば

* 放射性元素ヨウ素131(I-131)はベ-タ-線をだしてキセノン131(Xe-131)になります。

  そのときキセノン-131が安定していればそこで終わりますが、

  不安定ならば更に放射線を出して別の元素に変化します。

  一応キセノン-131は安定していますのでそこで終了です。

* 放射性セシウム134(Cs-134)は同じようにベ-タ-線を出してバリウム134(Ba-134)に変化します。

  バリウム-134も安定していますからそこで終わりです。

* 一時話題になったラジウムはどのラジウム(Ra-202~234)も不安定なため

  アルファ線を出してポロニウムに変化します。

  ポロニウム(Po-188~220)も全て不安定なため再びアルファ線を出して鉛に変化します。

  鉛は178から215までありますが、そのうち206から208までは安定しています。

  丁度その番号であればそこで終わり、違う番号だと更に放射線を出して他の元素に変わります。

 

長い地球を考えると最初にあった不安定な元素は殆ど変化して自然界には安定した元素が残っていすのです。

そして半減期の長い元素や宇宙線の影響で新たに出来た放射性元素が残っていると思われます。

そこで半減期ですが例えば10000個の放射性元素が1秒に1本ずつ放射線を出して変化すると

(これを1ベクレルBqと言います)、5000秒で半分(半分は別の元素)になります。

この元素の半減期は5000秒(83分33秒)と言うことになります。

さらに残りの5000個は今度は2秒に1本の放射線を出して5000秒で2500個になります。

次は4秒に1本の放射線を出して5000秒で1250個になります。これが半減期の意味です。

つまり半分になるのにそのたびに5000秒かかるのです。

半減期で元素がなくなるのではなく他の元素に変化するのだと理解する必要があります。

ベクレルは1秒に何本の放射線が出るかと言うことですが、

通常は1Kgか1リットルから1秒に1本放射線をピッと出して別な元素に変わること1ベクレルと言いますが、

この事をもう少し詳しく説明します。

 

まず1時間・1日・1年は何秒になるか?

計算すればすぐ分かりますが一応表にしました。

1分

60秒

1時間

3,600秒

1日

86,400秒

1年

31,536,000秒

 

次によくニュ-スの登場する放射性元素が1ベクレルの放射線を出すためにはどの位の数がそこにあるのか。

逆に半減期から計算してみました。

10ベクレルだとその10倍、100ベクレルだと100倍です。

  放射性元素名

半減期(約)

半減期までの秒数

1ベクレルの放射性を出す為の数

ストロンチウム-89

55日

4,320,000秒

8,640,000個

ストロンチウム-90

29年

914,544,000秒

1,829,088,000個

テルル-132

3日

259,200秒

518,400個

ヨウ素-131

8日

691,200秒

1,382,400個

キセノン-133

5日

432,000秒

864,000個

セシウム-134

2年

63,072,000秒

126,144,000個

セシウム-137

30年

946,080,000秒

1,892,160,000個

バリウム-140

13日

1,123,200秒

2,246,400個

プルトニウム-238

88年

2,775,168,000秒

5,550,336,000個

プルトニウム-241

14年

441,504,000

883,008,000個

 * 表ではプルトニウム-239のように2万年以上のものは表に入りきらないため書きませんでした

 わずか1ベクレルでも、出すためにはこれだけの数の放射性物質になるということです。

ですからニュ-スなどで10ベクレル、100ベクレル、・・・・

などと言うときは膨大な数の放射性物質があるということです。

政府やマスコミでは簡単に基準値を10ベクレルとか100ベクレルトか言いますが、

内部被爆を考えると恐ろしい数字でしょう。

 

次によく名前が出る元素の半減期と出る放射線と変化する先(娘各種)を書きます。

番号

記号

名前

半減期

放射線

変わる先(娘各種)

先の安定度

36

Kr

クリプトン-85

10.76年

ベ-タ-線

37番Rbルビジウム-85

安定

38

Sr

ストロンチウム-90

28.5年

ベ-タ-線

39番Yイットリウム-90

不安定

52

Te

テルル-129

69.3分

ベ-タ-線

52番Teテルル-129m

不安定

53

I

ヨウ素-131

8.04日

ベ-タ-線

54番Xeキセノン-131

安定

55

Cs

セシウム-134

2.3年

ベ-タ-線

56番Baバリウム-134

安定

55

Cs

セシウム-137

30.2年

ベ-タ-線

56番Baバリウム-137

安定

56

Ba

バリウム-149

1秒未満

ベ-タ-線

57番Laランタン-149

不安定

86

Rn

ラドン-222

1600年

アルファ線

84番Poポロニウム-218

不安定

88

Ra

ラジウム-226

7500年

アルファ線

86番ラドン-222

不安定

92

U

ウラン-235

44.6億年

アルファ線

90番トリウム-231

不安定

94

Pu

プルトニウム-239

24400年

アルファ線

92番ウラン-235

不安定

 

問題になっている六ヶ所村の使用済み核燃料や今回の事故の燃料などの放射性廃棄物が

半減期を繰り返して安定するまで何年かかるのか?

膨大な年数がかかることは良く知られています。

その間安全に地中に保管できるのかも問題にされています。

 

参考までにプルトニウム-239が鉛になって安定するまでの過程を表にしました。

途中から他の経路もありますが、一つの例です。

元素番号 名前 出す放射線 半減期 変わる先の番号 変わる先の名前
94 プルトニウムPu-239 アルファ線 2万4400年 92 ウランU-235
92 ウランU-235 アルファ線 44.6億年 90 トリウムTh-234
90 トリウムTh-234 ベ-タ-線 24.1日 91 プロトアクチニウムPa-234
91 プロトアクチニウムPa-234 ベ-タ-線 6.8時間 92 ウランU-234
92 ウランU-234 アルファ線 2万4000年 90 トリウムTh-230
90 トリウムTh-230 アルファ線 7500年 88 ラジウムRa-226
88 ラジウムRa-226 アルファ線 1600年 86 ラドンRn-222
86 ラドンRn-222 アルファ線 3.8日 84 ポロニウムPo-218
84 ポロニウムPo-218 アルファ線 3.1分 82 鉛Pb-214
82 鉛Pb-214 ベ-タ-線 27分 83 ビスマスBi-214
83 ビスマスBi-214 ベ-タ-線 20分 84 ポロニウムPo-214
84 ポロニウムPo-214 アルファ線 1秒以下 82 鉛Pb-210
82 鉛Pb-210 アルファ線 22.3年 80 水銀Hg-206
80 水銀Hg-206 ベ-タ-線 8.2分 81 タリウムTl-206
81 タリウムTl-206 ベ-タ-線 4.2分 82 鉛Pb-206  安定

        注:  中心の「半減期」を見てください。

プルトニウムPu-239が鉛Pb-206になって安定するまで

半減期を足すと40億年以上と言う歳月が流れます。

途中で安定した鉛に来ればそれで終わりですが、

不安定な場合は放射線を出しながらウロウロして丁度安定した番号で終わるのです。

その時まで安全に保管出来るのでしょうか?

 

 

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