事故による健康被害

福島の小児甲状腺ガン
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最終更新日:2016/06/18 11:59

2016年6月6日(月)に、福島県の「第23回県民健康調査」検討委員会が開かれました。

この検討委員会の出席者の名前です。

  *第22回県民健康調査 検討委員会 出席者名簿

                      平成28年6月6日(月)13:30

                      コラッセふくしま 4階 多目的ホ-ル

氏名

立場

所属及び職名

星 北斗

委員・座長

福島県医師会 副会長

明石 真言

委員

量子科学技術研究開発機構 執行役

稲葉 俊哉

委員

広島大学 原爆放射線医科学研究所・教授

春日 文子

委員

国立環境研究所 特任フェロ-

北島 智子

委員

環境省 環境保健部長

児玉 和紀

委員

放射線影響研究所 主任研究員

清水一雄

委員

日本医科大学 名誉教授

高村 昇

委員

長崎大学 原爆後障害医療研究所 教授

床次 眞司

委員

弘前大学被ばく医療総合研究所 教授

成井 香苗

委員

福島県臨床心裡士会 東日本大震災対策プロジェクト代表

堀川 章仁

委員

双葉郡医師会 会長

前原 和平

委員

福島県病院協会 副会長

室月 淳

委員

宮城県立こども病院 産科科長

 

そこで発表された最新の「福島県の子ども達への甲状腺ガンの報告」を書きます。

結論から言うと通常年間発生率は100万人中1人と言われていますからかなりの高確率です。

ただし福島県の検査は症状がないのに検査していますから、

通常では発見できない微小なガンを発見している可能性もありますので一概には断定できません。

でもかなり多発していることは間違いないでしょう。

一時検査については煩雑になるので省き、二次検査のみを書きます。

二次検査では穿刺、吸引細胞診等で検査しています。

   注:途中で修正をしますので発表ごとに異なる場合があります。

 

第23回県民健康調査 検討委員会資料から(平成28年6月6日)

  第1巡目の調査

平成23年10月9日~平成26年3月31日

   第2巡目(先行調査)

       平成26年4月2日~平成28年3月31日

23年度

受診者

41,810人

 

 

二次検査対象者

221人

0.528%

 

悪性又は悪性疑い

15人

男5、女10

震災時年齢 11~18

手術

15人

 

 

良性結節

1人

乳頭ガン

14人

低分化ガン

0人

平均腫瘍径

13.5±6.9ミリ(6.0~33.0ミリ)

24年度

受診者数

139,338人

 

二次検査対象者

988人

0.709%

 

悪性又は悪性疑い

56人

男21、女35

震災時年齢 6~18

手術

52人

 

 

乳頭ガン

52人

低分化ガン

0人

平均腫瘍径

14.5±7.8ミリ(5.2~40.5ミリ)

25年度

受診者数

119,328人

 

二次検査対象者

1,085人

0.909%

 

悪性又は悪性疑い

45人

男13、女32

震災時年齢 8~18

手術

35人

 

 

乳頭ガン

34人

低分化ガン

1人

平均腫瘍径

13.4±8.3ミリ(5.1~45.0ミリ)

23年度~

25年度合計

(第1巡目)

受診者数

300,476人

 

二次検査対象者

2,294人

0.763%

 

悪性又は悪性疑い

116人

男39、女77

震災時年齢 6~18

手術

101人

 

 

良性結節

1人

乳頭ガン

100人

甲状腺ガンと確定診断

低分化ガン

1人

甲状腺ガンと確定診断

平均腫瘍径

14.2±7.8ミリ(5.1~45.0ミリ)

26年4月2日~28年3月31日

(第2巡目

   途中)

受診者数

267,769人

 

二次検査対象者

2,061人

悪性又は悪性疑い

57人

男25、女32

震災時年齢 6~18

手術

30人

 

 

乳頭ガン

30人

平均腫瘍径

9.2±3.1ミリ(5.3~17.4ミリ)

注:第1巡目と第2巡目途中の受診者は568,245人です。

   その内「悪性又は悪性の疑い」が173人、ガン確定が131人です。(1巡目、2巡目計)

   100万人当たに換算してみると

   「悪性又は悪性の疑い」 約304人

   「ガン確定」 約230人となります

   この数字を多いと判断するかどうかです。

   検討会では前回と同じように、事故の依る放射線の影響とは考えづらいとしていますので、

   見解は前回とままとします。

「検討会の見解」

この検討会の見解が発表されていますが、かなり回りくどく分かりづらく書かれています。

内容的には「推定される有病数に比べて数十倍のオ-ダ-で多い甲状腺がんが発見されている」

としながら

「特段の健康被害が懸念されるレベルではないと評価」という結論を出し、

従来の考えを踏襲しました。

◎本調査で得られた線量推計結果(事故後4か月間の外部被爆実効線量:99.8が5mSv未満等)は、

 これまでえられている科学的知見に照らして、統計的有意差をもって確認できる

 ほどの健康被害が認められるレベルではないと評価する。・・・・

◎先行調査を終えて、わが国の地域がん登録で把握されている甲状腺がんの罹患統計などから

 推定される有病数に比べて数十倍のオ-ダ-で多い甲状腺がんが発見されている。

 このことについては、将来的に臨床診断されたり、死に結びついたりすることがないがんを

 多数診断している可能性が指摘されている。

 これまでに発見された甲状腺がんについては、被ばく線量がチェルノブイリ事故と比べて

 はるかに少ないこと、被ばくからがん発見までの期間が概ね1年から4年と短いこと、

 事故当時5歳以下からの発見はないこと、地域別の発見率に大きな差がないことから、

 放射線の影響とは考えにくいと評価する。

◎但し、放射線の影響の可能性は小さいとはいえ現段階ではまだ完全に否定できず、

 影響評価のためには長期にわたる情報の集積が不可欠であるため、

 検査を受けることによる不利益についても丁寧に説明しながら、

 今後も甲状腺検査を継続していくべきである。

 

この検査結果について反論する研究者もいます。

山下教授は他のがんリスク(喫煙など)の方が重要だと主張しています。

しかし喫煙との比較では約10倍、PM2.5との比較では1~2倍の危険度になります。(岡山大学津田教授)

また、チェルノブイリで甲状腺ガンが増えたのは事故のあと4~5年くらいなので、

福島でそんなに早く増える事はないと主張する人がいます。

しかしチェルノブイリで4年以降に多発したのは、単に多発した時期だけの問題で

実際には事故の1年後から増えています。

ピ-ク時に急に増えたわけではありません。

正確な検査をしたから多く発見されたという意見もあります。

その他色々と言い訳を考えて福島の検査結果を否定する試みがあります。

 

次に津田教授の論文を掲載しますが、

この表を見れば分かるように、福島県内の各地区で発生率に違いがあります。(黄色)

単に過剰診断で増えたのであれば地区によるバラツキは無いはずです。

やはり放射線の影響を考えるべきではないかと思います。

* 2014年2月7日福島県県民健康管理調査検討委員会発表デ-タによる甲状腺検診分のまとめ

          津田敏秀 岡山大学大学院環境生命科学研究所教授

          岩波書店「科学」2014年3月号

国立がん研究センタ-の1975年から2008年までのデータ-から

15歳~19歳の甲状腺がんの全国発生率100万人に5人との比較(若干高めの設定)

平均有病期間2年

地区

比較

中通り北地区(福島市、桑折町他)

23.88倍

中通り中地区(二本松市、本宮市他)

61.88倍

郡山市

38.80倍

中通り南地区(白河市、西郷村他)

35.81倍

いわき市

17.32倍

いわき市を除く東地区

10.83倍

      注:よく甲状腺がんの発生が100人に1人と言われますが、100万に5人としても

        かなりの倍率で甲状腺がんが増えていることがわかります。

 

 

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