日本の原子力発電

沸騰水型と加圧水型
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最終更新日:2017/07/16 9:43

日本の発電用原子炉は沸騰水型軽水炉(BWR)と加圧水型軽水炉(PWR)です。

今回事故を起こした福島第1発電所は1~6号機まで全てBWRです。

何れの形式でも水を沸騰させて蒸気でタ-ビンを回す事は同じです。

原子炉で直接水蒸気を作るか間接的に作るか、

またその構造上制御棒が上から入るか下から入るのかの違いがあります。

いずれにしてもタ-ビンを回した高温の蒸気は循環して再度原子炉で使いますので冷却する必要があります。

膨大な量の海水を取り込んで熱交換機で海水に熱を移します。

その為日本中の原子力発電所周辺の海水は温度が上昇しています。

 

「BWR(沸騰水型軽水炉)」

   一応概念図で圧力容器(原子炉)と格納容器です。

その外側に建屋があります。

この型は改良されてABWRと言うのもありますが図は基本の形です。

* ABWRは前項目の一覧表で柏崎刈羽の6号、7号がそうです。

仕組みは原子炉の圧力を70気圧くらいに上げて、

上部の蒸気発生器で280℃の蒸気を作って直接タービンに送ります。

直接水蒸気を作りますので沸騰水型と言われ、

構造が簡単ですが放射能で汚染された蒸気でタービンを回すので、もし漏れたら大変です。

又蒸気発生器が上部にあるため制御棒は下から入ります。

原子炉内部で蒸気を発生させるため上の方は空間になっています。

格納容器下部の圧力抑制プ-ルも完全に水で満たされているわけではないので地震の揺れには弱い仕組みと言えます。

図は概念図ですから新聞等の図とは少し違います。下の圧力抑制プ-ルは新聞では丸いド-ナツ状になっています。

ゲンパツ 沸騰水型図

 

「PWR(加圧水型軽水炉)」

   BWRの原子炉が完全に水で満たされていないのと違ってPWRでは水で満たされていて

原子炉全体に圧力がかかるようになっています。

その為加圧水型と言われます。

密閉されているため原子炉では蒸気を作らないで高温の水を外の熱交換器で別な水に熱を移します。

その水が沸騰してタ-ビンを回す仕組みになっています。

放射能で汚染された高温水を別な水に熱だけ移すのですから

タービンを回す蒸気は原則として汚染されていません。

原子炉は水だけですからスペ-スがあるので制御棒は上部から挿入します。

一旦別な水に移すので構造が少し複雑でコストは高くなります。

原子炉が水で満杯のため地震などの揺れに強いため原子力船などに採用されています。

原子炉は気圧160気圧で湯は320℃にもなり、熱交換器で変換されると猛烈に沸騰するのでその力でタ-ビンを回します。

ゲンパツ 加圧水型図

 

 

図で書くとそれほど大きく感じられませんが、実際の原発は巨大です。

沢山のポンプやモ-タ-を使います。

どの位の装置があるのか、100万kwクラスの原発の例が次の表です。

●原子力発電所(100万kW級)の物量

    注:沸騰水型(BWR)と加圧水型(PWR)の平均

       日本原子力学会「原子力がひらく世紀」から

装置

熱交換器

140基

ポンプ

360台

30,000台

モ-タ-

1,300台

配管

10,000トン、170km

溶接点数

65,000点

モニタ-

20,000ケ所

ケ-ブル長さ

1,700km

 

 

 

 

 

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