メタボ検診

コレステロ-ル
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最終更新日:2015/04/11 9:57

最近、コレステロ-ルは少し高めのほうが身体には良いということが知れ渡ってきました。

  国は基準値の方針を変えないようですが、多くの検査機関や研究者によって証明されています。

 

コレステロ-ルは体の中で単体ではなく「脂質類」「燐」「蛋白質」と一緒に複合体として存在します。

複合体ですからその構成物質の比率でブヨブヨだったり硬く締まっていたりします。

一番大きくてブヨブヨしているのがカイロミクロンで85%が中性脂肪です。

蛋白質やコレステロ-ルが多くなってくるとだんだん小さく締まってきます

その比率でVLDL、LDL,HDLと分けられます。

その中で一般的にHDL(通称善玉コレステロ-ル)LDL(通称悪玉コレステロ-ル)のことがよく言われるのです。

つまりコレステロ-ルそのものが問題なのではなくて、その比率が問題なのです。

            HDL(High density lipoprotein 高比重リポ蛋白)

            LDL (Low density lipoprotein 低比重リポ蛋白)

検査で総コレステロ-ルと言う場合は、VLDL、LDL,HDLの合計です。

ここでは複合体のことを習慣に従ってコレステロ-ルとします。

コレステロ-ルは体にとって困ったものではなく、大変に大事な物質です。

何故必要なのでしょうか

* 各臓器、筋肉、血管、脳神経などの膜を作ったり補修したりする

* 各種ホルモンの原料になります

糖質コルチコイド (ステロイドホルモン)

電解質コルチコイド (ミネラルコルチコイド、鉱質コルチコイド)

エストロゲン  (卵胞ホルモン)

プロゲステロン (黄体ホルモン)

テストステロン (男性ホルモン)

* ビタミンDの原料

* 胆汁の原料

* 卵や母乳の原料になる

このことは特に大事なことです。

卵や母乳にコレステロ-ルが多く含まれるのは、

赤ちゃんの細胞特に神経細胞の発達にコレステロ-ルが必要だからです

そのため妊娠希望、妊娠中、母乳を与えている人はコレステロ-ルが高い方が安全です

このように考えると少ないことは危険で、多少高めのほうが安全なことが分かります。

コレステロ-ルの殆ど、80%位は肝臓を主として体内で合成されます。

直接体外から取り入れるのは20%位です。

体内でコレステロ-ルが増えたときや、逆に減った時は肝臓での生産を自動調整でコントロ-ルします。

肝臓で作られたコレステロ-ルはLDLの形で全身に運ばれます。

色々な物質の複合体ですから身体のあちこちで役に立つのです。

必要なものを使った残りがHDLと言う形で回収されます。

ですからLDL(悪玉)も身体に役立つものを多く含んだ大切なものです。

運動をすればHDLが増えるのも使った結果です。

ですからLDLはあまり多すぎるのは材料過剰ですが、少なすぎるのはもっと困ることなのです。

最近のメタボ健診ではHDLとLDLを別々の基準を設けていますが、少し前までは総コレステロ-ルで出していました。

おそらくコレステロ-ルは高めが良いと言われ始めたので、わざわざ分かりにくく分けたのではないかと思われます。

* コレステロ-ル数値の計算の仕方

総コレステロ-ル=HDL+LDL+中性脂肪×0.2

 

コレステロ-ルが身体に良くないといわれたのは100年も前だそうです。

ウサギのエサのコレステロ-ルをふやしたところ、動脈硬化が起こったからとされています。

その後1940年代後半からアメリカでフラミンガムスタディという大規模調査が始まり、

コレステロ-ルは悪いとされたのです。

その調査そのものは信頼に値しますが、

家族性の高コレステロ-ル血症患者やアメリカ人の飽食を考えたとき、

それを鵜呑みにすることは問題があるでしょう。

高コレステロ-ル血症が1980年代に約8%だったのが、

2002年に25%にもなっていると言う説もありますが、

1997年に動脈硬化学会の基準値が厳しくなったのですから当然のことです。

 

一応高脂血症のガイドラインは日本動脈硬化学会で下記のように決めています。

* 高脂血症の診断基準(血清脂質値:空腹時採血)

高脂血症治療ガイド 2004年版  動脈硬化学会

高コレステロ-ル血症

総コレステロ-ル

≧220mg/dl

高LDL(悪玉)コレステロ-ル血症

LDLコレステロ-ル

≧140mg/dl

低HDL(善玉)コレステロ-ル血症

HDLコレステロ-ル

<40mg/dl

高トリグリセリド血症

トリグリセリイド

≧150mg/dl

 

それでは私たちの身体はどのような数値になっているのでしょうか?

厚生労働省の最新統計から年代別集計です。

* 厚生労働省の国民健康・栄養調査 平成24年版から

                平成26年3月発表

コレステロ-ル低下剤等薬を飲んでいない人の集計です。

    男性(総数5059人)

 

40~49歳

50~59歳

60~69歳

70歳以上

40~79歳

180~199mg/dl

22.7%

23.3%

22.5%

24.4%

22.9%

200~219mg/dl

26.0%

25.3%

22.8%

18.7%

23.0%

220~239mg/dl

13.9%

15.1%

13.9%

9.0%

12.9%

240~259mg/dl

9.5%

9.7%

7.6%

4.5%

7.5%

260~279mg/dl

3.5%

4.4%

2.4%

1.3%

2.7%

220~279mg/dl

26.9%

29.2%

23.9%

14.8%

23.1%

 

   女性(総数6960人)

 

40~49歳

50~59歳

60~69歳

70歳以上

40~79歳

180~199mg/dl

29.2%

16.3%

17.3%

21.8%

20.6%

200~219mg/dl

22.2%

22.5%

25.0%

24.7%

23.9%

220~239mg/dl

11.6%

26.1%

22.0%

17.3%

19.8%

240~259mg/dl

5.6%

14.1%

14.0%

8.7%

11.0%

260~279mg/dl

2.2%

6.5%

7.2%

3.5%

5.2%

220~279mg/dl

19.1%

46.7%

43.2%

29.5%

36.0%

*  注目は50代・60代の女性が高いことです。

女性の場合は閉経で体内のホルモンバランスが変化するからです。

自然な生理現象として上がっているので、病気ではありません。

*  高コレステロ-ル血症いわれる220以上の人の合計にマ-クをしました。

  3割くらいの人が高い、つまり治療の対象になってしまいます。多すぎると思います。

  これは基準が厳しいせいです。

 

 

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