講演録 インフルエンザ

解熱剤のこと
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最終更新日:2014/11/22 10:27

次は解熱剤のことです。

皆さん不安だから熱が出たら何とか下げようとします。

その気持ちは分かりますが、先ほど言った様に、

熱は身体を守っているのですから基本的に熱は下げないほうが良いと思います

大学病院の小児科、専門の新生児のほうでは、親が不安なら解熱剤を出しますが、

出来ればなるべく使わないように、あまり熱を下げないようにと指導しているはずです。

熱を下げたほうがよっぽどトラブルが多くなるのですね。

じゃあ出っ放しでいいのか・・・やっぱりいやですよね。

だから軽く下げて・・・・お医者さんによっても違いますが、

39℃、或いは38.5℃以下には下げない方がいいんじゃないでしょうか・・・と言っています。

 

大阪の小児科学会のパンフレットには41.7℃までは問題なし、脳症の事例はなしとなっています。

だけど脳症も心配ですね。

スペイン風邪で死んだり、メキシコの風邪で死んだり、ベトナムなどの鳥インフルエンザで死んだり・・・・

一体どんな理由で死んだのか・・・・普通の風邪では死なないでしょう。

じゃあ一体なんで死んだのだろう・・・・

多くの研究者は死亡原因は解熱剤ではないかと疑っています

厚生省もその研究に入っています。

これは前から疑われていたことです。

その仕組みをお話します。

さっき微生物に感染すると身体は臨戦態勢、戦う態勢をとるとお話しました。

感染を感知したら、身体のほうが脳神経ですが、態勢をとります。

その態勢というのはサイトカインといいます。

何種類もあってその総称です。

インタ-フェロンとかインタ-ロイキン、腫瘍壊死因子とか・・・そのようなサイトカインが

戦う準備をします。

その準備が整うのに時間がかかるので、時間稼ぎで発熱をするのです。

その時に薬で発熱を抑えると、微生物が安心して一気に増えてしまいます。

身体のほうも熱が上がっていないから、焦ってもっとサイトカインを出して微生物を押さえ込もうします。

それでも熱が上がらなければさらにサイトカインがでます。

サイトカインスト-ムといいます。サイトカインの嵐です。

するとそのサイトカインが微生物を攻撃するだけではなく自分の身体も攻撃するようになります。

腎臓を攻撃すれば腎出血するし、脳を攻撃すれば脳症を起こすのだろうということが近年言われています。

脳症を起こした患者の脳にはインフルエンザウイルスはいっていません。

途中の血液脳関門でブロックされているからです。

 

オ-ストラリアのReyeさんと言うお医者さんが1963年に脳症を伴う多臓器不全の報告をしました。

いわゆるライ症候群です。

1975年にそのライ症候群を調べたところ、死んだ子供の95%がアスピリンを使っていることが分かりました。

アスピリンは昔からある有名な薬ですね。

そこで日本の厚生省でもライ症候群の研究が行われてアスピリンが中止になりました。

それから若干子供の死亡、突然死は減りました。

でも完全に減らない

ではもっと他の原因があるのではないか・・・と言うことになって。

一番疑いがもたれたのはアスピリン以外の解熱剤です。

ボルタレンやポンタ-ルと言った非ステロイド系の鎮痛解熱剤です。

厚生省の「インフルエンザ脳炎・脳症研究班」で

非ステロイド系の解熱剤使用の死亡率が14倍になることが分かり、2000年に中止になりました。

それで小児の専門医ではアセトアミノフェン以外の解熱剤が基本的に中止になったのです。

今子供にはアセトアミノフェン、商品名ではカロナ-ルとか色々あります。

バッファリンでは小児用バッファリンがアセトアミノフェンです。

アセトアミノフェンだけが安全だと言われています。

なぜ安全なのかと言うと、あまり効かないからです。

大体1℃くらいしか下がらないから安全なのです。

 

それ以外は子どものインフルエンザには禁止されています。

 

まず解熱剤そしてタミフル・・・これには要注意

あまりの高熱には使ったほうが良い場合もあると思いますが・・・・。

インフルエンザの死亡としてニュ-スにでますが、

個別に調べると非ステロイド性の解熱剤を使用してタミフルも使っているように思えます。

たとえ解熱剤の副作用でも統計的にはインフルエンザの死亡になります。

必要があるときはやはり必要ですし、40℃以上の場合は他の病気も疑ったほうが良いと思います。

もし使うならいったん熱が上がってから、

つまりからだが体制をとる準備をはじめてから使ったほうが良いと思います。

テレビの早めのパブロンこれはかえって良くないのではないでしょうか・・・・

子供がインフルエンザになったときに小児科に行けばよいのですが、一般の診療所に行きます。

大人の診療所ではカロナ-ルはないでしょう。

でもお母さんは熱を下げてって言うわけですから、普通の解熱剤と使ってしまいます。

とても危険だと思います。

 

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