解熱剤のこと

次は解熱剤のことです。

皆さん不安だから熱が出たら

何とか下げようとします。

その気持ちは分かりますが、

先ほど言った様に、

熱は身体を守っているのですから

基本的に熱は下げないほうが良いと思います

大学病院の小児科、専門の新生児のほうでは、

親が不安なら解熱剤を出しますが、

出来ればなるべく使わないように、

あまり熱を下げないようにと指導しているはずです。

熱を下げたほうがよっぽどトラブルが多くなるのですね。

じゃあ出っ放しでいいのか・・・やっぱりいやですよね。

だから軽く下げて・・・・

お医者さんによっても違いますが、

39℃、或いは38.5℃以下には

下げない方がいいんじゃないでしょうか・・・

と言っています。

 

大阪の小児科学会のパンフレットには

41.7℃までは問題なし、

脳症の事例はなしとなっています。

だけど脳症も心配ですね。

スペイン風邪で死んだり、

メキシコの風邪で死んだり、

ベトナムなどの鳥インフルエンザで死んだり・・・・

一体どんな理由で死んだのか・・・・

普通の風邪では死なないでしょう。

じゃあ一体なんで死んだのだろう・・・・

多くの研究者は

死亡原因は解熱剤ではないかと疑っています。

厚生省もその研究に入っています。

これは前から疑われていたことです。

その仕組みをお話します。

さっき微生物に感染すると

身体は臨戦態勢、戦う態勢をとるとお話しました。

感染を感知したら、

身体のほうが脳神経ですが、態勢をとります。

その態勢というのはサイトカインといいます。

何種類もあってその総称です。

インタ-フェロンとかインタ-ロイキン、

腫瘍壊死因子とか、そのようなサイトカインが

戦う準備をします。

その準備が整うのに時間がかかるので、

時間稼ぎで発熱をするのです。

その時に薬で発熱を抑えると、

微生物が安心して一気に増えてしまいます。

身体のほうも熱が上がっていないから、

焦ってもっとサイトカインを出して

微生物を押さえ込もうします。

それでも熱が上がらなければ

さらにサイトカインがでます。

サイトカインスト-ムといいます。

サイトカインの嵐です。

するとそのサイトカインが

微生物を攻撃するだけではなく

自分の身体も攻撃するようになります。

腎臓を攻撃すれば腎出血するし、

脳を攻撃すれば脳症を起こすのだろう

ということが近年言われています。

脳症を起こした患者の脳には

インフルエンザウイルスはいっていません。

途中の血液脳関門でブロックされているからです。

 

オ-ストラリアのReyeさんと言うお医者さんが

1963年に脳症を伴う多臓器不全の報告をしました。

いわゆるライ症候群です。

1975年にそのライ症候群を調べたところ、

死んだ子供の95%がアスピリンを

使っていることが分かりました。

アスピリンは昔からある有名な薬ですね。

そこで日本の厚生省でも

ライ症候群の研究が行われて

アスピリンが中止になりました。

それから若干子供の死亡、突然死は減りました。

でも完全に減らない

ではもっと他の原因があるのではないか・・・

と言うことになって。

一番疑いがもたれたのは

アスピリン以外の解熱剤です。

ボルタレンやポンタ-ルと言った

非ステロイド系の鎮痛解熱剤です。

厚生省の「インフルエンザ脳炎・脳症研究班」で

非ステロイド系の解熱剤使用の死亡率が

14倍になることが分かり、

2000年に中止になりました。

それで小児の専門医では

アセトアミノフェン以外の解熱剤が

基本的に中止になったのです。

今子供にはアセトアミノフェン、

商品名ではカロナ-ルとか色々あります。

バッファリンでは小児用バッファリンが

アセトアミノフェンです。

アセトアミノフェンだけが安全だと言われています。

なぜ安全なのかと言うと、あまり効かないからです。

大体1℃くらいしか下がらないから安全なのです。

 

それ以外は子どものインフルエンザには禁止されています。

 

まず解熱剤そしてタミフル・・・これには要注意

あまりの高熱には使ったほうが

良い場合もあると思いますが・・・・。

 

たまにインフルエンザの死亡のニュ-スがでますが、

個別に調べると非ステロイド性の

解熱剤を使用してタミフルも

使っているように思えます。

たとえ解熱剤の副作用でも

統計的にはインフルエンザの死亡になります。

必要があるときはやはり必要ですし、

40℃以上の場合は他の病気も疑ったほうが良いと思います。

もし使うならいったん熱が上がってから、

つまりからだが体制をとる準備を

はじめてから使ったほうが良いと思います。

テレビの早めのパブロンこれは

かえって良くないのではないでしょうか・・・・

子供がインフルエンザになったときに

小児科に行けばよいのですが、

一般の診療所に行きます。

大人の診療所ではカロナ-ルはないでしょう。

でもお母さんは熱を下げてって言うわけですから、

普通の解熱剤と使ってしまいます。

とても危険だと思います。