新型コロナウイルスと免疫 最終回

「通常のヒトコロナウイルス」

コロナウイルスは以前からあります。

私たちが風邪を引くのは殆どがコロナウイルスと言われています。

勿論変異したものにはサーズやマーズなど危険なものもあります。 

通常のヒトコロナウイルスの場合   

☆潜伏期間 通常2~4日   

☆鼻汁、鼻つまり、くしゃみ、咽頭痛   

☆発熱 感染者の10~20%   

☆約1週間ほどで治り、免疫を獲得する     

注:今回は新型の為同じとは限らない

 

「新型コロナウイルスの特徴」

口から肺までを気道と言います。

その内気管支手前までを上気道、気管支から肺までを下気道と言います。

今回はどうも下気道への感染するようです。

その為発症初期から肺炎の症状が出るようです。

 

「検査」

インフルエンザや通常の風邪は上気道感染が主ですから、検査も鼻や喉の検査になりますが、

新型コロナウイルスは下気道に感染しますので検査がなかなか難しくなります。

検査しようとして鼻や喉を刺激するとくしゃみや咳で気管支から

ウイルスが飛び散るので感染が広がる原因になるようです。

 

「予防」

☆マスク

 ウイルスの大きさを考えると通常のマスクでは通過する可能性があります。   

 咳やクシャミで飛沫として出た場合は大きくなるので防げると思います。   

 目安として、他のスプレ-類(エアロゾル)や匂いの粒子にウイルスが付着した場合には、

 小さいので通過する可能性があります。

☆うがい   

 水道の水でうがいすることで十分です。   

 うがい薬は、他の良い常在菌まで殺すので別な細菌感染を増やします。

☆手洗い   

 アルコ-ルはすぐ蒸発するので、ウイルスを殺す前に効果が無くなってしまいます。   

 石鹸で良く洗い、流水で流すのが安全で確実です。

 殺菌という考えより除菌(微生物を遠ざける)という考えの方が良いと思います。

 

「感染~死亡」

感染・発病・重症化・死亡は別の問題 

ウイルスとの出会っても感染しなければよい (自然免疫) 

感染しても発病しなければよい (一次免疫・二次免疫)  

発病しても重症化(肺炎)しなければよい (基礎的な免疫力) 

肺炎になっても治れば良い (基礎的な免疫力)   

治らないときが問題です

 

「感染したら」

通常の風邪と同じなので判断が付きづらいですが、酷い咳が出て、肺炎の症状がでます。

 

「発症したら」

☆なるべく熱を下げない。    

→38.5度位は安全   

 発熱は重要な免疫反応です。熱によってウイルスの活動を抑えている。   

 その間に身体の免疫力を上げるように働いている。

解熱の必要がある時

 イブプロフェン(イブ)を避けてなるべく弱いアセトアミノフェン(カロナ-ル)系を利用する。

 アセトアミノフェン(カロナ-ル)系も妊婦はなるべく避けるようにする。

☆水分補給し安静にする

☆部屋の湿度を低くしない

☆酷い咳の場合は受診する

 

「治療」

基本的にウイルス感染には治療法はありません。

免疫力が頼りです。 

☆肺炎の状態を呼吸管理つまり酸素吸入で維持して、その間に免疫力で回復するのを待つのです。

 

「薬は効くか」

☆抗生物質はウイルスには効かない   

 ウイルスは細胞の中で増殖します。

 抗生物質は細胞の中には入らないので効果はありません。

 

「抗ウイルス薬」

肺炎を治すのではなく、ウイルスの増殖を抑えることや、

感染細胞から飛びだして別な細胞に感染することを防ぐ治療になります。 

そのため従来の抗ウイルス薬で効果があるかどうかのテストをすることになります 。 

☆エイズの治療薬  ☆インタ-フェロン  ☆タミフル リレンザ ゾフル-ザ アビガン  他

 

「ワクチン」 

他のRNAウイルスのワクチンが使えるか?

☆ポリオ、風疹、インフルエンザ、麻疹(はしか)、狂犬病・・・・

別の項目で詳しく書きます

 

「重症化→死亡」

☆免疫力があれば自然治癒する

☆免疫力の低下している人は要注意   

→乳幼児   

→持病のある高齢者   

→薬やサプリメント、健康食品の副作用のある人     

 特に逆流性食道炎の治療やピロリ菌除菌で PPIの薬を飲んでいる人       

 PPIの薬-タケプロン、オメプラ-ル、パリエット、ネキシウム・・・・

 (理由)細胞の酸アルカリ(㏗)は水素イオン(プロトン)濃度で決まります。

 それをコントロ-ルしているのがPP(プロトンポンプ)です。        

 そのポンプを停止するのがPPIです。

  PPI使用によって細胞の㏗が狂い肺炎や他の疾患が増える事が指摘されています。

 

「妊娠中の胎児への影響」

妊娠中の女性は胎児への影響も心配になる点です。

ウイルスの種類のよっても異なりますが、胎盤を通過することが考えられます。

しかし胎児はまだ羊水の中で肺呼吸をしていません。

その為基本的には呼吸器感染は起きないだろうと考えられます。

一応母親から赤ちゃんへの感染次のル-トが考えられます。

●胎盤を経由して感染

 まず胎盤からの感染ですが、

 血液中にウイルスがあった場合胎盤を経由して胎児に移行することが考えられます。

 しかし今回のウイルスは気管支の細胞から侵入で、

 血液感染ではありませんので胎児への影響はないものと想像されます。

 さらに新型コロナウイルスは呼吸器の気管支から侵入します。

 その為肺呼吸をしていない胎児には感染しないと思われます。

 エイズの場合には白血球へ感染しますので血液からの感染も考えられます。

●羊水を通じての感染

 羊水からの感染ですが、

 胎児は羊水の中にいるのですがまだ肺呼吸がはじまってないのでやはり感染しないと思われます。

 また胎児は羊水を飲みますが肺の方に入らないと思われます。

●出産時産道での感染

 出産時の産道感染ですが、産道を通過してから肺呼吸が始まります。

 その時ウイルスが付着して肺側に入ったときには感染の可能性があります。

 食道側に入れば大丈夫だと思われます。

胎児への感染以前に妊婦妊婦が多少不利にはなるので十分注意することが必要です。

理由は

妊婦と胎児はお互いに異物です。 

 そのため妊婦は胎児を拒否しないように多少免疫力を下げています

 免疫が低いという事は感染に対する防衛力が弱くなっているという事です。

●胎児が発育すると子宮内が大きくなり上部を圧迫します。

 その為肺を圧迫しますので呼吸の事を考えると多少不利になるかもしれません。

 

「重症化とサイトカインの暴走」

サイトカインとはあまり聞きなれない言葉です。

身体の中に侵入した異物やガンなどのように発生した異物に対して身体を守る色々な働きをいいます。

炎症や免疫に関する多くの働きで、身体を守る為の炎症反応やそれを制御する働きを微妙にコントロ-ルしています。

まだ多くの未知の事がありますが、多くの細胞から産生されるとされます。

→マクロファ-ジ、Bリンパ球、Tリンパ球、肥満細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、各種間質細胞・・・・

 

良く知られているサイトカインとしては  

☆ケモカイン(走行性サイトカイン)    

 白血球(好中球、単球、マクロファ-ジ)等  

☆インタ-フェロン    

 ウイルス感染の阻止機能  

☆インタ-ロイキン    

 免疫応答の調整のサイトカインの促進    

 白血球の分化促進    

 発熱の調整  

☆リンホカイン  

☆腫瘍壊死因子

 

微生物やウイルス感染のような時に私たちの身体は自分の身体を守るため炎症反応を起こします。

その為にサイトカインが総動員されるのです。

そして同時に過剰にならないように調整します。 

しかしその時に薬によって炎症を強く抑えると、身体はサイトカインが不足と判断してさらに増産しようとします。 

それを更に抗炎症剤などで炎症を抑える事が続くと、

サイトカインの調整が出来なくなりコントロ-ルル不能となります。

車でブレ-キを踏みながらアクセルを踏むようなものです。

この状態がダイトカインの暴走です。サイトカインの嵐(サイトカインスト-ム)と言われます。

免疫の暴走と考えても良いと思います。

WHOが一時期抗炎症剤入りの解熱剤イブプロフェンの警告を出し、

抗炎効果の弱いアセトアミノフェンを推奨したのもこの事を示唆したものと思われます。

サイトカインが暴走すると脳症や重症化につながることが考えられますので、 

勝手な判断で薬を使用することは危険だと考えるべきでしょう。 

狭義には分類されませんが、

広く考えて熱・鼻水・咳・嘔吐・下痢もサイトカインの働きと考えて慎重に判断したいものです。

 

「ウイルスの新型化」

ウイルスにはDNA型とRNA型があります。

DNA型は人間と同じで染色体が1組2本です。

片側が変化してももう一方がフォロ-するので変化は比較的少ないのです。

それに対してRNA型は1組1本なので、変化した場合フォロ-しないので簡単に新型になります。

 

「新型の例」

◎今年の風邪は長引くね~   

◎今年の風邪は治っても咳が残りますね~   

◎今年の風邪は熱があまりないのに頭痛がありますね   

◎今年の風邪は軽いのに鼻水とつまりがひどいですね~

 

これ等は皆新型と考えてください。

風邪の様な症状を起こすウイルスは腸炎を含めて何百とあります。

それが絶えず変化しています。

インフルエンザではA型だけでも理論上144種類の型があります。

その中で人間が発病するのは5~6種類ですが、その中でも細かい変異は絶えずあります。

 

私たちは毎日沢山のウイルスに感染し免疫で勝っています。

◎なんとなくだるい  早く寝よう

◎軽い頭痛がしていたけど 今朝治った  

◎朝熱っぽかったのに 仕事をしていたら忘れて いつの間にか治った

 

これ等は変異したウイルスかもしれません。

ですからウイルスとの戦いは免疫力があるかどうかです。

そして気が付かないうちに新型に対して免疫を獲得しています。

問題は人間の免疫力より強い病原性があるかどうかです。

 

「気が付かないうちに免疫を獲得している例」

子どもの病気でヒブ(Hib)があり、予防接種があります。

ヒブには20種類以上も細かい型があります。

通常は予防接種をしなくても10歳くらいまでに、軽い感染と自然治癒を繰り返して自然と抗体が出来ます。

気が付かないうちにです。

ですから免疫力を強くするには感染と治癒の繰り返しが重要です。

最近の様に清潔重視で殺菌・殺菌では免疫には不利になります。

 

「微生物との共生」

私たちの身体は中も外も微生物に囲まれ共に生きています。

色々な微生物が身体に常在してバランスよく暮らしています。

そのため発病をしません。

そこで過度な殺菌をすると微生物のバランスがくずれます。

あるいは微生物は薬品に耐性を持つか、変化して新型になります。

トイレ、浴槽、台所、制汗剤・・・・清潔は良いのですが、

せっかく住んでいる微生物を攻撃することになります。

殺菌と洗浄は違います。

殺菌しないで石鹸等で洗い流す方が安全だと思います。

消毒剤、殺菌剤の乱用は控えるべきです。

 

 

 

6回にわたる新型コロナウイルスの話はこれで終了します。