追加:ウイルスの血中移動と血圧

最近新型コロナウイルスは血液成分を経由して感染するのではないかとする報道が増えています。

そしてACE-2という言葉をよく耳にするようになりました。

同時に外国で川崎病に類似した症状が良くみられるとの報道があります。

元々基礎疾患(余病)がある人は新型コロナウイルスに限らず感染に不利なことは良く知られていることです。

基礎疾患の中でも今回は血液特に高血圧に関係している事などで簡単に説明します。

まず血圧が上がる仕組みです。

まず図です。

英語で見づらいので、下に解説を書きます。

●私たちの身体では内臓脂肪が増えてくると脂肪細胞から「アンジオテンシノ-ゲン」という物質が出ます。

 血管を緊張させる物質です。

 →アンジオ 血管の事 

 →テンシンは緊張の意味

●アンジオテンシノ-ゲンが出ると腎臓の細胞からタンパク質分解酵素「レニン」が分泌されます。

●レニンの働きでアンジオテンシノ-ゲンは「アンジオテンシンⅠ」に変わります。

 →アンジオテンシン Angiotensin

●さらに血管の緊張や圧力が強まると「ACE」の働きで「アンジオテンシンⅠ」は

 「アンジオテンシンⅡ」に変化して腎臓に圧力をかけて血圧が上がるようになります。  

 →ACEはアンジオテンシン変換酵素のことです。ACE Angiotensin Converting Enzyme 

●アンジオテンシンⅡが働き過ぎ血圧が上昇しすぎて身体にダメ-ジを与えると困るので、

 抑えるため「ACE-2」が出て炎症抑制・血管拡張・血圧低下等のブレ-キをかけます。

 →ACE-2はアンジオテンシン変換酵素2

 実際にブレ-キをかける物質は「アンジオテンシン1-7」と言います。

 これが血圧上昇と抑制の仕組みです。

 

そこでACE-2の増加です。

高血圧では圧もかかるし血流も早くなります。

その為血管内面が傷つきやすくなります。

結果として機能を正常に保つためにACE-2が増加します。

 

血圧の薬には色々ありますがアンジオテンシンに関係するのは2種類が有名です。

AEC阻害剤  

 ACEの働きを阻害して血圧を下げる薬で「アンジオテンシンⅠ」が「アンジオテンシンⅡ」に変化するのを抑えます。

 その為血圧上昇を防ぐことが出来ます。

●ARB 「アンジオテンシンⅡ」の受容体を妨害します。

 →アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤 Aggiotensin Ⅱ Receptor Blocker

  アンジオテンシンⅡが働けないようにするのでやはり血圧上昇を抑えます。

 

問題のACE-2です。

ACE-2は腸等の臓器細胞、血液中、免疫細胞など全身に存在します。

身体の傷付きやすいところを補修するのが目的ですから当然の事でしょう。

つまり高血圧、糖尿病、高コレステロ-ルなど基礎的な疾患を持っている人はACE-2が増加傾向にあるという事です。

川崎病の場合血管炎がからむので、当然ACE-2は増えているはずです。

そして困ったことに新型コロナウイルスはACE-2にくっついて全身を回り、色々な細胞に感染する可能性があるのです。

 

その為基礎疾患、余病、合併症がある人は重症化しやすいのです。

 

さて、血圧の高い人は不利と書きましたが、どの程度の血圧を高いというのでしょうか?

日本高血圧学会では上の血圧が130mmHgとしています。

心臓のトラブルや脳卒中の再発を防ぐには130mmHg以下が良いというデ-タ-が存在するからです。

しかしこの説には多くの異論があります。

昔から年齢プラス90と言われていて、50歳では140mmHg、60歳では150mmHg、

70歳では160mmHgという数字が多くの学会で支持されています。

過去に心臓や脳のトラブルのない人の場合、血圧は高目の方が、長寿だし病気も少ないからです。

 

では新型コロナウイルスの対策として血圧をどのように判断したら良いのでしょうか。

これからの研究が待たれるところです。