ヒブワクチン
2013年9月に書きました
ヒブに罹ると髄膜炎を起こす
危険性があることから、
予防の為に使うのがヒブワクチンです。
ヒブ(Hib)とはインフルエンザ菌B型の略で、
通常のインフルエンザは
ウイルスが原因なのに対してヒブは
細菌が原因ですから名前が似ていても
全く違う病気です。
19世紀にインフルエンザ患者から
菌が発見されたので
インフルエンザ菌と名づけられましたが、
その後インフルエンザの原因は
ウイルスだということが明らかになったのです。
しかしインフルエンザ菌と言う
名前だけが残ったのです。
細菌性髄膜炎を起こす細菌は色々あり、
ヒブが30%以上、肺炎球菌は20%位です。
細菌性髄膜炎に関する統計は色々ありますが、
厚労省のQ&Aでは年間700人が感染、
髄膜炎が400人、
死亡率が0.4~4%となっています。
1996年から2000年までの全国調査では
(国立感染症研究所調査IASR)
◎髄膜炎を起こした例 205人
◎死亡数 6人(率3%)
◎後遺症があった数 30人(率15%)
2006年から2008年までの全国調査(同上)で
細菌性髄膜炎と診断された患者の年齢を見てみますと、
0歳児が最も多く(約280人)、
6歳児になると非常に少なくなります(10数人)。
そして1/3がヒブです。
やはり乳幼児が心配になります。
ヒブは私たちの体の中にいる
常在菌ですし何十種類もあります。
生後半年以降になると
20%以上の子供がヒブに感染し、
しばらくして菌はいなくなり
また別なヒブに感染するようです(感染症学会誌)
4~6歳児の幼稚園では集団から
15種類のヒブが排出され、
新たに20種類の菌が持ち込まれたとの
調査もあります。(同上)
日本では新生児医療の発達で、
世界でも驚かれるくらい
髄膜炎をはじめ感染症全体で
年々乳幼児の死亡率が下がっています。
それなのに何故ワクチンによる
予防が必要なのか、
又安全なのかが問題になっています。
2009年の人口動態調査では
0歳~4歳児の人口が532万人で、
死亡は乳幼児突然死症候群が157人、
細菌性髄膜炎が10人となっています。
1年間です。
ワクチン接種が始まって、
2011年2月4日から3月24までに
ヒブワクチンによる死亡が8例報告され
マスコミを騒がせました。
ワクチン接種は253,000人と推計されます。
それで8人の死亡ですから、
もし532万人の乳幼児が
ワクチン接種したとすれば
170人近い死亡者が出る計算になります。
NPO医薬ビジランスセンタ-が
厚労省に出した意見書には
◎接種24時間以内の死亡危険度、
全死因に対して11.5倍
◎乳幼児突然死症候群との比較で150倍の危険度
今回の死亡事故でヒブワクチンの
危険性がわかり問題になっています。
ヒブは常在菌ですから健康な子供では
感染しても何のトラブルも起きません。
それでも発病した場合には細菌ですから
抗生物質の適正な使用は効果がありますが、
現在抗生物質の濫用で
耐性菌が増えていますので、
何でもないときの抗生物質使用は
控えるべきでしょう。
それとワクチンは一種の
毒素を体内に入れるのですから、
身体の状態が最高に良い時に受ける方が安全で、
機械的な集団接種は用心した方がよいでしょう。
これらことは一緒に接種する機会が多い
肺炎球菌ワクチンに関しても
同じ事が言えますので一言添えておきます。