色々な健康食品の中で
ウコンは相当人気があるようです。
高齢の女性が急性の肝障害を起こし
入院して治りましたが、
ハルウコンが原因だと信じ、
アキウコンに切りかえたところ
再び肝障害で入院したという事例もあります。
日本医師会ではウコン等を含む健康食品の
摂り過ぎに注意するポスタ-や
医師会会員向けの周知をしています。
「テーマ」
1日3食、バランスのよい食事が大切です。
「健康食品」やサプリメントを摂りすぎていませんか?
● ウコンについて
◎ウコンとは
一口に「ウコン」と言っても種類があり(学名が異なり)、
含有成分が全く違うため、
それぞれ別物と考えた方がよいでしょう。
日本では一般に、アキウコンのことを言い、
カレ-などの香辛料などにも用いられます。
他にも、ハルウコン、ムラサキウコン(ガジュツ)、
ジャワウコン等同じショウガ科のものなどありますが、
アキウコンとは学名も成分的にも異なります。
◎安全性は・・・・?
☆通常、食事中に含まれる量の摂取であれば、
おそらく安全と思われますが、
過剰摂取や長期摂取では
消化管障害を起すことがあります。
☆アキウコンは胃潰瘍、胃酸過多、
胆道閉鎖症の人には禁忌とされています。
☆胆石の人は医師に相談してください。
☆歴史的な食品として摂取する程度の量から、
今日のように健康食品として濃度の高いものを、
多量に長期連用する場合の量では、
健康被害の出現の度合いが
違ってくる可能性があります。
また、健康被害の原因は学名の異なるものを
摂取した場合やサプリメント製造元の
品質管理の悪さによるとの指摘もあります。
◎専門家のコメント
☆C型慢性肝炎の患者は
鉄過剰を起しやすいことから
鉄制限食事療法が実施されますが、
アキウコンの製品には鉄を
多量に含有するものがあり、
注意が必要であるという報告があります。
☆C型慢性肝炎やB型慢性肝炎、
2型糖尿病のどの原疾患のある
成人11名(男性8名、女性3名、
平均年齢54歳)において、
ウコンとの関連が疑われる
肝障害が報告されています。
ウコンの摂取期間は3日~5年、
11名のうち追跡可能であった
10名は摂取中止により回復、
回復または軽快までに要した期間は
1日~37週であったという報告があります。
☆歴史的に使用経験の長いアキウコンとは別に、
ハルウコンなど他のショウガ科の植物を
サプリメントとして摂取することにより
健康被害や相互作用が増加している
可能性があります。
☆ウコンは血液凝固を
抑制することがありますから、
血液凝固抑制薬(アスピリン、ワルファリン、
ヘパリン、ジクロフェナク、
イブプロフェンなど)を服用しているときに
ウコンを摂取すると、紫斑や出血が
生じる可能性が高くなると考えられます。
◎患者さん、ご家族の皆さんへ
あなたは、「健康食品」や
サプリメントを摂っていませんか?
「健康食品」やサプリメントには、
摂りすぎや、服用している医薬品との間で、
思わぬ健康被害が発生することもあります。
体に不調を感じたら、
すぐに、かかりつけの医師にご相談を!
そして、医師に、「健康食品」やサプリメントを
摂っていることを伝えましょう!