新型コロナウイルス感染では、
基礎疾患(持病)のある人が不利とされています。
身体の炎症に関係する「ACE-2」によって、
コロナウイルスが全身に運ばれることは既に説明しました。
その「ACE-2」は通常全身に分布し、
身体に炎症や病変が起きた時に増えることも
説明しました。
基礎疾患のある人がどの位不利になるのかデ-タ-を示します。
● 持病と新型コロナウイルスによる死亡割合
感染者の内死亡者の率
国立国際医療研究センタ-
2020年5月までの分析
身体の状態 | 死亡率 |
持病なし | 2% |
肥満 | 5% |
高脂血症 | 8% |
慢性肺疾患 | 25% |
脳血管障害 | 27% |
腎機能障害 | 28% |
心疾患 | 30% |
注:それぞれの状態の中での%なので
合計しても100%にはなりません。
さらに、入院の時に既に重症だった患者の
持病ごとの死亡率も発表されました
● 入院時重症だった患者の持病と死亡率
国立国際医療研究センタ-
2020年9月初めまでの全国345医療機関、
6070人の分析
重症時の持病 | 死亡率 |
併存疾患(持病)なし | 8.0% |
肥満 | 9.6% |
高脂血症 | 16.1% |
高血圧 | 19.5% |
肝疾患 | 25.6% |
糖尿病 | 25.8% |
固形がん | 30.4% |
慢性肺疾患 | 30.4% |
脳血管障害 | 39.5% |
心疾患 | 40.5% |
腎機能障害 | 44.0% |
上記2つの表は
1番目は全感染者の内での死亡率
2番目は感染して重症化した人の死亡率です
これをを見て気が付くことは
ACE-2の仕組みを考えれば
◎持病のない人が低いのは当然です
◎肥満・高脂血症・高血圧も低くなっています。
この事についての説明です
肥満や高脂血症(コレステロ-ルが高い)や
高血圧は基礎疾患(持病)なのでしょうか?
これらは身体の状態であって病気ではありません。
◎肥満は遺伝や食生活に関係して
病気ではありません。
勿論極端な場合は病気と
合併している場合があります
◎高脂血症(高コレステロ-ル)は
単に数値が高い状態なので病気ではありません。
LDLやHDLの検査基準を見直せば人数は減ります。
勿論極端に高い場合は遺伝や病気も関係しています
◎高血圧も同様に数値に現れた状態で、
病気とは言えません
そう考えると肥満・高脂血症・高血圧の内
何%かは病気を合併していると思われますので、
少しはACE-2が増えているので死亡率は若干増えますが、
他の基礎疾患より少なくなっているものと思われます。