さて血圧の関係でよく言われるのは脳卒中です。
脳卒中は脳血管に異常が起こる病気を総称します。
◎脳内出血
高血圧の影響で血管が破れて出血します
◎くも膜下出血
脳動脈の瘤が破れて出血します
◎脳梗塞
脳内の血管が詰まる病気です
くも膜下出血は1951年から2005年まで
少しは増えていますがあまり変化はありません。
問題になるのは脳内出血と脳梗塞です。
1951年には脳卒中のうち
脳内出血が95%、脳梗塞が3%でした。
しかし2005年になると逆転して
脳内出血26%、脳梗塞は63%になっています。
逆転は1975年頃です。
脳内出血が減ったのは
高すぎる血圧が減ってきたことと、
栄養状態が良くなって
血管が丈夫になったことが
原因だと言われています。
栄養の良い現代では185位までは
血管は破れないとされています。
逆に問題なのは脳梗塞が増えたことです。
その原因は加齢で血の巡りが悪くなって(？)
必要上血圧を上げているのに、
薬で無理に下げるため
血管が詰まるのだとおもわれます。
次のデ－タ－はそれを示しています。
● 血圧低下剤と脳梗塞
｢性差と医療 3,1327,2006 大櫛陽一｣論文
一般の人と脳卒中を起こした人の血圧状態の比較です。
◎脳卒中と血圧の関係 注：ｸﾞﾗﾌからとったので％は目安です
| 正常な血圧の人 | 高血圧で治療していない人 | 高血圧で治療中の人 |
一般人 | 57.3% | 16.2% | 26.5% |
くも膜下出血患者 | 58% | 13% | 29% |
脳内出血患者 | 26% | 31% | 43% |
脳梗塞患者 | 41.4% | 13% | 45.6% |
注1 一般の人と脳梗塞患者を比べてみてください。
高血圧の治療を受けている人が
圧倒的に多いことに気がつくと思います。
2 脳内出血の患者も高血圧治療を
受けている人が多くなっています。
3 くも膜下出血は一般の人とあまり
変わりは無いので、
血圧には関係ないことが分かります。
4 脳梗塞の中でも心臓などの血栓が
脳に流れておきる心原性脳梗塞では
高血圧の治療中は3倍の危険性が
あることも別のデ-タ-にあります。
次は日本のグル－プが研究した英文の論文です。
恐らく日本では発表しづらかったかもしれません。
● 10年後の脳卒中危険度(降圧剤使用有無別、血圧値別)
2013年2月28日 英国の医学雑誌｢STROKE(脳卒中)｣発表
日本のがん研などのグル－プが、
全国9ｹ所の保健所から11万人以上を選び、
その内1万6千人余を追跡調査し、
10年後の脳卒中危険度をまとめた論文です
注：血圧、上で160~179の人は薬を飲んでいても
いなくても危険度は変わりませんが、
それ以外は薬を飲んでいる人の方が危険度は高くなっています。
特に現在多くの人が薬を飲んでいる
130～139と140～159では、危険度は顕著です。
10年後の脳卒中を防ぐには薬を飲まないほうが
安全だということが分かります。