原発はCO2(二酸化炭素)を出さないといわれます。
しかしウラン鉱山から採掘・製錬・濃縮・燃料への加工等の工程でかなりのCO2を出します。
発電所で運転中には出さないだけです。
資源エネルギ-庁のホ-ムペ-ジでも以前は「原発はCO2を出しません」となっていたのが、
「運転中には出しません」に変わっています。
もっとも運転中に出さないだけならば、水力、太陽光、風力、地熱も出しません。
CO2を出すのは石炭、石油、天然ガス等の化石燃料です。
現状で石炭発電所が一番CO2を出すようで、天然ガスの1.5倍、石油の1.3倍になります。
しかしこのところ発電所でCO2を回収し他の用途に利用する技術がどんどん向上しているので
大幅に改善されることと思います。
しかしCO2の排出は何故いけないのでしょうか?
地球温暖化につながる、と言われます。
それならば最初から地球温暖化で話をしたほうが早いと思います。
地球温暖化には発電所のエネルギ-効率を考える必要があります。
どんな種類の発電所でも発生した膨大な熱エネルギ-でタービンを回す事で電気エネルギ-に変換しています。
そして電気に変換した残りのエネルギ-は捨てています。
自然界に捨てるエネルギ-こそが地球温暖化の問題になるのです。
では発電所の種類によってエネルギ-の変換率はどの位違うのでしょうか?
●電気に変換される率です。
原子力発電 約30%(アメリカの資料では26%とするものもあります)
火力平均 約45%
内訳 天然ガス(通常40%位)
コンバインド発電(後ほど詳しく説明します)59%(東電川崎)
石炭 41~42% 従来の平均
石炭ガス化複合発電(IGCC) 48~50% 常磐共同火力勿来発電所10号機
将来目標 55%
参考までにドイツの石炭平均は38%
水力、風力、太陽光に関してはもともとのエネルギ-の一部を利用するだけですから、変換率は関係ありません。
こうしてみると原子力発電所の効率が一番悪い事が分かります。
効率が悪いという事は、余って捨てるエネルギ-が沢山あるということです。
火力発電は煙突からCO2と共に55%のエネルギ-を環境中に放出しています。
さて原発ですが70%以上のエネルギ-を冷却水として海中に放出しています。
原発を海水温度上昇装置というのはそのためです。
この方が環境破壊を考えると問題かもしれません。
さらに海水冷却の時には、パイプ配管保護のために海水に塩素系殺菌剤を混ぜで放出しています。
その汚染も問題です。