住民に対する宣伝工作

日本軍は沖縄住民に対して

アメリカの恐怖心を徹底的に宣伝しました。

そのことが集団自決の多発につながっていくのです。

具体的にどの様な宣伝をしたのでしょうか?

 

●島尻にいた部隊が出した「布告」    

独立第89連隊第5中隊陣中日誌より 意訳

 鬼畜の米獣は今「中頭」で何をやっているか?

 洞窟内の同胞を毒を使って追い出し、

 出てくる人等を片端から

 男女老幼の別なく虐殺している事実を!

 平和安住の宣伝ビラの裏に待つものは

 敵の弾と銃剣である。

 「サイパン」でも「テニヤン」でも

 またその他の島々の同胞が怨を呑んだその血!

 その血を塗った銃剣が再び我々の前に来たのである。

      以下省略

 

それに対してアメリカ軍は

沖縄住民を日本軍に支配されている住民と考え、

沖縄人を攻撃するよりは、

救出しようと考えていたようです。

そのための食料、衣料品、医薬品を

沢山準備し色々な救出作戦を行ないました。

 

●米軍が空から撒いた「命を助けるビラ」

   ほぼ原文通りですが一部漢字は現代字に変えました。

   (原文の漢字にはすべて「ふりがな」がついています)

 命を助けるビラ

  1.此のビラに書いてある方法通りにする人は

    アメリカ軍が必ず助けます。

  2.そして国際法によって良い取扱ひ、

     食物、着物、煙草、手当等を与えます。

 このビラの使い方

  1.両手を上に高く挙げて

    このビラの他には何も持たないで

    アメリカ軍の方へゆっくり進んで来なさい。

  2.大勢一緒でなく一人づつ来なさい

  3.男は褌もしくは猿股だけを着け、

     女は自分の着て居る着物で宜しい。

     すぐ必要な着物をあげます。

  4.夜間は絶対にアメリカ軍の所へ来てはいけません。

  5.此のビラは軍人も軍属も一般人民

     朝鮮人も誰でも使へます。

  6.此のビラを持たなくても

     右に書いた通りにすれば宜しいのです。

 ビラの裏側には米軍兵士への指示が英語で書いてあります。

  このビラを持っている者は戦いを止めた者です。

  国際法に依って良い取扱をすること。

  すぐ上官の前に案内すること。

 

さらに米軍は沖縄人を投降させるために、

日系人の軍人で組織した「MIS」の沖縄出身兵を投入し

現地で沖縄語で投降を呼びかけました。

その結果約1500人が投降し命が救われたといわれています。